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2017年12月19日火曜日

2017/12/19付 米国防総省が2007年からUFOの調査をしていた!

情報ソース:THE NEW YORK TIMES(12/16付)(同12/18付)JIJI.COM(時事通信)、ハフィントンポストCNN.co.jpBBC NEWS JAPANNHK NEWS WEB

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アメリカのニューヨークタイムズ紙(電子版)は16日、「輝くオーラと『黒い資金』:ペンタゴンの謎のUFOプログラム」と題し、アメリカ国防総省(ペンタゴン)が2007年から2012年にかけてUFOの目撃情報を秘密裏に調べていたことを報じた。
それは「先進航空宇宙脅威識別計画(Advanced Aerospace Threat Identification Program)」といい、情報機関からもたらされる事例の調査を続けていた。


公開された当の映像

このプログラムでは8月に公表された2機のF/A-18Fスーパーホーネット戦闘機が白い楕円形の物体を追跡した件を含む、米軍機が謎の物体と遭遇した映像や音声も研究された。
(2004年、西海岸のサンディエゴ沖にいた空母ミニッツから飛び立った海軍の2機の戦闘機が、楕円形の物体を追跡したとされるもの。国防当局はこの事件の映像は公開したが、場所と日付の発表を拒否している)

国防総省はこのプログラムの存在を認め、「予算の優先順位の都合で終了した」と説明している。

リード上院議員とビゲロー氏

ハリー・リード元上院議員
Wikipedia(英語版)より
本プログラムは当時民主党の上院議員で長年宇宙現象に関心が強いハリー・リード(Harry Reid)氏が主導し、2200万ドル(約25億円)を投じていた。
資金のほとんどは、リード氏の友人で億万長者のロバート・ビゲロー(Robert Bigelow)氏の経営する航空宇宙研究会社ビゲロー・エアロスペースWikipedia)に投入された。
ビゲロー氏は「宇宙人がUFOで地球を訪れていると確信している」と述べ、リード氏も、UFOへの関心はビゲロー氏の影響だという。
起業家ロバート・ビゲロー氏
CNBCより
リード氏は、このプログラムが2009年までにセキュリティの強化を唱えるべく特別な発見があったと判断し、当時の国防副長官ウィリアム・リン三世に対する手紙の中で、情報へのアクセスを一部の公務員に限定した特別プログラムに指定するように要請したというが、当時の国防総省ブリーフィングの要約の中では、要請の事実は拒否されている。

リード氏と彼を含む3人のプログラムを支持する上院議員達は、「誰も資金調達について公開討論を望んでいない」と述べた。
また「これはいわゆるブラックマネーだった。それはそれとして、我々が望んでいた方法だ」とも述べた。

今年議員を引退したリード氏は「私は恥ずべきことはしていない。議会の良き仕事の一つだと思う」と述べている。

活動内容

ルイス・エリゾンド氏
Collective Evolutionより
ビゲロー・エアロスペース社は下請業者に調査を依頼。ビゲロー氏の指示の下、国防総省の諜報官のルイス・エリゾンド(Luis Elizondo)氏と請負業者は、以下のような活動をしていたという。
  • 未確認の空中現象から回収されたとされる金属などの保管のため、ラスベガスの建物を改造
  • 物体との遭遇によって肉体的影響と生理的変化があったと語る人々を研究
  • 奇妙な航空機の目撃を報告した兵士から話を聞く
  • 報告されたUFO事件の映像や音声を収集

科学者の意見

MIT(マサチューセッツ州工科大学)の天体物理学者のサラ・シーガー(Sara Seager)氏は、この物体が他の天体から来ているというわけじゃないと注意した。
「時には異常な現象を真剣に調査する価値がある場合もあるが、しばしば不思議な現象が起きるのは人々が科学を理解していない場合もある」

国防総省の担当者エリゾンド氏の抗議

計画は2012年に終了したが、エリゾンド氏は「終了したのは政府の資金提供だけだ」とし、その後も本業のかたわらに、海軍とCIAの関係者とともに作業を続けた。
しかし過度の秘密主義と内部の反対意見に抗議して、今年10月に国防総省を辞任している。
彼は「なぜもっとこの問題に時間と労力を割かないのか?」「この事実は政府や組織の機密にすべきものではない」「軍と国家の利益のため、この異常な航空機の能力と意図についてもっと深刻な注意を払うことが不可欠である」と述べている。
CNNの取材に対しては、宇宙人が地球に来ている可能性を排除できない証拠があると力説した。
作業は名前を明かせない後任者が引き継いでいるという。

ビゲロー氏は「(我が国は)この問題に対して国際的に最も遅れた国である」と語る。
「科学者は追放を、メディアは汚名を着ることを恐れている。この件において中国とロシアははるかに解放されている」とも語っている。

納税者団体の反応

納税者団体関係者はCNNの番組の中で、「UFO研究に2200万ドルを費やすのは正気の沙汰じゃない」とし、現時点では優先課題ではないと力説した。

考察

主にニューヨークタイムズの英語記事を要約したので、わかりづらい点や不正確な点があったらご容赦願いたい。
資金はブラックマネーということだが、意味合い的には不正支出よりも、議会の承認を必要としない機密費扱いといったニュアンスかもしれない。

思惑の違い

活動内容と成果の公開に関しては、リード氏、エリゾンド氏、政府それぞれの思惑の違いが見て取れる。
  • リード氏
    • もっと秘匿レベルを上げるべき
  • エリゾンド氏
    • 秘密を開示すべき、このプログラムにもっと時間と労力を割いてほしい
  • 政府
    • 秘匿レベルはこれ以上上げることはないが、これ以上予算もつぎ込みたくない

官民癒着の懸念

記事のタイトルを黒い資金(Black money)とつけたニューヨークタイムズは、UFO情報調査に税金が投入されていることを告発したいのかと思いきや、そのような記述もなく、ほぼ「米政府がまだUFOの調査をしてた!」という内容だ。

実際の研究内容がどのようなものなのかはわからないが、予算の多くがリード氏の友人企業に流れていることから、UFO研究に名を借りた官民癒着の可能性はないか?
国防総省の年間予算は6000億ドル(約68兆円)なので、5〜6年で25億円は予算としては決して大きな額ではないが、民間企業に対しては億単位の金であることもまた間違いない。

エリゾンド氏はUFO情報を深刻に考えているようなので、どのような内容だったのか興味深い。
ただ「ブラックマネー」ということなので、一般市民がその内容を目にするには時間がかかるかもしれない。

創設主導者は誰?

プログラムが作られた2007年は共和党のブッシュ政権の時だ。民主党のオバマ政権は2009年1月からになるため、民主党のリード氏の主導で創設されたものではなさそうだ。誰の発案で創設されたのか興味深い。
ジョン・ポデスタ元大統領首席補佐官
Wikipediaより
クリントン政権とオバマ政権で大統領首席補佐官を務めたジョン・ポデスタ(John Podesta)氏も、UFOに関する秘密情報を公開したいと考えていたことで有名だ。

黒幕はビゲロー氏か?

本プログラムを創設したのはよくわかっていないが、リード氏をUFO界隈に引き込み、自らの会社でUFO事例調査を受注したビゲロー氏の存在が中心にありそうな感じだ。
氏の会社は膨張式の宇宙ステーションモジュールの製作でNASAのプロジェクトにも協力しているほどであるが、元々かなりのUFO信者という話のようだ。
国のお墨付きでUFOを研究するという意図の下、国防総省やリード議員らに働きかけたということはないだろうか。

調査対象はエイリアン・クラフト!?

調査目的がかつてのブルーブックのように旧ソ連などの秘密兵器を疑ったものではなく、エイリアン・クラフトとしてのUFOを対象としたもののようだ。
高名な政治家だからといっても、怪しげなオカルト信仰にはまってる人もいるので、調査内容の真偽については十分注意する必要があるだろう。
公開できるもんならさっさと公開し、内外の市民、学者らの厳しい審判を仰いでほしい。

2004年のUFO映像について

さて最後になったが、冒頭の海軍機が追跡したというUFO映像についてだが、映像を見る限り、物体は高速に旋回しているようなのにスコープのど真ん中に捉えて微動だにしていない。ロックオン(?)した物体を正確に追尾し続けるカメラを搭載しているんだろうか?
軍事用にそうしたものがあっても何もおかしくはないが、レンズに貼りついたゴミや、カメラの受像素子のトラブルによるもののようにも見えてしまう。(そうだと言っているわけではないので、念のため)
時間も短く、赤外線で撮影したような白黒映像だし、詳しい状況もわからないので、自分のような素人には映像で見た以上のことはわからない。
今後何か情報が入れば続報としてお伝えしたい。

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