概要
4枚の中では最も有名な写真だが、資料によってはかなり修正されているようだ。 |
ブラジル大統領名で公開された、問題のUFO写真。
正午過ぎ、出航前のトリンダデ島で、フィルホが大きなカモメのようなものを目撃し、ヴィエガス元大尉に伝えた。元大尉は「空飛ぶ円盤だ!」と大騒ぎをはじめた。
近くで船を撮影していたバラウナがかけつけ、ローライフレックスの55mmレンズにて、20秒ほどの間に6枚の写真を撮影し、その内の4枚にUFOの姿を収めることができた。
UFOはその間に接近し、デセガド山の背後に隠れ、再び姿を現して飛び去って行った。
甲板上の多くの乗員達がこれを目撃したという。
バラウナは気を落ち着かせるために1時間ほどたってから、ヴィエガスと共に、即席の暗室でフィルムを現像した。乗員達は出来上がったばかりのネガフィルムを見て、そこに写っている物体が先ほどのUFOであることを確認した。
フィルムは航海が終わるまでバラウナが保管し、銀塩で映像をはっきりさせるためという理由で、UFOのフィルムだけを他のフィルムから切り取った。
トリンダデ島の海洋調査基地兼気象観測所のカルロス・アルベルト・バセラール中佐から分析のために引き渡しを求められるまでの二日間、バラウナのリオデジャネイロの自宅にあった。
これらの点は後日、フィルムのすり替えや加工が行われたのではないかと疑われることとなった。
その写真は2月21日のブラジルの新聞に掲載された。
2月25日付けのUPIの報道は、「ブラジル海軍が写真を分析中だが、オリヴェイラ大統領は写真が本物であると考えている」と伝えた。
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マーカーは目撃場所と推測される位置。UFOは島の北西端の上空に飛んでいたと思われる。
なお、撮影場所については以下の図で説明されていることが多い。
図の上が北と書かれているが、これは明らかに間違い。航空写真と比べてみれば上が南であることがわかる。
1959年にUFO否定論者の天文学者ドナルド・メンゼル博士は、「特殊な気象条件によって飛行機がそう見えたのではないか」という説を述べた。
後年、バラウナがトリック写真の名人であることを突き止めたメンゼル博士は、写真はインチキであると自著に記した。バラウナはUFOや海底の財宝のトリック写真を作ったことがあった。
メンゼル博士は、写真のUFOの大きさ、外見が目撃者の証言と大きくかけ離れているうえ、多くの目撃者がいるとされる中でマスコミに証言したのがバラウナの二人の友人だけだったことに注目した。
UFOと同じ方向にあった木星の見間違えという説を唱えた懐疑派もいたが、正午という時間を考えると、木星が肉眼で見えるとはとうてい思えない。
大統領は肯定的で、はからずも「大統領公認UFO第一号」のような存在になってしまったが、海軍は当初より否定的であった。
厳密な分析を経た後に「異星人の乗り物であることが間違いない」と結論づけられたわけではなく、UFOに興味を持った大統領(専門家でもなんでもない)が軍の意向に反して公表してしまった類いであることを忘れてはならない。
バラウナとその友人達が、国際地球観測年の調査のために近海を飛んでいた飛行機か何かを写したものをいたずら目的で修正したものが、大事になってしまったという説が有力視されているようだ。
30秒足らずではあったが、その間に目撃したはずの他の乗員達の証言がほとんど得られていないようなので、「甲板上の多くの乗員達がこれを目撃した」という事件内容自体に疑問が生じる。
UFO自体のコントラストが低く、うっすらとした映りで見にくいからなのか、掲載される本によっては不自然に修正されていることも多い。
NICAPのサイトにあったオリジナル写真を見ても立体感に乏しく、絵として描かれたものか、プリントの際に薄く焼き付けたようにも見える。
詳細
未確認飛行物体を目撃
国際地球観測年のため、ブラジル領トリンダデ島近海で測量調査をしていた練習帆船アルミランテ・サルダーニャ号の300名の乗員の中に、同じダイビングチームに所属する、水中写真専門家のアルミロ・バラウナ、アミラル・ヴィエリラ・フィルホ、ホセ・テオバルド・ヴィエガス元ブラジル空軍大尉の3人がいた。正午過ぎ、出航前のトリンダデ島で、フィルホが大きなカモメのようなものを目撃し、ヴィエガス元大尉に伝えた。元大尉は「空飛ぶ円盤だ!」と大騒ぎをはじめた。
近くで船を撮影していたバラウナがかけつけ、ローライフレックスの55mmレンズにて、20秒ほどの間に6枚の写真を撮影し、その内の4枚にUFOの姿を収めることができた。
1枚目 NICAPより |
2枚目 NICAPより |
3枚目 矢印は挿入される拡大図用に描かれていたもの。 NICAPより |
4枚目 NICAPより |
甲板上の多くの乗員達がこれを目撃したという。
バラウナは気を落ち着かせるために1時間ほどたってから、ヴィエガスと共に、即席の暗室でフィルムを現像した。乗員達は出来上がったばかりのネガフィルムを見て、そこに写っている物体が先ほどのUFOであることを確認した。
フィルムは航海が終わるまでバラウナが保管し、銀塩で映像をはっきりさせるためという理由で、UFOのフィルムだけを他のフィルムから切り取った。
トリンダデ島の海洋調査基地兼気象観測所のカルロス・アルベルト・バセラール中佐から分析のために引き渡しを求められるまでの二日間、バラウナのリオデジャネイロの自宅にあった。
これらの点は後日、フィルムのすり替えや加工が行われたのではないかと疑われることとなった。
2月25日付けのUPIの報道は、「ブラジル海軍が写真を分析中だが、オリヴェイラ大統領は写真が本物であると考えている」と伝えた。
現場周辺地図
より大きな地図で UFO事件マップ を表示
なお、撮影場所については以下の図で説明されていることが多い。
図の上が北と書かれているが、これは明らかに間違い。航空写真と比べてみれば上が南であることがわかる。
島の形がだいぶ違い、地図の出来もあまり良くない。
上が北と書かれているが、誤りだ。 |
正しい北は下側だ。
考察
撮影者のアルミロ・バラウナ |
後年、バラウナがトリック写真の名人であることを突き止めたメンゼル博士は、写真はインチキであると自著に記した。バラウナはUFOや海底の財宝のトリック写真を作ったことがあった。
メンゼル博士は、写真のUFOの大きさ、外見が目撃者の証言と大きくかけ離れているうえ、多くの目撃者がいるとされる中でマスコミに証言したのがバラウナの二人の友人だけだったことに注目した。
UFOと同じ方向にあった木星の見間違えという説を唱えた懐疑派もいたが、正午という時間を考えると、木星が肉眼で見えるとはとうてい思えない。
大統領は肯定的で、はからずも「大統領公認UFO第一号」のような存在になってしまったが、海軍は当初より否定的であった。
厳密な分析を経た後に「異星人の乗り物であることが間違いない」と結論づけられたわけではなく、UFOに興味を持った大統領(専門家でもなんでもない)が軍の意向に反して公表してしまった類いであることを忘れてはならない。
バラウナとその友人達が、国際地球観測年の調査のために近海を飛んでいた飛行機か何かを写したものをいたずら目的で修正したものが、大事になってしまったという説が有力視されているようだ。
30秒足らずではあったが、その間に目撃したはずの他の乗員達の証言がほとんど得られていないようなので、「甲板上の多くの乗員達がこれを目撃した」という事件内容自体に疑問が生じる。
UFO自体のコントラストが低く、うっすらとした映りで見にくいからなのか、掲載される本によっては不自然に修正されていることも多い。
NICAPのサイトにあったオリジナル写真を見ても立体感に乏しく、絵として描かれたものか、プリントの際に薄く焼き付けたようにも見える。
バラウナの告白
バラウナの死後、生前「あれはトリックだった」とバラウナの告白を聞いていた姪がブラジルのテレビで証言したそうである。参考資料
- 学研・ムー特別編集世界UFO大百科
- 並木書房・政府ファイルUFO全事件(ピーター・ブルックスミス(大倉順二訳))
- NICAP / Trindade Island Photo (E-M, Radar, AR) Case
- 彩図社・UFO事件クロニクル(ASIOS)
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