アメリカのドナルド・トランプ大統領は18日、国家宇宙会議で、国防総省に対し新たな軍隊の部門として宇宙軍(Space Force)を創設するよう大統領令を出した、と発表した。
トランプ大統領は「アメリカが宇宙に存在感を示すだけでなく、覇権を打ち立てる必要がある」と語っている。
米軍は現在、陸海空の3軍の他に沿岸警備隊と海兵隊を加えた5部門からなっており、宇宙軍ができると6番目の軍事部門になる。
創設のためには当然、議会での承認が必要になるので、仮に承認されても数年の期間が必要となるとみられる。
トランプ大統領は前年にも宇宙部隊創設を画策していたが、大統領顧問、国防長官らの反対によって法案が破棄されていた。
アメリカを含む宇宙進出国が加盟している1967年の宇宙条約によれば、宇宙のいかなる部分も一つの国の領土として主張することはできず、核兵器や大量破壊兵器などを配備したりすることも禁止されている。
——具体的に何をする軍なのかを大統領も明確に語っていないが、まずは空軍によって現在も行われている、軍事偵察衛星による敵国監視/ミサイルの早期監視などの業務を分離する意図がある。
その他に敵の軍事衛星などの妨害、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の迎撃などが推測されるが、これで思い出されるのは、1983年に当時のアメリカのレーガン大統領が掲げた戦略防衛構想(SDI/通称・スターウォーズ計画)だ。
SDIは、レーザー兵器などによって宇宙空間で敵国ソヴィエト連邦のICBMを破壊するといった計画だったが、資金的、技術的な問題とソ連の解体によって、尻すぼみになって中止されている。
今回の大統領令も、議会で承認が得られるかどうか微妙なのではないか。今後も経過を見ていきたい。
しかし、つい最近まで国防総省で真面目にUFOと宇宙人について研究していたような国なので、そういったものの肯定派が主導権を握れば、将来そういった意味づけを加える可能性がなきにしもあらずという気がする。むろんその事と地球を訪れている宇宙人が実在するかどうかは別だが。
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