10月1日明け方の紫金山・アトラス彗星 上手な人が撮るともっと長い尾が写っている 2024/10/1朝、筆者撮影 |
2023年1月9日に中国の中国科学院紫金山天文台と南アフリカ共和国の小惑星地球衝突最終警告システム(ATLAS)によって発見された、紫金山・アトラス彗星(C/2023A3 Tsuchinshan・ATLAS)が見頃を迎える。
9月27日に近日点を通過した彗星は、これまでも明け方日の出前の空にやや明るく見えていたが(肉眼で見るのは難しく、双眼鏡か写真撮影が必要だった)、その後急激に増光し、10日現在マイナス5等級の明るさになっているとも言われている。
明るすぎてUFOと間違われることも多い金星の、最も明るい時がマイナス4等級くらいなので、それよりさらに明るいことになる。
太陽観測衛星SOHOに映り込んだ超明るい紫金山・アトラス彗星 太陽もXクラスのフレアを連発しており、ノイズが多く写っている SOHOのサイトより |
11日日没直後の彗星の位置。かなり低い ステラナビゲータ11でシミュレーション |
見かけ上の位置が太陽の東側になったので、現在は夕方日没後に西の空低くに見られている。
明日以降も日没後、徐々に太陽からの角度を離しながら西の空に見えるのだが、明るさは急激に暗くなることが予想されているので、観察は明日が最適と思われる。
昼間の観察は要注意!
11日正午の彗星の位置。ほぼ真南、太陽のほんの少し東側だ ステラナビゲータ11でシミュレーション |
太陽が明るすぎて見えないだけで、彗星は日中も太陽の東側すぐの位置にある。
金星や木星などの明るい天体は昼間でも望遠鏡を向ければ見ることができるので、それよりさらに明るいなら、昼間の観測が可能かもしれない。
ただし太陽に非常に近いため、うっかり望遠鏡や双眼鏡のレンズに太陽を入れてしまったら、目なら失明、カメラなら撮像素子破損などの重大な事態になるので、慣れていない人は絶対に夕方5時過ぎの日没まで待った方がいい。
【追記】極めて慎重に双眼鏡を向けてみたけれど、太陽が明る過ぎて彗星は全く見えなかった。もっと角度が離れていればともかく、こんな近くては金星でも難しいだろう。失敗は失敗であるが勉強になった。
月と比べた見かけ上はこんな感じで、中心のコマだけだとかなり小さい。 増光した状態でどう写るか楽しみだ。 2024/10/1朝、筆者撮影 |
UFOとの因縁?
この紫金山天文台はパープルマウンテン観測所とも呼ばれ、2009年の日蝕中に太陽のそばをUFOを発見して撮影したと報告したことがある。なんでも1971年からUFOの研究をしているとか?➡︎UFO事件簿/2009/9/13 南京の天文台が日蝕中にUFOを撮影
天文台でUFOの研究なんていうとちょっと心配になるが、きちんと本業もやっているのだね。
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