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2017年3月10日金曜日

フー・ファイター

1943年〜1953年
太平洋、朝鮮半島など

概要

フー・ファイターの写真と言われるもの
中央の白い光体がそれか?
空飛ぶ円盤か、自然現象か?
戦争中、パイロット達を驚かせた幽霊戦闘機

詳細

戦闘機パイロットを追いかける謎の飛行物体

フー・ファイターの写真とされるもの
右の黒い球体がそれか?
白かったり黒かったりするのは撮影状況の違いだろうか?
第二次世界大戦のさなかのこと、特に1943年以降、連合国の軍用機が謎の光体に追いかけられる報告が相次いだ。
当時はまだUFOや空飛ぶ円盤という言葉がなかったし、ましてや宇宙人の乗り物(エイリアン・クラフト)という考え方もなかったため、敵の新兵器だと思われていた。
しかし敵の捕虜を尋問してみたところ、ドイツや日本のパイロット達も同じものに追いかけられていたことがわかった。
この謎の光体は、兵士達の間でフー・ファイター(Foo Fighter)と呼ばれるようになった。

フー・ファイターは、1950〜1953年の朝鮮戦争でも報告されている。

フー・ファイターの目撃例

1941年9月、イギリスの兵員輸送船プラスキ号が、インド洋上で満月の半分ほどの大きさに見える緑がかった光を発する奇妙な球体に1時間以上追跡された、と報告した。これが現存する最も古い報告である。
1943年10月14日、アメリカのB-17爆撃機の編隊がドイツのシュヴァインフルトに空襲をかけた帰り、銀色の小さな円盤の大編隊の中に迷い込んだ。
円盤の大きさは厚さ約2.5cm、直径約7.5cmで、爆撃機の方に向かって飛んで来た。その一つは機体の尾部に衝突したが被害はなかった。
同時に右主翼が集団の中を突っ切ったが、エンジンにも翼にもまったく影響はなかった。
1944年8月10日、インドのカラガプール基地からスマトラ島パレンバンへ、高度4,250m、時速335kmで飛行中のB-29爆撃機が、直径1.5〜1.8mほどの赤かオレンジの非常に明るい球体に気付いた。
球体は右主翼から3,800mのあたりで拍動。球体は遅れずについて来て、機体を振って振り切ろうとしたが同じ位置にとどまり、約8分後に突然約90度の旋回をして急加速して上空の雲の中に消えた。

フー・ファイターに関しての調査

フー・ファイターに強い関心を持った当局は、調査を行った。
1953年1月にCIAの科学情報局によって招集された「未確認飛行物体についての科学諮問委員団」によると「その正確な原因と性質は特定できなかったが、現在の自然科学の知識の範疇を越えるものではないというのが全員の考えである」とされた。

民間では天文学者のドナルド・ハワード・メンゼル博士らが研究に取り組み、超低温の空気によって作られた氷の微細な結晶が、戦闘で機体が受けた損傷部分の周辺で渦を巻き、光を反射したものではないかと述べた。
この説は、大きさや色が一定でなく、振り払おうとしても飛行機にまとわりつき、民間機より軍用機での目撃が多いことを裏付けているようである。
しかし、損傷部分と関係ない場所から現れた場合や、飛行機の電磁系に影響を与えることがあることの説明にはなっていない。

現在多くのUFO研究者の間では、フー・ファイターはプラズマか球電によるものだという説が大勢を占めている。

フー・ファイターの語源

名前の由来になったスモーキー・ストーヴァー
初版日は不明
この名前は「スモーキー・ストーヴァー(SMOKEY STOVER)」という消防士のマンガの、「Where there's foo, there's fire(フーがあるところに火事は起きる)」 という決め台詞から名付けられたとされる。(fooというのは、フランス語で火を意味するfeuに由来するという)
しかしマンガの方でFOO FIGHTERという言葉が使われていることから、決め台詞からでなく、マンガの中で消防士を表すFire Fighterをもじったと思われるFoo Fighterをそのまま使ったんじゃないだろうか。
ただし戦前/戦後のかなり長期間にわたって描かれていたマンガで、いつからFoo Fighterというものが登場したのかわからないため、UFOとしてのフー・ファイターの名称が逆輸入的にマンガ内で使われたこともありうるか?

スモーキー・ストーヴァーのイラストが描かれたB-29爆撃機
かなり人気のマンガだったことがうかがえる

考察

フー・ファイターに限った話ではないが、一つの説で全ての事例を説明できないからといって、その説が全否定されるものではない。不思議な現象が全て同じ原因によって生じている保証はないからだ。
フー・ファイターについても、メンゼル博士らが唱える氷によるものであったり、プラズマ、球電によるものなど様々あるんじゃないだろうか。数々の報告の中には現在のUFO同様、単なる見間違えや幻覚もあったろう。中には宇宙人が操るエイリアン・クラフトが含まれていたのかも…?

B-17からの目撃例では、かなりフー・ファイターの大きさを具体的に報告している。飛行中の爆撃機に向かって飛んで来た小さな物体の大きさを目測できるものだろうか? 少なくとも大きさに関してはあまり正確な報告ではなかったんじゃないかと推測される。
B-29にまとわりついたフー・ファイターの例でも、右主翼から3,800mのあたりを飛行していた1.5〜1.8mの物体とあるが、そんな遠くの物体までの距離や大きさについての計測の正確性には疑問が残る。
距離の計測がそう不正確ではなかったとすると、あまりに離れ過ぎているから機体が作り出した氷であるという説は通用すまい。

太平洋戦争初期に起こったロサンゼルス空襲事件も、フー・ファイター事件の一種と呼んでいいだろう。もちろんそれら全てをひっくるめてUFO(≠エイリアン・クラフト)の事件であることは言うまでもない。

今ではUFOという言葉が用いられるため、フー・ファイターとしての報告はないが、現在でも航空機のパイロットの間ではいろいろな謎の飛行物体が目撃されていると思う。もちろん未解明の自然現象を含めて。
それらは実害がない限り、いたずらに乗客を不安にさせないために公表されない(パイロットもいちいち報告しない?)ことがほとんどのようである。
目撃例を洗ってみれば、当時のフー・ファイターと同じような現象も多いんじゃないだろうか。

参考資料

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