2023年1月14日土曜日

2023/01/13 米国防総省、未確認航空現象に関する年次報告書を公開

 情報ソース:DNI(アメリカ合衆国国家情報長官)室 (報告書オリジナル)、NHK NEWS WEB

アメリカ政府はUAP(UFOという言葉は宇宙人の乗り物というイメージが強いため、近年米政府ではこう呼ばれている)の新たな目撃報告が集まったとして、分析結果をまとめた年次報告書を公表した。
2021年3月以降〜2022年8月の期間に366件の報告が空軍や海軍のパイロットから集まり、これで予備評価で報告された144件と合わせて510件になった。
  • 予備評価までの17年間のUAP報告
    • 144件
  • 予備評価以降、2022年8月までの17ヶ月のUAP報告
    • 247件
  • 予備評価までの17年間に、発見または報告が遅れて予備評価に含まれなかった報告
    • 119件

新たな366件の内訳
  • 風船や気球、無人航空機などの特徴が見られたもの
    • 195件
  • 判断ができず、中には異常な飛行特性や性能を示したものもあり、さらなる分析が必要だとされたもの
    • 171件
報告書では、「UAP報告は観測者が正確な記憶を有し、観測機器が正しく動作しているという過程の下に運用されており、一部のUAP事例がオペレーターや機器のエラー、センサーの異常やばらつきに起因する可能性がある」としている。

年次報告書はアメリカ合衆国国家情報長官室のサイトで公開されており、翻訳アプリDeepLを使って訳したものを以下に載せる。(文章の背景色変更は筆者による)
翻訳品質は上がっているようだが保証できるものでないので、気になった人は原文を読んでほしい。

——異常な飛行性能云々は予備評価の段階でも述べられていたが、今回も前回同様「多くの報告書は、高い確実性でUAPの帰属を可能にするのに十分な詳細データを欠いている」ということで、やはり情報不足の感は否めない。

171件のさらなる分析を要する報告があったというと、さも不思議な物体が数多く確認されたかのように思えるが、半数以上の195件の報告者である軍人達は、バルーンやドローンなどと認識できていなかったことになる。となると、情報不足な上に個々の軍人達の判定能力にも大いに疑問を生じさせてしまう結果ではないだろうか。
これまでも暗視スコープの絞りの形で三角形に見えた単純な事例が何年間も解明できなかったこともあり、UAPタスクフォースを引き継いだAARO(全領域異常解決局)の真贋判定の能力も疑わしい。

いずれにせよ慎重に見ていかねばいけないし、宇宙人と空飛ぶ円盤について調査しているのではないということを大前提として押さえておかねばいけない。