Point Pleasant, West Virginia, USA
概要
人々はそれをモスマン(蛾人間)と呼び、恐る。
詳細
最初期の目撃
最初の目撃と言われるのは、1966年11月12日、ウェストバージニア州クレンデニン(Clendenin)付近の墓地での目撃とされる。
墓地で墓を掘っていた男たちが、木から飛び立ち低空飛行をして頭上を飛び越えた、人のような生き物を目撃したと主張した。
日本ではクレンデニンをレンデニンとしているサイトばかりだった。注意したい。
TNTエリアの怪物
次のはっきりした目撃記録は1966年11月15日。(ただし資料によっては14日、17日と諸説ある)
ロジャーとリンダ・スカーベリー(Roger & Linda Scarberry)、スティーブとメアリー・マレット(Steve & Mary Mallette)の二組の新婚夫婦が、ポイントプレザントの北に位置するTNTエリアと呼ばれる旧軍需品生産・貯蔵施設付近をドライブ中、廃発電所の背後から現れた怪物を目撃。
怪物は身長1.8mばかり、コウモリのような大きな翼と赤く光る目をしていた。翼を広げると体長は3mにもなった。
モスマンが走って追いかけてきたので、ポイントプレザントの家に向けて逃げ出した。
モスマンが走って追いかけてきたので、ポイントプレザントの家に向けて逃げ出した。
車が急カーブにさしかかった時、ハイウェイそばの丘に立つモスマンの姿が見えた。
モスマンは翼を使わずにロケットのような猛スピードで急上昇。時速160kmで逃げる車を追ってくる姿が月明かりに照らされて見えた。
目撃事例(英語版Wikipediaから)
2人のボランティア消防士が目撃。「赤い眼を持つ大きな鳥」だと証言。
メイソン郡のジョージ・ジョンソン保安官は、目撃情報はシエートポーク(shitepoke)と呼ばれる異常に大きな鷺(サギ)によるものだと信じているとコメント。
これに対し、モスマンを目撃した請負業者のニューエル・パトリッジ(Newell Partridge)は、付近にいた生物に懐中電灯を向けたところ目が自転車の反射板のように輝き、家のテレビにはひどいノイズが入り、犬(ジャーマン・シェパード)が行方不明になったと非難した。
シエートポーク cahoonahより |
ウェストバージニア大学の野生生物学者のロバート・L・スミス博士は、目撃情報はカナダヅル(サンドヒルクレーン/北米などに棲息する大型の鶴)の特徴にそっくりだと主張した。この鶴はこの地域固有ではないが、鳥の移動ルートから迷い込んだ可能性があるという。
怪物はその後、TV局の人によって「蛾人間」という意味のモスマンと呼ばれるようになった。命名はアメリカンヒーローのバットマンがモチーフにされている。
ポイントプレザント北部での目撃
11月25日、靴屋のトニー・ユーリーが、ポイントプレザント北で、道路から数百m離れた林からヘリコプターのようなものが上昇するのを目撃した。
近づくにつれ、それが体長1.8m、広げた翼は3mにもなる、グレーがかった褐色の鳥のような生物だと気付いた。
彼は車を112kmまで加速したが、モスマンは1.6kmほど追跡してき、その後向きを変えて飛び去った。
目撃者達は赤く光る目については証言しているが、頭や口ばしについての証言がない。
UFO目撃との関連
当時この一帯でUFOの目撃が盛んだったとして関連も疑われており、モスマンはUFOが連れてきた宇宙怪物ではないかとも噂される。
しかしモスマン目撃とUFO目撃が同時であることはなかったため、関係性ははっきりしていない。(実際どのようなUFOの目撃だったのかは現段階筆者未調査)
しかしモスマン目撃とUFO目撃が同時であることはなかったため、関係性ははっきりしていない。(実際どのようなUFOの目撃だったのかは現段階筆者未調査)
最後の目撃と橋の崩壊事故
1967年12月15日、ポイントプレザントとオハイオ州の州境にあるシルバーブリッジ付近で目撃されたのを最後に、モスマンの目撃が途絶えた。
同日、シルバーブリッジが崩落事故を起こして46人の犠牲者が出た。
橋は1928年に作られた、アイバー・チェーンという工法を用いて作られた吊り橋。アイバーと呼ばれる両端に丸い穴の空いた鉄板を、鎖のかわりにつなげて使う。(参考:鹿島建設「橋の歴史物語」)
この事故はメンテナンス不足による老朽化と、予想を超えた過負荷によるアイバーの破損が原因であった。(参考:雑多なページ/シルバー橋)
かわりの橋が少し南に建て替えられ、シルバー・メモリアル・ブリッジ(シルバー記念橋)として1969年に完成した。
橋は1928年に作られた、アイバー・チェーンという工法を用いて作られた吊り橋。アイバーと呼ばれる両端に丸い穴の空いた鉄板を、鎖のかわりにつなげて使う。(参考:鹿島建設「橋の歴史物語」)
この事故はメンテナンス不足による老朽化と、予想を超えた過負荷によるアイバーの破損が原因であった。(参考:雑多なページ/シルバー橋)
橋崩壊についてのヒストリーチャンネルのドキュメンタリー
現場周辺地図
崩壊したシルバーブリッジ(現在は近くに再建)と、北に位置するTNTエリア。南東に80km行ったところには最初の目撃と言われているクレンデニンがある。
ジョン・A・キールによる調査
UFO研究家のジョン・A・キールは一連のモスマン事件を調べ、モスマン・プロフェシーという本を出版した。
内容は小説仕立てで、脚色やフィクションを多く含むようであり、そのまま事件のあらましを把握する資料としては採用しがたい。
キールの本を原作とした映画「プロフェシー」(The Mothman Prophecies)が、リチャード・ギア主演で2002年に公開されている。
キールとは無関係だが、2010年にも「蛾人間モスマン」としてさらに荒唐無稽なストーリーで映画化された。
キールとは無関係だが、2010年にも「蛾人間モスマン」としてさらに荒唐無稽なストーリーで映画化された。
プロフェシーの予告編
考察
UFO事件なのかUMA(未確認生物)事件なのか線引きが曖昧な事件ではあるが、UFOの本に掲載されることが多い。
ポイントプレザントとクレンデニンが80kmも離れていることから、それぞれで目撃されたモスマンが同じ正体なのかは怪しい。
目が赤いというのも、夜間に照明を受けた動物の目が赤く光って見えたせい。ストロボを焚いて撮影した人間の目でも起こるいわゆる赤目現象だ。
鳥の見間違えとしては、大きなサギ説以外にもフクロウの見間違え説が唱えられている。
目が赤いというのも、夜間に照明を受けた動物の目が赤く光って見えたせい。ストロボを焚いて撮影した人間の目でも起こるいわゆる赤目現象だ。
鳥の見間違えとしては、大きなサギ説以外にもフクロウの見間違え説が唱えられている。
モスマンの正確な正体は今となってはわかるはずもないが、以下のような仮説が成り立つのではないだろうか。
クレンデニンでの目撃報道を聞いたポイントプレザントの二組の夫婦が大型の鳥を見誤って「噂の怪物」と思い込んで大騒ぎし、それがさらに報道されて広まった。
当時のポイントプレザントの人々は、モスマンという怪物に対する恐怖心から、狂騒状態になっていなかっただろうか。
怖い怖いと思っていれば、木の枝でも幽霊に見えてしまうというような精神状態は、万国共通なんだと思う。
ちょっと見慣れないものを見ただけで、なんでもモスマンやUFOと思い込むような精神状態にあったのではないかと想像する。
シルバーブリッジの事故後に目撃報告がなくなったのは、モスマン目撃が集団狂気のような状況下で起こった継続的な誤認であると考えると、橋の崩壊という現実の大事故が突きつけられたことによって、人々の目が覚めたせいではないかと推測できる。つまり「モスマンどころではなくなった」というわけだ。
結論として、モスマンの正体は何かの誤認であると同時に、人々の恐怖心が生み出した共同幻想の産物ではないだろうかと思う。
もっと細かな目撃事例や、プロフェシーの本に載っていたMIBの事例などが本当にあった(現地でまことしやかに語られていた)のなら、今後調べて追記したいと思う。
もっと細かな目撃事例や、プロフェシーの本に載っていたMIBの事例などが本当にあった(現地でまことしやかに語られていた)のなら、今後調べて追記したいと思う。
ポイントプレザントの観光資源に
- 宇宙人大図鑑(中村省三/株式会社グリーンアロー出版社)
- wikimapia/TNT igloos area(TNTエリアの領域)
- Wikipedia/モスマン
- Wikipedia/Mothman
- Ghost Theory
- UMA事件クロニクル(ASIOS/彩図社)
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