報告書の表紙 |
UAP(未確認異常現象)について調査してきたNASA(アメリカ航空宇宙局)が🔗最終報告書を発表し、それについての記者会見も開いた。当初の話では7月末発表予定であったが、9月14日までに遅れたようだ。
地球外生命体起源説について
UAPが地球外起源であるかどうかについては、
他のすべての可能性を排除した後に初めてたどり着く答えである。シャーロック・ホームズが言ったように、"不可能を排除した後に残るものは、どんなにあり得ないことであっても、それが真実に違いない"
と、きちんと精査した上での可能性は排除していないものの、
今のところ、査読を受けた科学文献にはUAPが地球外起源を示唆する決定的な証拠はない。UAPに関しては、これらの異常な目撃例を説明するのに必要なデータが存在しないことが多いという課題がある。これには目撃者の報告も含まれ、それ自体は興味深く説得力があるが、再現性がなく、現象の出所について決定的な結論を出すのに必要な情報が通常欠けている。
と、情報不足もあって、現状はそれを裏付けられる根拠が見られないことを示した。頭から否定していない点はさすが科学者らしい謙虚な態度だ。
情報不足の事例がほとんどであるからか、一部を除いて個々の事例に関しての言及はなく、多くはNASAがどのような姿勢で本件調査に取り組み、今後政府の取り組みをどの様に補完できるかのビジョンを説明している。
GOFASTは風に漂うバルーンか
GOFAST映像の検証図 |
今回の国防総省UAP騒ぎの発端となった映像の一つである、米海軍が撮影した「GOFAST」と呼ばれる映像については、5月末のNASA公開ミーティングでも掲示された図を用い、
- 三角法を用いた計算により、物体は高度13,000フィート(約4,000m)上空を平均時速40マイル(約64km)で移動している。これは高度13,000フィートでの典型的な風速である
- (赤外線センサーの映像により)物体は海よりも冷たいことを示しており、推進システムから熱が発せられている証拠がない
- 以上は物体が風に漂っている可能性が高いという推測を裏付けている。さらなるデータが得られればより確固とした結論が得られるだろう
とした。要するにバルーンの様なものが風に漂っているとしているわけである。
NASA、調査に本格参入!
今回の報告書をもってUAPに関する調査、分析を終了するつもりかと思われたが、逆に本格的に参入することが発表された。
追跡調査プログラムの責任者はマーク・マキナニー(Mark McInerney)氏が任命された。1996年以来、UAP問題をめぐる国防総省との連絡役を務めてきた人物だということだ。
NASAのビル・ネルソン長官は「UAPに関する会話を、興味本位の話題から科学へ移行させたい」と語った。
NASAの多くの科学者はいわゆるUFO事件に詳しい人は少ないと思うが、それだけに逆に客観的、科学的な目で冷静な分析ができるだろうことが期待される。
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