情報ソース:AFPBB NEWS(4/29)、AstroArts(4/30)、JIJI.com(5/5)、CNN(5/5)、ABEMA TIMES(5/6)、Yahoo! JAPANニュース(5/6)、REUTERS(5/8)、NHK(5/8)
中国の大型ロケット「長征5号B」が日本時間明日9日昼前後に地球に落下する見込み。監視をしている米軍の宇宙軍によると、再突入するのはニュージーランド沖の上空と見られるが、場所は大きく変わることもあり、予測時刻も前後6時間の幅があるという。
同国の宇宙ステーション「天宮」の居住施設「天和」打ち上げのために4月29日に打ち上げられたもので、モジュールの軌道投入は成功した。
落下する部品は全長30m、重さ20トンあり、大気圏再突入で多くの部分は燃え尽きると思われ、燃え残った一部が地表に到達したとしても海上に落下する確率が高い。しかし人のいる場所に落ちる可能性も非常に低いものの皆無ではない。
中国外務省は7日、「ほとんどは燃え尽きて被害を及ぼす恐れはほとんどない」という見解を示している。
これを伝えたCNNの記事では「制御不能」とあったが、実際はコスト削減のために最初から制御せずに自由落下させるのではないかという見方もあるようで、昨年も長征5号が打ち上げらられ、制御されないまま一部の部品がコートジボワールに落下し、複数の家屋に被害が出たと伝えられた。
1979年にアメリカの宇宙ステーション スカイラブ、1991年にロシアの宇宙ステーションサリュート7号がそれぞれ陸地に破片を落下させているが、被害は報告されていない。
日本では航空自衛隊の「宇宙作戦隊」がこうしたスペースデブリなどの監視を担っているが、今のところプレスリリースのようなものはないようだ。
→参考:日本経済新聞 人工衛星の衝突防げ 自衛隊の宇宙作戦隊が訓練公開(2020/12/16)
——今回の落下場所も、直前になってみないとわからないというので気をつけようがないものであるが、これを監視している米軍の宇宙軍などの最新情報に留意し、デマの類にも動じないよう冷静にいたいものだ。
ロケットの制御落下は法的拘束力がないが国際的ガイドラインで定められているといい、これに従わない中国のやり方は良くない。
5月9日追記 インド沖の海上に落下か
情報ソース:朝日新聞DIGITAL、NHK NEWS WEB
中国政府の有人宇宙プロジェクト弁公室は長征5号Bの残骸について、日本時間9日午前11時24分に大気圏に再突入し、インド沖の海上に落下したと伝えた。ほとんどの部品は燃え尽きたというが、NASA(米航空宇宙局)のビル・ネルソン長官は、「中国がスペースデブリの取り扱いにして責任ある基準を満たしていない」と非難する声明を出した。
監視していたアメリカの宇宙軍のツイートによれば、日本時間午前11時15分頃アラビア半島上空で大気圏に再突入したが、落下した正確な場所や範囲は現時点ではわからないという。
——人的被害はなかったものの、制御を最初から放棄していたのならNASAの非難も当然だ。計10回ほども続くようなので、毎回こんな騒ぎになってはたまらない。夢のある宇宙開発がこのような形で国際的な火種になるのも残念だ。
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