ステラナビゲータによるシミュレーション |
皆既月食は月-地球-太陽の順にきれいに並んで、地球の影の中にすっぽりと月が隠れる現象だ。(一部だけが隠れると部分月食になる)
今回は特に、地球と月の間が近いために大きく見えるスーパームーン、同じ月の中で満月が2回見られるブルームーン(青く見えるわけではない)、さらに皆既月食中に月が赤っぽく見えるのでブラッドムーン(血の色ということだ)という3つの要素が重なっており、NASAのサイトでもそのように宣伝されている。
夜8時50分前に欠け始め、9時50分頃〜11時10分頃までの1時間20分ほどが皆既となる。その間、月は赤銅色に見える。
これは地球の大気を通して太陽光が薄く月面に照るため真っ暗にはならず、夕焼けと同じ原理で赤っぽくなるのだ。この現象は皆既月食では毎回のことなので、今回に限った話ではない。
月食は毎月は起こらない
満月のたびに月-地球-太陽の順に並ぶので、毎月月食があっても良さそうだが、公転軌道面が揃っていないので、時々にしか地球の影に入らない。一緒に星食現象が起きる
ちなみに、今夜は月食の最中にかに座にあるGSC1394.57という6.69等星、HIP43751という8.32等星が月の裏側に隠れる星食現象も見られるようだ。当時の人々に想いを馳せる
昔の人たちは、月や太陽が欠けるこうした現象を不吉なものとしてきた。そこから神話やおとぎ話なども発生してきたわけだ。科学的知識が低かったのは当然だが、知識がないことで不思議な現象と思い込むのは現代のUFO現象にも大きく通じるものがある。そのことを頭に置きながら今夜の月食を楽しみたい。
多くの人が空を見上げることになるので、何かを見誤った報告も増えるかもしれない。
天気があまり良くないということなので、ちょっと心配だ。
次回は7月28日
次回の皆既月食は7月28日の早朝だ。
この時は3時20分頃からかけ始め、皆既になったまま地平線に沈み、朝を迎える。
時間的に今回の方が見やすい。