Near Beaucourt-sur-l'Ancre, France
概要
フランス各地でUFO着陸事件が相次ぐ中、道路に着陸していたUFOと、異様に頭が大きく小柄な4体の宇宙人が、複数の人達によって目撃される。
現場は直径3mほどにわたって道路が溶けていた。
そして驚く真相とは!?
現場は直径3mほどにわたって道路が溶けていた。
そして驚く真相とは!?
詳細
ハンガリー難民で道路保守に携わる労働者のミシェル・フェケテ(Michel Fekete/29)が、夜遅くにボーモン道路を通って自転車で帰宅していた。
ボークール・シュル・ランクとの境の幅の広い道をアメル通りに曲がってすぐ、前方に発光する物体を目撃した。
物体は地上30cmばかりに浮かんでおり、その側に立つ4体の小人達の姿があった。強い光のために詳細を確認することはできなかった。
(ボーモンはボーモン・アメル(Beaumont Hamel)のことと思われる)
ボークール・シュル・ランクとの境の幅の広い道をアメル通りに曲がってすぐ、前方に発光する物体を目撃した。
物体は地上30cmばかりに浮かんでおり、その側に立つ4体の小人達の姿があった。強い光のために詳細を確認することはできなかった。
(ボーモンはボーモン・アメル(Beaumont Hamel)のことと思われる)
小人達の特徴
- 身長1.2〜1.5m
- 灰色がかったベージュの肌
- 頭部が黒くて異様に大きい
- ヨタヨタとした歩き方
複数の目撃者
恐ろしくなったフェケテは自転車を捨て、付近に住む鉄道の信号手であるルポ(Lepot)夫妻の家にかけ込み、息を切らせながら灯りのついたキッチンの窓を叩いた。
「彼らに攻撃された! 彼らに攻撃された!」
そこには他にイクレ(Iklef)夫妻ともう一人もいた。
家の中に入れてもらったフェケテは、灯りを暗くしてもらい、うろたえ、怯えながらも今見たことを小声で話した。そして6人で窓の外を眺めた。
物体までは100mほどの距離があり、物体の放つ赤と白の光線に照らされた周囲を、灰色の人影が(おそらく手を振りながら)走り回っているのを全員で目にした。
そこには他にイクレ(Iklef)夫妻ともう一人もいた。
家の中に入れてもらったフェケテは、灯りを暗くしてもらい、うろたえ、怯えながらも今見たことを小声で話した。そして6人で窓の外を眺めた。
物体までは100mほどの距離があり、物体の放つ赤と白の光線に照らされた周囲を、灰色の人影が(おそらく手を振りながら)走り回っているのを全員で目にした。
——「卵型をした物体は赤と白に交互に光り、赤い時が長く、白い時の光は強力なサーチライトよりも強かった」という資料もある。
フェケテ以外の目撃者の証言によると、「輝く球体は赤、黄色(ママ)の光線を放っており、非常にゆっくり動いていた。その後20分間に渡り、現場を行き来する3つの小人達のシルエットが見えた」が、フェケテが言っていた4番目の小人は区別がつかなかったという。
事件を伝える日刊紙FRANCE-SOIR 1957年5月14日 左からルポ夫人、ルポ氏、イクレ夫人、付近の畜産農家シャトラン氏 フェケテ氏の写真は今のところない 目撃者は皆若い人達だ。この頃からろくろを回すポーズはあったのだね(笑) UFO at Close Sightより |
11時15分頃、物体は北北東に45度の角度で高速で飛び去った。
目撃者達はすぐに南の町アルベール(Albert)の警察に通報し、30分後に警察がやってきた。空軍や警察が現場検証を行った。
現場に残された証拠
現場の道を調べたところ、道路が加熱されて溶けたような、3m弱の大きさの円形をした黒いカスが見つかった。
これに加え、道路の鉄柵が強い磁性を帯びていたことがわかった。
これに加え、道路の鉄柵が強い磁性を帯びていたことがわかった。
付近の住民の証言
その後の調べで、物体の着陸現場からわずか20mばかりに住むレーン(Laine)氏という老父婦の証言を得られた。
事件のあった10日の晩はすでに眠っていて何も見なかったが、12日の午前3時頃、満月ほどの大きさをしたオレンジ色の光が80mほど離れた場所で光っているのを、寝室の窓から妻とともに目撃していた。数分後に光が消えたので再び寝付いたという。
明かされた真相
目撃当時、近くに住む農場シャトラン(Chatelain)氏の娘が、牛の監視のために外に出ており、赤いガラスのランタンを持っていた。これをUFOの光と見間違えたのだという。小人達の正体はもちろん牛だ。事実、彼女はUFOも小人も、何も異常なものは目撃していなかった。
(シャトラン氏はこの辺りの市長で、娘ではなく妻だという報道もある)
(シャトラン氏はこの辺りの市長で、娘ではなく妻だという報道もある)
UFO研究家のエメ・ミシェル(Aime Michel)は48時間以内に事件を調査し、いくつかの情報を提供してくれた。
目撃者達の誠実さは疑いようがないと感じたが、取材時にまだ感情が高ぶっていたという。
フェケテ以外は50m以内に近づいておらず、強い光のために詳細は確認できておらず、「4つのシルエット、1.2〜1.5mの背丈、広い体、グレーかベージュの肌、頭は黒くて大きい」というのが彼らの精一杯の説明だった。
問題の農場の娘が10時10分〜50分頃まで道路にいたことも確認した。
目撃者の一人はそれに憤慨し、「農場の娘がランタンを持ってそんなに早く走れるなら、オリンピックにでも出るべきだ」と語った。
事件はロイターなどの通信社を通じて海外にも伝えられたが、5月12日付の新聞ではすでに正体が「ランプを持った女性」として報道されている。
事件はロイターなどの通信社を通じて海外にも伝えられたが、5月12日付の新聞ではすでに正体が「ランプを持った女性」として報道されている。
道路のカスについて
道路のカスは一見高熱で溶かされたタールのようであるが、確実ではなく、時々通る道路舗装車によるものかもしれないという。村の誰もが事件前にこのカスがあったかどうか記憶していなかった。
エメ・ミシェル自身は個人的意見を持たず、結論を出すことはできないとしつつ、「目撃者の意見を支持する推定がある」とも述べた。
道路の鉄柵の強い磁性を帯びていた件は、ボークールの道路沿いの全ての鉄の杭が磁性を帯びていたため、事件との関連はわからなかった。
レーン夫妻の翌晩の目撃については、シャトラン氏の敷地内で若者達が爆竹(Firecracker)を燃やしていたという事実があるが、それについて懐疑的な意見も書かれているようで、翻訳がうまくできず、はっきりしなかった。
道路の鉄柵の強い磁性を帯びていた件は、ボークールの道路沿いの全ての鉄の杭が磁性を帯びていたため、事件との関連はわからなかった。
レーン夫妻の翌晩の目撃については、シャトラン氏の敷地内で若者達が爆竹(Firecracker)を燃やしていたという事実があるが、それについて懐疑的な意見も書かれているようで、翻訳がうまくできず、はっきりしなかった。
現場周辺地図
現在の事件現場
当時の現場地図 プロジェクト・ブルーブックより |
当時の地図を現在の空撮に当てはめてみた |
考察
子供の頃読んだ南山さんの本に載っていた事件だ。複数の小人宇宙人という不気味なものだが、どうやら農婦と牛がその正体のようだ。間違われた娘がほかに怪しいものを見ていないのだから、これ以上くつがえすことは難しいだろう。
フランスでは4月14日に南部の町ヴァン・シュル・カラミ(Vins-sur-Caramy)、4月22日にパラルダ(Palalda)でUFOが着陸する事件が相次いで起きていた。(そちらの紹介は別の機会に)
フランスでは4月14日に南部の町ヴァン・シュル・カラミ(Vins-sur-Caramy)、4月22日にパラルダ(Palalda)でUFOが着陸する事件が相次いで起きていた。(そちらの紹介は別の機会に)
拍子抜けというよりは、むしろ謎が解明されて面白い。幽霊の正体見たり枯れ尾花。人はなんでも怖いもの、不思議なものに見てしまうのだ。
参考資料
- UFO全百科/南山宏監修/小学館コロタン文庫
- 世界の円盤ミステリー/南山宏/秋田書店
- マゴニアへのパスポート/ジャック・ヴァレ
- APRO会報 Bulletin/1957年7月号
- On This Day
- UFO Sightings in 1957
- プロジェクト・ブルーブック
- UFOs at Close Sight(各国の事件の詳細がたくさん載っている)
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