情報ソース:毎日新聞、防衛省・自衛隊 防衛大臣記者会見、YouTube版(動画埋め込みが許可されていないのでリンクのみ)
会見する河野太郎防衛大臣 防衛省modchannelより |
河野太郎防衛大臣は15日の記者会見で、自衛隊が未確認飛行物体(UFO)などを発見した場合の対処につき、「宇宙から来た未確認飛行物体を探そうというのではなく、もう少し地に足がついた情報収集と考えていただいてよろしい」と述べ、UFOについても「宇宙から来た物体云々ではなく、識別不能な物体」と強調した。
この件については8月の日米防衛相会談でも時間をとって意見交換をしたという。
以下、会見より関連部分抜粋(強調はUFO事件簿)
昨日、わが国の防衛、警備に影響を及ぼすおそれのある空中における識別不能の物体を確認した際の報告につきまして、防衛大臣指示を発出したところであります。わが国の安全保障の観点から、空中における識別不能の物体を確認した場合にも、防衛省・自衛隊としてしっかり対応する必要があり、そのような場合の手順について検討を進めてまいりました。従来から対領空侵犯措置や警戒監視・情報収集の任務中を含め、わが国の防衛、警備に影響を及ぼす恐れがある情報を得た場合には対応してきておりますが、今回、識別不能の物体を確認した場合には報告に万全を期すこと、可能な限り写真撮影等の記録をすることに努めること、そして分析を行うこと。対領空侵犯措置、警戒監視・情報収集以外の任務でそのような情報を得た場合にもしっかり分析を行うこと、という指示を出したところでございます。これは、空中における識別不能の物体といっておりますが、宇宙から来た物体云々ということではなく、識別不能な物体ということでございます。前回記者会見で申し上げたときに「UFOを信じておりません」と言いましたら、「UFOというのは未確認飛行物体のことを言うので、宇宙から来たかどうかをお前が信じているとは関係ない」というメールをたくさんいただきましたが、宇宙から来ているかどうかではなく、識別不能の物体をしっかり記録して分析をしていくということが大事だということでございます。なお、宇宙作戦隊とはこの件は関係ございません。
質疑応答
- 先ほどの未確認飛行物体の大臣指示なのですが、撮影などにトライするということですけれども、これまでに既に撮影したものはないという認識でよろしいでしょうか。
- これまでにそうした遭遇をした記録はないということでございます。
- また、スクランブルを行う時は英語で相手に話しかけたりすると思うのですけれども、今回そういうものを見つけた場合というのは、日本語なんでしょうか、英語なんでしょうか。また、日米での連携をどのように考えていらっしゃいますか。
- 呼びかけるところまでいくのかどうかというのはよく分かりませんが、まず、撮影などをしっかりやって、分析できるように記録をしようということでございます。先般のグアムでの日米防衛大臣会談の中でも、時間を取ってこの問題について意見交換はいたしました。
- 先ほどの識別不能物体の確認のときの指示の話なのですが、半年ぐらい前の話ですが、サウジアラビアの油田にフーシ派かどうかあれですけれどもドローンが攻撃をして、一時的にせよ製油能力の50%ぐらいダウンする事件がありました。あるいは中東のいろんな紛争の中でも、かなりドローンによる無人攻撃が行われていると伝えられていますけれども、こういうことも念頭にあるのでしょうか。
- そういうことが念頭にないと言ったら嘘になると思います。様々な技術が進んでいる中で、これまでになかったような物が生み出される可能性というのは十分にあるのだろうと思います。そういう中で、我が国の国土の防衛に必要な情報というのは事前にしっかり集めたうえで分析をし、対処が必要なものについては対処を考えていかなければならないと思いますので、今回のは、ただ宇宙から来たかもしれない未確認飛行物体を探そうということではなく、もう少し地に足がついた情報収集と考えていただいてよろしいのではないかと思います。
- 一般論として国籍不明機の方ですと、どこかの国からジェット機で飛んできますけれども、ドローンの場合ですと極端な場合、日本国内からカバンの中から取り出して飛行させる、飛行場付近を飛ばすとか、他にもいろんなあれが考えられると思いますけれども、特に原発の付近で飛ばすとか、リスクも念頭に置かれているのでしょうか。
- ドローンについてはドローン法で様々規制が行われますので、ドローンについてはそれなりに警察をはじめ様々対応が行われると思います。
少なくとも今までは記録がないということだが、パイロットをはじめとした隊員がまったくそうしたものを目撃しなかったとも考えられない。
これまでは遭遇、目撃しても報告されなかった(おそらく米国と同様にバカにされたりするからという理由もあると思う)、記録に残されなかった事例に対し、今後はきちんと報告、記録、分析を行うということだ。未解明の空中現象をきちんと分析するというのは、誤認を防ぐ意味でもいいことだ。
今後は専門的な警戒監視任務以外での報告・記録(要するに末端の隊員が「見た」というようなものも含めて)も残るようなので、件数は急激に増えるものと思われる。それを「2020年以降突如UFO目撃が増えている。これは宇宙人が新型コロナ騒動の監視のために…」などと勘違いしないようにしたい。
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