仙台上空の謎の気球 日テレNEWSのツイッターより |
【仙台上空2500m付近にナゾの白い飛行物体🎈】
— 日テレNEWS / 日本テレビのニュース・速報 (@news24ntv) June 17, 2020
宮城県内では、広い範囲で目撃されていますが、管轄するエリアで「該当する飛行の申請はない」ということです。(東京航空局仙台空港事務所による) pic.twitter.com/GRfDeyjQiU
情報を寄せられた宮城県警ではヘリコプターを飛ばして上空を警戒した。県警によれば高度は2km〜3km以上と見られる。
また仙台空港によれば正午現在、航空機の運行に影響はないという。
国土交通省仙台空港事務所でも午前6時過ぎに空港西側に確認したが、航空法に基づいて必要とされる事前の届け出や報告は管轄エリア内ではないとし、自衛隊、海上保安庁でも把握しておらず、気象台でも気象庁が打ち上げた気象観測用気球ではないという。
ぶら下げた十字形のものについてSNSでは、移動のための無人飛行機を取り付け、目的完了後に切り離して機体だけ帰還させるものではないか? 太陽電池パネルではないか? などという憶測が語られていた。日テレNEWSの動画を見るとプロペラらしきものが左右に付いているが、飛行機の形はしていないようだ。
さすが超望遠。しかし、これ以上ズームするとピンとが合わないんで、これくらいで勘弁してくれ。#仙台 #白い物体 #気球かしら #Nikon_P600 pic.twitter.com/kmLP1F5Bqi
— ケージ (@keizi) June 17, 2020
鮮明な写真を撮影された方もいたようだ。黒い四角は太陽光パネルと思われる。
似たような物体は昨年11月にも鹿児島上空で目撃されている。この時はアドバルーンではないかと言われたが、今回と同様な構造であるなら、こちらも何らかの観測用であったかもしれない。
——気球に間違いはないが、今のところどこの誰が何のために飛ばしたものかはわからないのがちょっと不気味だ。しかし、マスコミやSNSで騒がれているのはちょっとワクワクと楽しかった。
たとえば北朝鮮などから軍事的な目的で飛ばされたものかもしれないので、その辺りは十分注意してほしい。
ところで「UFOが発見されたら自衛隊が出動する」と言う人がいるが、今回の例を見ても、まずは警察が出動するんだね。よほど防衛上の緊急を要する不審機が飛来したのであればともかくだが。
追記
Launching Tandem. The balloon bags allow the Tandem to be launched in high winds.#jpaerospace pic.twitter.com/QWlDWMJ9vK
— John M Powell (@JohnMPowell1) June 18, 2020
その後、アメリカの民間宇宙開発企業 JP Aerospaceが、よく似た高高度気球を飛ばしていることがわかった。
しかし同社が直近で飛ばしたのは気球が2つ付いたタンデムというタイプ。同社社長のJohn M Powell氏はツイッターで日テレNEWSのツイートを引用し「我々のタンデム飛行船の1気球版の4つのプロペラのように見える」と述べており、似ているものの自社の気球とは肯定しなかった。
I don't think this is the same vehicle as the one see above Sendai. They look like that are the from the same maker however the vehicle over Sendai had propellers but no solar panels. It is also further from the balloon.#jpaerospace pic.twitter.com/7c8mOmpHUA
— John M Powell (@JohnMPowell1) June 18, 2020
さらによく似た気球の写真を上げて(同社のものかはわからない)「仙台のものとは違うと思うが、同じメーカーのものであるように見える」と述べている。
UFOに間違えられそうなJPエアロスペース社のV字型気球 |
余談だが、同社ではAirship to Orbitというプロジェクトで40kmの高度にまで達するV字型の飛行船を開発、飛行させているという。もしこの飛行船が目撃されたら、「V字型のUFOを目撃した!」ということになりそうだ。
またネットではGoogle関連企業X社による移動体通信システム「Project Loon」の中継装置を積んだ気球ではないかという説も見られたが、気球の形状が違う上、主に通信網が未整備の地域で利用されるものであり、飛行の届出も出ていないことから関係はなさそうである。
NHKの取材班がルーン気球らしいものを南米で撮影したのが記憶に新しい。→2020/1/15付 NHK取材班がUFOを撮影!?
いずれにせよ何かの観測、実験目的の気球であったと思われるが、具体的な正体がはっきりしないままになったのは残念だ。
追記 宮城県の危機対策課の対応のとりまとめ
情報ソース:仙台放送ニュースページ
7月3日、宮城県の危機対策課が本件の対応についてまとめた「未詳の浮遊物体に関する情報への対応」という文書が作られたと報じられた。
それによると物体は以下のようなものであったという。
- 高度3000m以上を浮遊しており、県警ヘリコプター等での至近での接触は不可能であった模様
- 各所に問い合わせたが有力な情報は得られず、所有者・目的などは不明である
時系列の対応状況
【宮城県対応状況】08:20 仙台市危機管理室から「南西上空の飛行物体」照会で覚知08:30 仙台気象台及び宮城県警察本部に照会。詳細不明・情報収集中との回答09:08 消防庁国民保護運用室に対して概況を口頭報告(第一報)09:10 第二管区海上保安本部に照会。詳細不明・情報収集中との回答09:17 村田町から蔵王町役場方面上空を浮遊しているとの報告09:30 東北大学から回答「東北大学所属のものではない」09:37 国土地理院から回答「当院の機器ではない」09:40 東京航空局仙台空港事務所から回答「該当飛行物体の許可申請・届け出はない」09:50 陸上自衛隊霞目駐屯地から情報なしとの連絡10:09 村田町から同町役場上空を浮遊しているとの報告10:10 陸上自衛隊東北方面総監部より情報なしとの連絡10:35 村田町役場職員が岩沼市境で追跡を断念10:40 県石巻合同庁舎より南方に視認可能との報告11:15 名取市役所より東方に確認との報告。現地の危機対策課職員も同様の報告11:25 消防庁国民保護運用室に対して概況を口頭報告(第二報)13:20 県石巻合同庁舎より南方海上を東に移動中との報告14:00 県内市町村及び消防本部に対して落下物の有無等について照会14:06 消防庁国民保護運用室に対して概況を口頭報告(第三報)15:40 曇天のため、石巻合同庁舎からの視認が不可能になったとの報告16:30 県内市町村及び消防本部からの報告とりまとめ「落下物・被害なし」消防庁国民保護運用室に対して概況を口頭報告(最終報)17:00 市町村及び消防本部に対して報告とりまとめ結果をフィードバック宮城県の領域を退去し、かつ落下物等も確認されなかったことから対応終了
また村井嘉浩宮城県知事は「非常に気味が悪かった。あれだけの距離で視認できるということはかなり大きいものだ。危機管理という意識からは看過できない問題だ。今後また同じようなことが起きれば国に対して(対応を)強く要望する」と定例会見で述べた。
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