Near Mount Tengu, Tamano, Okayama Japan
概要
トラック運転手がUFOと宇宙人に遭遇。宇宙人の依頼に応じて首をすげかえた、空前絶後の珍事件!
首をすげ替えさせた宇宙人のスケッチ |
詳細
早朝の長距離トラック
9月3日午前5時頃。
最終目的地である香川県高松市に午前7時に着けるため、カーフェリーが出る岡山県宇野港を目指していた。
岡山市内を走る国道2号線から宇野市へ通じる国道30号線を走っていた。何度も通った走り慣れた道ではあったが、長時間運転の疲れが出ていた。
宇野港まであと一息のところでトラックを止めて自動販売機のうどんを食べ、さらに走らせた。
(現在、国道30号沿の深山公園付近がドライブインのようになっている。そのあたりだろうか?)
(現在、国道30号沿の深山公園付近がドライブインのようになっている。そのあたりだろうか?)
宇野港まであと3、4kmの小さな峠に差し掛かった。道路両脇は岩に覆われている。すれ違う車もない。
突如現れるUFOと宇宙人
突然、正面の空に異様に輝く一つの光体を発見する。
光体は音もなくゆっくり近づいてきて、左前方10mくらいにある突起の激しい岩山の上部の平たい大きな岩に着陸した。何本かの着陸脚が伸びている。
この後から記憶が不鮮明になるが、UFOに吸い寄せられるようにその場に止ったようだという。
直後(と言っても仕事がひと段落してからだろう)に書き留めたものがある。
金属板(覚書の中ではUFOのことをこう呼んでいる)のどこから出て来たかわからないが、髪が肩のあたりまで垂れた女と思われる一人の人物がトラックの助手席に乗って来た。
- 座高から、身長160cm程度と思われる
- 角のようなアンテナが頭頂部から一本伸びている
- 顔は二つの目をのぞいてマスクをしているように見える
- 衣服はゴムのように肌と密着していた
- 靴の有無などは思い出せない
恐怖に駆られて放心状態で女を見つめる。
女はコンピュータの音声合成のような声で話しかけて来た。
「私は地球へ来てイチルイになるが、頭の調子がおかしいので、かわりの頭と取り替えてほしい。」
(このイチルイという単位(?)は何のことか、どれくらいのものなのか、Fさんはわからなかったという。)
(このイチルイという単位(?)は何のことか、どれくらいのものなのか、Fさんはわからなかったという。)
恐ろしさに声にならない声で「どうやって?」と聞くと、
「首の下と首と肩の中間の所にある3箇所の点に針金を通し、首の下の点を押して、かわりにこれをつけかえて欲しい。」と言って同じ頭部を差し出した。
宇宙人との会話
続けて宇宙人は、Fさんと以下のような内容の話をする。
「地球を征服しに来たのではなく、自分達の星が他の星と衝突してなくなったので、宇宙船に乗った仲間が地球に住み着いている。」
「仲間達が住んでいる所は今は言えないが、地球人達が自分達を理解してくれた時に、地球人の代表と話し合って住む場所を決めてもらう。」
「自分達は全てにおいて地球より進んでおり、頭の中はコンピュータがつまった機械であるため、地球の言葉で話し合える。」
「今まで地球人達が見て来た円盤は我々のものである。」
「私たちの星は地球のような強いエネルギーを持った星ではないので、太陽光線の弱い夜でなければ行動できない。地球に来た当初は強いエネルギーのために仲間の宇宙船がいくつも燃えて落ちた。」
「一度会った星の人とは必ず再び会うことにしているので、またいつかあなたの前に姿を現します。」
言われるままに宇宙人の頭部を外し、新しい頭部とすげかえたFさん。
車内に座っていたので、首のすげかえは互いに体をひねりあっておこなったという。
頭部を外した時、取り付けた時にガチャンと金属的な音がしたように思う。
首のない体の方がどうなっていたかは見た覚えがない。
首の重さなどは覚えていない。
首の重さなどは覚えていない。
その後どうやって宇宙人とUFOが姿を消したのか覚えていない。
次に気づくと、トラックはいつの間にか峠を離れ、カーフェリー乗り場のすぐ近くに来ていた。時間通りの到着である。
記憶がないのはせいぜい20分程度だと感じた。
家族と会社に告白
事件後、自宅に帰ったFさんは興奮し、妻に対し「俺は今日、宇宙人と話をして、首をすげかえてやった」などと言った。妻は「いよいよ疲れで頭がおかしくなったのか」と二人の子供とともに笑って聞き流していた。
その後Fさんは自分で編集している社内報に体験を発表し、会社の人にも笑われてしまった。妻は、夫の気がおかしくなったのかと心配したが、それ以後は普通の夫と変わりがなかったという。
UFOと宇宙誌の取材に応じる
Fさんは、体験後1年半以上胸に秘めていた。
自薦か他薦かは書かれていないが、雑誌「UFOと宇宙」の取材に応じ、以下のように語っている。
「なぜ首のすげかえを自分に頼んで、仲間に頼まないのかはわからない。ただ首をすげかえてほしいと言われたもので、そうしただけですから。」
自薦か他薦かは書かれていないが、雑誌「UFOと宇宙」の取材に応じ、以下のように語っている。
「なぜ首のすげかえを自分に頼んで、仲間に頼まないのかはわからない。ただ首をすげかえてほしいと言われたもので、そうしただけですから。」
「自分とコンタクトした目的も、首のすげかえ目的だと思う。頭が故障して痛むからすげかえてほしいと言われた。」
「宇宙人は人工的に作られた感じだが、人間とロボットの中間のように思えた。」
「宇宙人の態度は友好的といった雰囲気ではなく、命令に従わさせられた感じ。」
「宇宙人とは20分ほど会っていたにも関わらず、トラックが予定通りに目的地に着いたのは不思議。」
「本件の数ヶ月後に岡山県三石でトラック運転中に再びUFOを見たのが『再び会いに来た』ものだと思うが、話をしたわけではない。」
事件後も精神的、肉体的に変わった様子はなく、UFOについても興味が起きないという。
しかし、宇宙人の存在と自分以外に対してもコンタクトされる可能性を強調した。
現場周辺地図
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考察
現在調べる限り、国道30号で岩壁になっているのは天狗山の峠付近である。本文では宇野港まで3〜4kmとあるが、2km強くらいだ。
3〜4kmでも2km強でもいいのだが、普通に走っていたら港まで車で10分もかかるまい。時間通り着いたというのを信じるなら、一度止まったにせよ走り続けていたにせよ、20分の空白時間というのは本人も感じているように矛盾がある。
真相としては、疲労困憊の運転中に見た夢か幻覚だと思われる。
何か明らかな客観的証拠(宇宙人の髪の毛でも、他の目撃者でも)があればともかく、時間的矛盾がある本人の証言だけではそう推測せざるを得ない。
何か明らかな客観的証拠(宇宙人の髪の毛でも、他の目撃者でも)があればともかく、時間的矛盾がある本人の証言だけではそう推測せざるを得ない。
5時前なら南東の空20度くらいにおおいぬ座のシリウスが出ていた。他にもオリオン座のベテルギウス、リゲルなどの一等星も出ている。
薄明開始が4時15分頃、日の出が5時40分頃だから薄明るくなりつつも、かろうじて明るい星は見えていただろう。
(明けの明星金星も出ているが、5時でも高さ10度に達しないので、これは誤認候補としての可能性は薄い。)
おおかた、峠の坂を登ったあたりで木々と山陰から姿を見せたシリウスあたりに気づき、夢うつつにUFOに見誤ったのではないか。
同じく長距離運転中だったヒル夫妻事件のヒル夫妻が、木星や土星をUFOと見誤ったと思われるのに似ている。いわゆるハイウェイ・ヒプノシス(催眠)というものだ。
そのまま夢うつつに運転を続けたか、一度路肩に止まったかはわからないが、止まったとしても数分だろう。
夢は長い内容と感じても、実際はわずかな時間しか経過していないというので、20分程度に感じた体験も実際は数十秒から数分の出来事だったと思う。
UFOに興味がなかったというが、当時はUFOブーム、オカルトブームだったので、知らず知らずメディアを通じてそういったものに触れる機会も多かったろう。興味の有無に関わらず夢に出て来ても不思議なことではない。
奇天烈すぎる事件として笑いのネタとして語られることが多い本件だが、少なくとも本人にとっては社内報で発表するくらい真面目な体験だったのだろう。ちょっと気の毒にも感じる。
参考資料
- UFOと宇宙 1976年6月号 No.18(ユニバース出版)
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