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2016年6月23日木曜日

ウンモ星人

1965年〜/スペイン他
Spain and other

概要

スペインで撮影されたUFO
Ummo - Wikipediaより
スペインで大量に送りつけられる謎の手紙。
スペインで撮影された「王」マークのUFOの真相は!?

詳細

宇宙人ユミットからの手紙

1965年頃より、スペインの一部の人々がUMMO(ウンモ)星人ユミットと名乗る人物からの奇妙な手紙を受け取り出した。
受け取るのはマドリッドを中心とした住所の作家、弁護士、公務員などの社会的地位のある人達であった。
きれいにタイプされた手紙には、宇宙生物について、ウンモ星とウンモ宇宙船について、哲学や心理学についてなどが書かれており、その数は6,000通を超えていた。手紙にはかならず「王」に似たマークが押されていた。
他にもウンモ星人を名乗る人物から突然の電話がかかり、宇宙のことについて一方的に長時間しゃべって、一方的に電話を切ってしまうそうである。




そんなことが続けられている中、マドリッド郊外のサンホセで撮影されたというUFO写真が公開された。
1967年6月1日の夕方にサンホセで撮影されたUFOは、その後手紙に予告されていた4kmほど離れた場所に着陸し、まもなく飛び去ったという。
UFOの機体には、あの「王」に似たマークが入っていた。

同じくウンモ星人からのコンタクトを受けていたというスペインの宇宙友好協会会長フェルナンド・シズマ教授によると、ウンモ星は地球から14.5光年離れたところにある冷たい惑星で、IUMMA(イウンマ)と呼ばれる太陽を持っているのだという。

写真撮影現場地図

より大きな地図でUFO事件マップを表示

考察

まずウンモ星の位置についてだが、地球から14.5光年の辺りには以下のような恒星が存在する。
  • ウォルフ424A(グリーゼ473A)、同B(同B)の連星
    • 距離:14.3 ±0.3光年
    • 絶対等級:ともに約15
    • 表面温度:データなし
  • おひつじ座TZ星
    • 距離:14.7 ±0.3光年
    • 絶対等級:約13
    • 表面温度:2,000〜3,500K(約1700℃〜3200℃)
両方とも絶対等級4.85ある太陽に比べて非常に暗く、表面温度も低い。(太陽は約5500℃)
周囲に高等生命が存在できるような惑星の存在は望み薄と思われる。

高等な科学の内容が書かれているとも言われる手紙も、よくよく調べてみるとかなりでたらめが書かれていた。
手紙に書かれたウンモ星の言葉によると「我々は惑星ウンモから来て、宇宙船は南フランスに着いた」は「DO UMMO DO DO UMMO UMMO DO DO DO」であるという。かなりバカバカしい。

有名な「王」の字の入ったUFOの写真も、大勢の人がそれを目撃したというわりにその人達が写っていないこと、写真の撮影者が不明でわからないこと、さらにはアメリカのUFO研究団体GSWのコンピュータ分析によりUFOを吊っている糸が発見され、インチキであることが明らかになっている。
ただし、GSWの分析が現在の目から見てどこまで正確だったかは、公平に見て一考の余地があると思う。

疑惑のペナ
容疑者で一番有力なのは、手紙を研究しているスペイン人グループのホセ・ルイス・ヨルダン・ペナ(José Luis Jordán Peña)である。
彼の描く絵はユミットの描くイラストとそっくりであり、「王」マークのUFOもアマチュア写真家でもある彼の手による偽造だと疑われている。

ヴォロネジ事件との奇妙な符合!?

そんなわけで、ウンモ星人騒動についてはほぼ「オカルトさん達による大がかりなインチキ」ということで決着がついたかに見えたのだが、1989年に旧ソ連ヴォロネジ市に着陸したUFOの機体に同じような「王」に似たマークが入っていたのは奇妙な符合であった。
もしこのヴォロネジ事件が嘘でなく、ウンモ星人騒動の影響も受けていないのなら、実際に「王」のマークのUFOは存在するのだろうか?
もちろん似たようなマークが入っていたとして、それが同じものかどうかは別である。たまたま似ていただけかもしれない。

参考資料

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