情報ソース:JBpress、The New York Times
アメリカの国防長官ロイド・オースチンと、国家情報長官アヴリル・ヘインズの連名で、UAPに関する調査報告書が6月25日までに議会に提出され、同時に公表されるという。
※UAP=未確認航空現象。UFOという用語に宇宙人の乗り物というイメージが付きすぎたために代わりにこう呼ばれる。
これは2020年8月にトランプ政権下で設置された未確認航空現象タスクフォース(UAPTF)が、過去20年間に記録された120件以上の事例を分析した結果報告だ。
ニューヨークタイムズによれば、「飛行物体に宇宙人の技術を示す証拠は見つけられなかったが、排除もできない」という内容だという。また120件以上の事件の大部分は、米軍や米政府の極秘のプログラムを偶然に見てしまったものではないとされている。
報告書では、加速度、方向転換、水没など多くの点で説明が難しいとし、気象観測用の気球などの可能性もあるが、すべてのケースで説明がつくわけではないとしている。
また報告書には機密扱いの付属書もあり、ここには現象が宇宙人の宇宙船であると結論づける証拠は含まれないとされる。しかし一般公開されないことで、「政府がエイリアンの地球訪問に関する秘密のデータを持っているのではないか!?」という憶測が広がる可能性があることも当局は認めている。
政府高官によると、調査結果は非常に曖昧で、宇宙人の宇宙船という証拠は見つかっていないが、科学者や軍部を悩ませる異常な動きを説明できず、軍のパイロットが観測した現象が宇宙人の宇宙船であることを排除できないと認めた。
報告書で調査された事件の多くは海軍関係者によるもので、過去20年間に外国の軍隊が関与した事件も調査している。諜報部員たちは、空中現象の少なくとも一部は、ライバル国(おそらくロシアか中国)の実験技術である可能性があると考えている。ロシアも中国も極超音速技術兵器を開発しており、もしこれらUAPが同国の飛行機であれば、アメリカの軍事技術をはるかに凌駕していることになるという。
先月、オバマ元大統領はCBSの「The Late Late Show with James Corden」という番組において、「事実であり、私はここで真剣に考えている」と述べ、「空には正体が正確にはわからない物体の映像や記録がある」と述べている。
——「敵国の秘密兵器かもしれない」と疑う構図は何十年も前に見た光景にそっくりだ。当時は旧ソ連の秘密兵器が疑われ、結局は「正体ははっきりしないけど、防衛上の脅威はない」として調査が終了した。その後の目の肥えた民間の研究者によって、これまでに大部分が何かの誤認やインチキだったことが判明している。
時が過ぎ、各国の科学技術も大きく向上し、似ているからといって今回も同じことになるとは限らないが、政府や軍の調査結果をどこまで信じていいかはわからない。
エイリアン・クラフト説を排除する証拠もないというのも、それはそうなのだろうが、不思議なものだからといって、すぐそうした選択肢を出すのも早計だろう。実在が証明されていないのなら幽霊でも天狗でも文福茶釜でも同じことだ。
「敵対国のものでなければ宇宙人のものかもしれない」という安易な憶測を呼ばないような慎重な報告書であることを願いたい。
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