Phoenix, Arizona, USA
概要
詳細
夜10時の映像
午後10時頃、フェニックス南西のエストレラ山の方角に奇妙な9つの発光体が次々と出現し、多くの市民によって目撃され、ビデオ撮影もされた。別々の2箇所から撮影されたその映像には、光体がゆるやかな弧を描きながらひとつまたひとつと現れ、徐々に消えていく様が映っている。
フェニックスライト(夜10時頃の映像)
正体は軍の照明弾
フェニックスの中心部から南西に85kmほど行ったヒラ・ベンド(Gilla Bend)にある空軍施設が、時々ゴールドウォーター射撃場において照明弾を使った訓練を実施しており、今回もその誤認であろうことがわかった。
撮影された映像を同じ位置から撮った昼間の写真と重ねて検証したところ、光が消えたように見えたのは単に山の稜線に隠れたためであった。
撮影された映像を同じ位置から撮った昼間の写真と重ねて検証したところ、光が消えたように見えたのは単に山の稜線に隠れたためであった。
日本テレビの番組内で紹介された検証 |
光体群が山の稜線に隠れて見えなくなったことがわかった |
フェニックスライトの紹介と検証
(日本テレビ「モクスペ UFO vs 世界の科学者100人」より)
夜8時の映像
V字のライトをつけた飛行物体の映像より (非常に暗い映像なので、明るさ調整済) (日本テレビのモクスペより) |
一般的に言われるフェニックスライトは前述の10時頃の光体群のことであるが、当日夜8時以前にもV字型をして5つのライトをつけた物体が複数の人に目撃され、さらには映像に収められている。
この映像を撮影したのは、匿名だがパイロットで、友人から「お前の家の方に明るい物体が向かっているから見てみろ」と言われ、ビデオで撮影したのだという。
撮影時間は30秒だという。
10時の光体群を、8時のUFOを隠蔽するために軍が行ったのではないかと疑う意見もある。この映像を撮影したのは、匿名だがパイロットで、友人から「お前の家の方に明るい物体が向かっているから見てみろ」と言われ、ビデオで撮影したのだという。
撮影時間は30秒だという。
同番組つづき
多くの目撃者
その後の調べで、この時間帯に同様の形をした物体の目撃が広い範囲で何件もあったことがわかった。テレビ番組で紹介されていたものを時間順に紹介する。
- 6時55分、フェニックスから直線距離にして400km近く北西のネバダ州ラスベガスでケン・ブライト氏が、V字型にいくつかのライトがついた飛行物体が頭上を通過するのを目撃。フェニックスのある方角に飛んで行った。
- 7時30分頃、フェニックス北160kmのポールデン(Paulden)で警察官のデニス・モンローが目撃。物体は音もなくゆっくり飛んでいた。
- 8時以前、フェニックス北130kmのブレスコット(ブレスコットバレー?)で牧場を営むアダムス氏一家がV字型の飛行物体を目撃。
- 8時過ぎ、目撃者の一人のレイ氏一家によれば、物体はエンジン音もなく、見たこともない明るさの照明がついていた。レイ氏は片翼700フィート(213m)もある巨大なものだったと推定する。一家の真上を通過すると、山のかなたに消えて行った。
- ワトソン氏一家が、レイ氏が見失った山を越えてやってきたと思われる物体を目撃。サッカースタジアム二つ分ほどの大きさに見えた。
10年後の目撃
10年後の2007年2月6日、同じフェニックスで再び謎の光が目撃される。
この時はテレビ局のヘリコプターが出動して映像を中継した。
光体はV字、三角に隊を作って飛行していたというが、ネットの動画では今のところ上にある短いものしか見つからなかった。
ユマの海軍基地がゴールドウォーター射撃場の照明弾だとする声明を出した。
光体はV字、三角に隊を作って飛行していたというが、ネットの動画では今のところ上にある短いものしか見つからなかった。
ユマの海軍基地がゴールドウォーター射撃場の照明弾だとする声明を出した。
現場周辺地図
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考察
軍の秘密兵器か?
まず、8時頃までのV字型UFOの目撃と、10時頃の山陰に消えた9つの光体群(こちらは照明弾としていいと思う)の目撃は分けて考えたほうがいいだろう。
昨今はステルス戦闘機に代表されるV字型に近い軍用機が作られている。
昨今はステルス戦闘機に代表されるV字型に近い軍用機が作られている。
当時から現在に至るまでに公開されているかはわからないが、そのような極秘の兵器が作られ、試験飛行されている可能性はあり得るだろう。
ただしそれが目撃証言にあるような巨大なもので、エンジン音も聞こえないものなのかどうか? つまりは目撃したものが軍事兵器だったかどうかの確証はない。
当然10時の目撃が8時の目撃を隠すためのものだったとの説についても、両者が関連しているかどうかの証拠はない。
一日に2回も奇妙な目撃があったら、相乗効果でかえって騒ぎになってしまうのではないか?
そもそも隠す必要のある秘密兵器なら目撃されるような時間帯、場所を避けるべきだが、ラスベガスなどの大都市上空を飛行すること自体矛盾している。こうした見せたいのか隠したいのかわからないケースは、多くのUFO事件の共通項ではある。
むしろ米軍などが、わざと市民に見せてその反応を見ているのではないかとさえ思うが、それも想像の域を出ない。
V字型UFOは実在するのか?
ラスベガスでは7時前の明るい時間から目撃されているので(当日の日没は6時40分頃なので、その時間ならまだ十分明るい)、ライトの配置だけでなく、おそらくは実際にV字型をした機体を持つ飛行物体だったのだろう。
ただし、ラスベガスからフェニックス一帯までは距離があるので、目撃時にゆっくり飛んでいても、その間はかなりスピードを上げて飛行する必要がある。
ラスベガスからポールデンまでは約270kmある。6時55分に目撃されたものが7時30分にポールデンで目撃されるためには、時速540km以上で飛行する必要がある。
ジェット旅客機の巡航速度が800km程度だというので、それと比較すればそれほど速くはないが小型のプロペラ機は200km程度というのでそれよりは十分に速い。
ラスベガスでの目撃後に一気に加速し、ポールデン付近からは非常に減速していたことになる。
ラスベガスで目撃された物体と、ポールデン以南で目撃された物体が同じものであるかどうかも慎重に見るべきだ。
いくつかの注意点
なお今回のケースには必ずしも当てはまらないかもしれないが、光体がV字に並んでいたと言っても、それを取り付けた大きな機体があって、それもV字かどうかはわからない。単にヘリなどがV字編隊で飛行していたのを目撃したのかもしれない。
目立つものが離れて並んでいると、その間を結んだ部分にも何かがあるように錯覚する可能性はあり得るので、考慮すべきだ。
夜間に黒い機体が飛んでいたとして、正確な高度がわかるものではない。鳥や飛行機なら大体の大きさがわかるから、見かけの大きさから距離を推定しやすいが(それでも夜間であれば至難だ)、見たこともない物体の場合にはその基準がないので、あてずっぽうや期待が入ったものになってしまう。
「これくらいの高さを飛んでいるように見えた」というのは参考意見程度にしかならないだろう。
2017年に映画化
この事件を題材にした映画「Phoenix Forgotten」がこの4月に公開予定だ。(日本公開未定)
フェニックスライト事件の後、フェニックスの砂漠地帯でドキュメンタリー映画を撮影していた3人の高校生が行方不明になり、衝撃的な内容が撮影されたテープが発見されるというあらすじ。
同様の筋書きの映画としては「ブレアウィッチ・プロジェクト」が記憶に新しい。
監督はジャスティン・バーバー(ビーバーじゃない)。プロデュースはブレードランナーやエイリアンを監督したリドリー・スコット。
同様の筋書きの映画としては「ブレアウィッチ・プロジェクト」が記憶に新しい。
監督はジャスティン・バーバー(ビーバーじゃない)。プロデュースはブレードランナーやエイリアンを監督したリドリー・スコット。
参考資料
- 日本テレビ/モクスペ「UFO VS 世界の科学者100人」(司会:茂木健一郎/2007年10月4日放送)
- 超怪奇UFO現象FILE/並木伸一郎/学研
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