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2022年5月17日火曜日

2022/5/17 米下院、UAPに関しての公聴会ネット生中継



日本時間の午後11時からという情報だったが、10時過ぎから始まっていた模様。
11時ちょい前現在、公式YouTubeチャンネルでは25,000人ほどが視聴しているようだ。

公聴会抄訳

上記YouTubeの動画を音声自動翻訳、DeepL、Google翻訳などを使って要所要所を翻訳してみた。
シロウト作業につき、不完全で意味が通らない箇所、逆の意味になっている箇所があるかもしれないので、あらかじめ承知の上読んでほしい。英語ができる人はぜひ一番上の動画で原典を参照して欲しい。

発言者

まだ肩書きがわからない人物が多い。
  • アンドレ・カーソン下院議員(民主党) Mr. Carson
    • 下院情報委員会の対テロ・対情報・対拡散小委員会の委員長
  • アダム・シフ下院情報委員会委員長 Mr. Schiff Chairman
  • スコット・W・ブレイ海軍情報部副部長 Mr. Scott Bray
  • ロナルド・S・モールトリー国防次官 Ronald Moultrie
    • 情報・安全保障担当、AOIMSGを監督する
  • クロフォード Mr. Crawford
  • ウェンストラップ博士 Dr. Wenstrup
  • ギャラガー Mr. Gallagher
  • クリシュナモーシー Mr. Krishnamoorthi
  • ウェルチ Mr. Welch
  • ハイムス Mr. Himes
  • ラフッド Mr. LaHood
一番下の左がモールトリー国防総省次官、右がブレイ海軍情報部副部長

カーソン下院議員より、UAPタスクフォースを引き継いだAOIMSGの紹介と状況報告から始まる。
(AOIMSG:Airborne Object Identification and Management Synchronization Group/空中物体識別管理同期化グループ。発言の中でエイムソグと言われているのがこれのことと思われる)

「今回の公聴会は、プロジェクト・ブルーブック終了後50年以上ぶりの開催です」
「AOIMSGはゼロから始まったわけではなく、国防総省のタスクフォースの第3バージョンであり、相互UFOネットワーク(MUFON)、コーベル氏(ジェレミー・コーベル。海軍のピラミッドUFO映像等をリークしたUFO研究家)のような市民グループや他の人々がされているように、何年もこの問題のデータを集めています」
「UAP報告は何十年も前からありますが、秩序立って報告されておらず、それを変える必要があります。国家安全保障の問題として理解される必要があります」
「過度な秘密主義はかえって人を苦しめるだけであり、この問題の作業についてできる限り国民と共有することが政府と我々の責任です」
「2000年台初頭から、軍が管理する区域などで未確認の航空機や物体の目撃が増加しています。無人航空システムも増加しています」
「未確認物体は国家安全保障、そして飛行の安全を脅かす潜在的な脅威です」

クロフォード
「この話題は多くの人に創造的な想像力を喚起しますが、誇大広告や憶測とは別に、UAPがもたらす重要な根本問題があります。この話題は深刻ですが、私は中国とロシアの極超音速兵器開発に対する理解や、なぜこの政権がウクライナとの実用的情報の共有にそれほど時間がかかったのかに興味があると言わざるを得ません。
しかしこの話題は、ロシアと中国の未知の活動を理解するのに役立つかもしれません。
私は中国やロシアのような潜在的な敵対国が、予期せぬ新技術で我々を驚かせないようにすることが、情報機関の納税者に対する重大な義務であると確信しています。
情報機関の監督者である当委員会は、UAPが新技術かどうかを判断するために、あなた方が何をしているのか理解する義務があります」

新しいUAP映像

Flybyと名付けられた新たなUAP映像を初公開
海軍機のコックピットから写された映像で、
高速ですれ違う光る物体が一瞬だけ映っている

ブレイ海軍情報部副部長から海軍が撮影したUAP映像が紹介される。
「最初にお見せするビデオは、リアルタイムでの観測を表しています」
「多くの場合、報告書に含まれる情報はこれ(一瞬映り込んだ映像など)だけで、他のケースではさらに少ないです。質の高い情報や報告書は限られており、UAPの性質や意図についてちゃんとした結論を出すことは困難です」
「前回の報告書発表以来、データベースの報告件数は約400件にまで増えました。そして限られた数のUAP遭遇を解決する進歩がありました」

正式公開されたUAP(通称ピラミッドUFO)映像

ピラミッドUFOの映像(ジェレミー・コーベルがリークしたもの)を流す

ブレイ海軍情報部副部長
「海軍が多数の小型無人航空機を観測している時に、暗視ゴーグルと一眼レフカメラで撮影したものです。米海軍兵士が異なる地域で数年おきにこのような光景を記録しており、数年間未解決でした」

別に撮られた三角UAP画像

別の三角UAP画像
ブレイ海軍情報部副部長
「数年前に別の海岸で再び無人航空機の群れと暗視ゴーグル、一眼レフカメラを使いこの写真を撮影しました。この時は他の米海軍の部隊も近くで無人航空機を観測しており、この地域の無人航空機と関連があると確信しています」
「三角形に見えるのは、暗視ゴーグルを通過した光が一眼レフカメラで記録されたものです。UAPタスクフォースが再現実験で確認したことがあります」
「観測したものすべてが特定できるというわけではありませんが、収集できた事例から見えてくるものを理解するためには、かなり努力が必要だということを示す好例です。
UAPが本当に潜在的なものならば、多くの人が期待するほどに情報を公開することはないでしょう。
安全保障に対する脅威なら、観察、記録、研究に使用するシステムや情報源は適切なレベルで分類される必要があります。敵対勢力に我々が何を見たり、理解したりできるか、どのような結論に至るかを知られたくないからです。公開はケースバイケースで慎重に検討される必要があります」

モールトリー国防次官
「40年間諜報機関で働き、科学とSFの両方に関心があります。宇宙開発やアポロ計画を見て育ち、そこに何があるのか?という挑戦を楽しんでいます」

クロフォード
「我々の作戦領域で理解不能な物体があるということは、諜報活動の失敗であることをご理解ください。必要なのは宇宙人の宇宙船を見つけることではなく、AOIMSGが(把握していなかった)情報に驚かされないようにするためにどうするかということです」
「公開されたような画像の解像度や鮮明さで、しっかりした情報分析ができるんでしょうか? 高品質のデータを収集する観測装置がありますか?」

モールトリー国防次官
「このような物体のデータは非常に一瞬のものです。我々の観測装置は特定のものに対して調整されています」(想定外のUAPなどは捉えづらいということ)
「他の観測装置から得た情報を統合された画像を得られるようにしたいです」

シフ下院情報委員長
「昨年の報告書でも144件のうち18件が異常な飛行特性を示すように見えると報告され、そのうちのいくつかは上空の風に対して静止したまま移動したり、急旋回や明らかな推進手段なしにかなりの速度で移動していたりします。推進手段を持たずに物体を移動させることができる外国の敵対者をご存知ですか?」

ブレイ海軍情報部副部長
「認識していません。我々の持つデータでは推進力を識別する手段がありません。場合によっては観測装置のアーチファクト(誤認識)である可能性が高いです」

ウェンストラップ博士
「物体がガスであった場合でも、センサーは物理的な物体としてとらえる可能性があります」

ブレイ海軍情報部副部長
「軍にはUAPの報告手順がありますが、連邦航空局や政府の他の部署からも報告を取り込むようになりました。民間人からの報告手順も重要だと思います」
「(映像には一瞬しか写っていなかったりするが、)通り過ぎる物体の実際の速度はおそらく非常に遅いでしょう

ハイムス
「視覚的観測でも電子的な観測でも、赤外線でもなんでも、実際とは全く違って見えるということです」

ブレイ海軍情報部副部長
「(公開された)ビデオのように情報量が少なすぎて合理的に説明できない場合もありますが、情報量が多かったとしても完全に説明できない場合があります。
『原因不明』と結論しても、単なる情報不足の場合と、我々の持っている情報で(調べても)説明に至らなかった場合の、その全てを意味します」

ギャラガー
「1960年代に国防総省が行った UFO研究プロジェクトは、プロジェクト・ブルーブックと呼ばれています。プロジェクト・ブルーブック終了後と、AATIPでプロジェクトブルーブック開始前に国防総省や請負業者が行った他の取り組みについてご説明ください」
(AATIP:Advanced Aerospace Threat Identification Program/先進航空宇宙脅威識別計画。アメリカ国防総省が2007年から2012年にかけてUFOの目撃情報を秘密裏に調べていたもの)

モールトリー国防次官
「ブルーブック以前にあったものについては語れませんが、もちろん、ロズウェルやその他、何年もかけて人々が話してきたことについてはよく知っています」

ギャラガー
「戦略的核軍を収容する施設の上空を輝く赤い光体が飛行し、10台の核ICBMが作動不能になったような事件の1つは、マルムストローム空軍基地で発生したとされます。それを知っているかどうか、その正確性について何かコメントがありますか?」

ブレイ海軍情報部副部長
「聴いたことはありますが、公式のデータは見たことがありません」

クリシュナマーシー
「米軍機と衝突したことはありませんが、少なくとも11回のニアミスがありました」

ブレイ海軍情報部副部長
「無人のように見えたので通信は試みませんでした。武器も発射したことがありません」
地球起源であることを説明できない残骸はありません
「UAPが物理的な物体であることを表していますが、物理的ではないような気象現象のようなものもあります」

モールトリー国防次官
「私たちが懸念していることの1つは、多くの個人や団体が、やや自分勝手な情報を発信していることです。事実に基づいた情報を流し、人々が理解できるようにすることが必要です」

ウェルチ
地球外生命体がいるに違いないと思っている人たちがいて、こうした報告書が多い

モールトリー国防次官
「我々の目標は何かの隠蔽ではなく、防衛の観点からそれが何を意味するのかを理解することです。気象現象ならNOAA(アメリカ海洋気象庁)、地球外生命体の可能性であればNASA(アメリカ航空宇宙局)のような組織と連携し、透明性を高めることができます」

ブレイ海軍情報部副部長
「(米軍の)宇宙軍とも非常に良い関係を持っており、分析のために宇宙軍からアナリストを招聘しています。宇宙軍に限らず、全ての軍と情報、データの双方向のやりとりをしています」

カーソン下院議員
「この歴史的で重要な公聴会に参加した賛否両派の同僚に感謝します。
 UAPとUFOをめぐって超党派性を発揮できる数少ない機会だと思います。
ありがとうございました また、お会いしましょう それではまた、この公聴会を一時休会し、正午に閉会します」

この後に非公開のセッションがおこなわれたわけだが、非公開なので当然内容は伝えられていない。

考察

明らかなピンボケ映像である三角の通称ピラミッドUFOの正体を無人航空機(=ドローンとしていいだろう)と判別するのに長い時間をかけ、かなりの努力が必要だと語るなど、軍の無能さが明らかになった公聴会だった。
プロジェクトブルーブック当時から何も進歩していないという声も聞くが、むしろアマチュアの懐疑派UFOファンに比べても非常に劣っているので、相対的には後退していると言って過言ではあるまい。周囲にこんな単純なことを指摘できる人間はいないんだろうか?
「軍人やパイロットは厳しい訓練を受けているのだから見間違うはずがない」ということを言う人もいるが、今も昔も「決してそんなことはない」ということが改めて確認された。

モールトリー国防次官も結構のんきなSF、UFOファンのようで、UFOの真贋判定程度ならともかく、戦争で誤判定して民間人を攻撃してしまうようなことになっては重大問題だ。

ほとんどビリーバー団体であるMUFONや、同様の研究家ジェレミー・コーベルを民間のUFO研究者として名前を挙げるのも信頼を損なっている。

海外の懐疑派が「ピラミッドUFO映像がカメラのピンボケだと確認された」と言っていたのだが、直接的にはピンボケだとは言っておらず、「暗視ゴーグルを通して一眼レフカメラで撮影したものだ」とだけ言ったんだね。実質的にピンボケを認めているんだけど。

海軍機から撮られた初公開の映像も一瞬のピンボケ映像だ。ゴミでも風船でもなんでもありえる。航空の安全上ということならわからないでもないが、この程度のものを国土防衛上の懸念材料として考えているなら頭が痛い。

公聴会の中では最後を除いてUFOという単語は出てこず、ほぼUAPと発言していた。

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