Kelly, Hopkinsville, Kentucky, USA
概要
目撃者の証言に基づいて、地元のアナウンサー、レッドウィズが描いたイラスト |
詳細
UFOの目撃後に現れた怪物
午後7時半頃、住人のビリー・テイラーが水を汲みに外に出た時、UFOらしきものが近くの谷に降下するのを目撃。家に戻って家族に話すが信じてもらえなかった。8時半頃、家の外で犬が吠えるので、ビリーとラッキー・サットンが裏口から調べに出ると、裏口に向かって歩いてくる怪物を発見した。
怪物は身長1m、銀色に光る体に、大きな目と耳、長い腕を持ち、爪のついた指をしていた。
驚いた二人はショットガンとライフルで6mの距離から狙撃したところ、怪物は闇に消えて行った。
その後、窓の外に現れた怪物を網戸越しに銃撃した。網戸には穴があいた。
二人が玄関から外に出ると、玄関の屋根の上にいた怪物が後ろからテイラーの髪をさわった。テイラーはすぐに怪物を撃つが、怪物は再び闇の中へと消えた。
怪物はその後何度も家の外の木の上に現れ、合計200発もの弾丸を浴びせたが、バケツに散弾を浴びせたような音がするばかりで、いっこうに効き目がなかった。怪物は浮遊するように移動して闇の中に消えた。
恐怖にかられた一家は午後11時頃、2台の車に大人8人、子供3人で分乗して、ホプキンスビル警察署に駆け込んだ。警官の証言によると、彼らはとても怯えた表情をしていた。
すぐさま合計10人の警官が現場に駆けつけたが、事件の証拠は何も発見できなかった。
しかし、翌22日午前2時半頃に警官が引き上げると、再び怪物が現れた。
午前11時に地元放送局のアナウンサーで技術者でもあるレッドウィズがやって来て調査を開始した。彼は目撃者の証言をもとに怪物のスケッチを描いた。
事件は多くのマスコミで取り上げられたが、怪物は“Little Green Men"として、なぜか緑色ということになっていた。
調査と証言
1956年初め頃、UFO研究者であるJ・アレン・ハイネック博士が、助手をしていたレッドウィズからこの事件のことを聞き、自著の中でこの事件を紹介した。当時800mほど離れた家に住んでいたマッコード氏の証言
- UFOも見なかったし、銃声も聞こえなかった。
- 朝起きるとサットン家が騒がしかったので、ようやく事件のことを知った。
- 普段から酒ばかり飲んでいる連中で、近所の評判も悪かった。
- 話は信じられないし、ウソだと思う。
- 本人達は200発もの銃を撃ったと言っていたが、現場には弾痕も薬莢もなく、網戸の穴も散弾銃で撃って空いたものには見えなかった。
- 目撃者達も普段から酒に酔っているような人達で、近所の評判も悪かった。当日も酒を飲んでいたが、警察に来た時は酔いが冷めていたと思われる。
- 怪物のスケッチは目撃者の証言をもとに書いたものだからいい加減なもの。
現場周辺地図
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考察
ハイネック博士が取り上げるほど有名な話で、肯定的に扱ったメディアも多いようだが、近年実際に現地取材を行った超常ウォッチャーズの加門正一氏によると、それとはまるで違う結果が得られたようである。事件の真偽もさることながら、なぜそんな食い違いが生じたのかという点も興味をそそられる。
事件当時も酔っていて(邪推すれば薬のようなものも飲んでいたかもしれない)、鳥か猿でも見間違い、パニックに陥ったんじゃないかと想像できる。誰かが大げさに騒ぎ出したために、実際に見ていない人までもそんな気になってしまったんではないだろうか。つまり集団ヒステリーだ。一度そうなれば風の音を聞いても何かがいると思えてしまうだろう。
銃撃に関しての供述が一番の食い違いの点だ。今さらなぜ食い違ったのかは調べようがないかもしれないが、弾痕も薬莢もなく、発砲音も聞かれなかったというのだから、撃っていないのが正解なんだろう。
目撃者達が警察で見せたという怯え切った表情からして、少なくとも本人達はウソをついているつもりはないのかもしれないが、事件としての信憑性は著しく欠けると言わざるを得まい。
そもそもUFOのような物と怪物との関係も曖昧なので、UFO/宇宙人の事件と呼ぶことさえはばかられるように思う。
【参考】マクファーソン・テープ
近年、これにヒントを得たと思われる宇宙人ビデオが、テレビなどで何度も紹介されている。
「1985年に撮影され、17年間封印されていた」とされるそのビデオの内容は、娘の誕生パーティー中に現れたグレイにつきまとわれ、屋根の上のグレイを銃で殺してグレイを家の中に連れてきたところ、仲間が取り返しにきて、回しっぱなしにしておいたビデオカメラにグレイが気付くところで終わるというものだ。
ホプキンスビル事件がアレなのだから、こちらの方はより一層アレなのは言うまでもないだろう。
当サイトの談話室で「ばあちゃん俺俺、宇宙人」さんに教えていただいたところによれば、マクファーソン・テープ(McPherson Tape)と呼ばれるフェイク・ドキュメンタリーなのだそうだ。
全編の動画の最後にはスタッフロールで出演者の役者まで出ている。
第3の選択や、ブレア・ウィッチ・プロジェクトのようなものなのだね。
参考資料
- 楽工社・新・トンデモ超常現象60の真相(皆神龍太郎、志水一夫、加門正一)
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