2024年11月21日木曜日

2024/11/20 UAPに関する上院軍事公聴会開催される

証人として説明するAAROコスロスキー室長
YouTubeのライブ配信より
先週の下院議会での公聴会に続き、11月20日に今度は上院でもUAPに関する公聴会が開催された。こちらは軍事公聴会ということで、国防総省配下のAARO(全領域異常解決室)のジョン・コスロスキー室長(8月に前任のショーン・カークパトリックから交代)に対し、AAROの活動についての聞き取りとそれに対する説明が行われた。

3件の新たな解決事例

この中で一連のUAP騒動の端緒となった映像のうちの一つ、GOFAST映像を含む3件のUAP事例の解決報告がなされた。

プエルト・リコ事例

解説画面
YouTubeのライブ配信よりGoogle翻訳(以下も同様)
  • 場所
    • プエルト・リコのラファエル・ヘルナンデス空港上空
  • 日付
    • 2013年4月26日
  • 撮影状況
    • 米国の税関国境警備局の航空機がUAPの赤外線映像を撮影
    • 高速で移動する物体が二つに分裂、水に出入りしているのが映っていた
  • 正体
    • おそらく一対の風船かスカイ・ランタン
    • 空港上空を約7ノット(15km/時)で浮遊していた
    • 単一の物体が二つに分裂したのではなく、二つの異なる物体が近接して浮遊していた
    • 水に出入りしたように映ったのは、赤外線センサーでの撮影により、海と同じ温度になると明るさが同じに映って区別できなくなったため

GOFAST事例

  • 場所
    • フロリダ州東海岸沖
  • 日付
    • 2016年1月
  • 撮影状況
    • 米国海軍航空機が海面近くを高速で移動しているように見える物体を撮影
  • 調査結果
    • UAPは異常な速度や飛行特性を示さなかったと、高い信頼性を持って評価
    • 水面に非常に近い位置を飛行しているように見えるがそれは視差のトリックで、実際は高度13,000フィート(約3962m)、飛行速度は45マイル/39ノット(約72km)だった
    • 当時の気象パターンを分析したところ、同じ高度での風速は約60ノット(111km)だった
——本件については昨年9月にNASAも分析結果を発表しており、同様に高度13,000フィートを平均時速40マイルで移動している風に漂っている物体の可能性が高いとしていた。
AAROの発表にもその分析結果が当然反映されているだろう。
今回の発表では具体的にその物体が何だったのかには言及されていないが、おそらくはバルーンのようなものだったのだろう。

エトナ山事例

  • 場所
    • イタリア シチリア島エトナ山
  • 日付
    • 2018年
  • 撮影状況
    • 米国の無人航空機が地中海上空を飛行中にエトナ山の噴火を記録した際、噴煙の影響を受けることなくUAPが飛行しているように見える映像を撮影
  • 正体
    • 風に乗って漂うバルーンであると、中程度の確信を持って評価
    • 火山学者にも協力を仰ぎ、フルモーションビデオ分析ソフトウェアと3Dモデルを作成して分析したところ、噴煙の中を進んでいるように見えても実際は170m離れていた

質疑応答

コスロフスキー室長
「全ての物体が鳥、気球、無人機などだとは考えておらず、非常に異常な物体もいくつか存在する。しかしそれは情報の解像度のせいです。
私たちが(科学的に)理解しているものしか解決できないので、現在それに取り組んでおり、解決後でなく検討中の事例でも議会や他の人々に知らせることができます。
AAROが真相解明に消極的だという人達に対しては、全力を尽くして取り組んでいることをお知らせしたい」

ギリブランド上院議員
「3月の報告書を読みました。宇宙人が関与している政府の秘密プログラムは何も存在しません。政府は目撃情報を非常に真剣に受け止め、過去75年間にわたってこれらの事件を分析してきて、半分を解決しています。これを消極的だというのは事実を真剣に受け止めていないのでしょう。
UAPの目撃者が中傷されたり、仕事を解雇、無視されたりしているのは大きな問題です。
軍事施設、核関連施設付近でUAPが目撃されることは、敵対者が国家安全保障に害を及ぼす情報を収集している可能性があるのでこれを憂慮します。
内部告発者のことを非常に真剣に受け止めてくれていることに感謝します。
2025年までに目撃情報通報フォームを改善し、映像のアップロードもできるようにします。何十年もこの問題を追ってきた人達に会いましたが、何千もの情報を持っています。それをAAROと共有し、相互参照できるようにしたいです」

——何十年も問題を追ってきた人というのはいわゆるUFO研究家のことだと思うが、かなり偏った見方と価値観を持っている人も多いので、彼らの情報が重要なものと考えてしまうのは判断を誤らせ、陰謀論介入を強めることになるので危険だと思う。

未解決の3事例紹介

コスロフスキー室長は、追加情報待ちのアクティブ・アーカイブに分類された「異常」とされる事例について問われ、3件の事例を紹介した。

警察官が地上数百フィートに浮かぶオレンジ色の球体を調べに行った。球体まで40〜60mほど離れた場所ははとても明るく照らされていたが、「黒より黒い物体」が見えた。
物体は幅4〜6フィートくらいの大きさで、約45度傾くとドローンより10〜100倍の速さで音も立てず垂直上昇し、その後非常に明るい赤と青の花火か街灯のような光が発せられ、車内を明るく照らした。地面には何の変化も見られなかった。
アメリカ南東部で、政府請負業者の車が朝の9時頃、旅客機ほどの大きさの金属製の円筒形の物体が滞空しているのを目撃。その物体の後ろか周囲に非常に明るい白い色の光があった。それが15〜20秒ほどして物体が消えた。どうやって消えたのか説明できない。
並んで飛んでいた2機の飛行機の写真を撮ったところ、小さな物体がはるかに速く2機の間を飛んでいるように見えた。実際には飛行機よりも遠くにあった可能性も考えられるが、結論を出すための情報がない。
——なかなか興味深い事例だがその多くはおそらく、映像や第三者による目撃もない証言のみなのだろう。過去の多くのUFO事件同様、よくよく調べてみたらそんなことは起きていなかったり、起きていたとしても事実と大きくかけ離れた内容だったりということは考えられる。今後のAAROの慎重な分析を待ちたい。

公聴会のライブ配信

情報ソース

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