情報ソース:桜島ミュージアムライブカメラ、ツイッター
桜島火山のライブカメラ(桜島ミュージアムのYouTube)より |
25日の午前1時過ぎに鹿児島県の桜島が噴火した際、その模様のライブカメラ映像に緑色の光が何度も見られ、SNSの一部で「UFOによって上空から照射されたもの?」「米軍のレーザー兵器では?」などという噂が飛び交った。
しかしこれは京都大学防災研究所の施設から、火山灰の濃度を調査するために上空に向けて照射されているレーザー光で、決して怪しいものではない。
防災研では2015年頃からこの調査を行なっており、当初からメディアでも話題になっていた。→JCASTテレビウォッチ「噴火の桜島上空に「謎の緑の光線」米軍のレーザー銃試射か?」
深夜でも月はこれだけ明るく映る 桜島ミュージアムのライブ配信映像より |
桜島のライブ映像は他にもあるが、それらではほとんど見えなかった。これを配信している桜島ミュージアムという団体のカメラの感度は飛び抜けて高いようで、夜間でも山並みや噴火がかなり明るく映っている。明るい星はもちろん、月が映るとまるで太陽を映したようにハレーションをともなって映る。
防災研のレーザー装置は山の西側、桜島港付近の施設建物に設置されているようだ。カメラの位置は公開されていないようだが、映像からは山をはさんだ反対側、黒神中学校付近とみられる。
夜間のライブ配信を見たところ、10秒弱置きと、かなり頻繁に照射されているようだ。反射する噴煙がないと映りにくいので、昼間や噴火がない時でも照射しているかどうかは映像だけではわからない。
写野の範囲を見るためステラナビゲータの星図と重ねてみた 歪みがあるため完全に一致はしないが、だいたいの範囲はわかる |
——あれだけ濃いように見える噴煙の中をレーザー光が通るのかと不思議に思うのだが、気体ならああ見えても中身はスカスカなので、細く強いレーザー光なら通ってしまうのだろうね。
「上空から照射されている」という意見は、光の位置が常に一緒なので、長期間上空に待機してまったく同じように照射するのは不可能だし、よほど高くないと噴出物で危険だ。UFOやら米軍やらがレーザーで桜島を噴火させて(?)どうするの? そんなものがずっと滞空しているのなら気付くはずだ。
そもそも京大防災研が「自分らがやってます」と公表しているのだからそれ以外ないだろう。
「火口から照射している」と言う人もいるが、山の向こう側からカメラ側に向かって斜めに照射しているのが、位置的にそう見えるだけ。いくら研究でも活火山の火口に機器を取り付けるのは危険だ。
メキシコのポポカテペトル山のいわゆるUFO映像でも「UFOが火口に飛び込んだ!」と言われるが、この世には前後奥行きがあるのだ。
同じ画面に上空を飛ぶ飛行機の灯が映っていても「UFOだ!」と、いつもの反応が見られた。上空と言っても真上じゃなく、噴火の影響がない高度だろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。