2019年2月9日土曜日

金星人ヴァリアント・ソール

この3人が金星人だという!?

概要

ヴァリアント・ソールという金星人が、アメリカ大統領ら政府要人に会ったという。
毎年末の「ビートたけしの超常現象Xファイル」でも、たま出版の韮澤潤一郎さんが金星人だとして紹介している。「住民票を持っている」としてるのもこの人達だっけ?

詳細

1957年3月16日にヴァージニア州アレキサンドリアに着陸したUFOから出てきた金星人ヴァリアント・ソール(Valiant Thor/ヴァル・ソール)が、ペンタゴン(国防総省)でアイゼンハワー大統領とニクソン副大統領に会ったという。
また、ロバート・ケネディ大統領候補に、大統領選出馬を遅らせるように進言したという話もある。

コンタクティ、ハワード・メンジャー。右は妻のコニー
1950年代の写真だという
Håkan Blomqvist´s blogより
以下に挙げる数点の写真は、コンタクティのハワード・メンジャーと彼の最初の妻ローズが1958年7月13日(日)にニュージャージー州ハイブリッジで開催した「フライングソーサークラブ」での写真とされ、この時にヴァル・ソール達が彼の仲間として姿を見せたという。ほかにドン(Donn)、ジル(Jill)という金星人も写っているという。
中央の女性がジルで、右にかけて、ドン、ヴァル・ソールだという
THE AGE OF DESOLATIONより
以下のリンク先に「金星から来たヴァリアント・ソールと乗組員。(中略)副操縦士(ドン)は、彼(ヴァル)の腕が自分の椅子の肘掛けにあるのが明らかに不快そうだ」とある(笑)
THE AGE OF DESOLATIONより
右端にジルとドンの姿がある
Valiant Thor Fan Clubより
コンタクティのハワード・メンジャーとその妻ローズとされる
THE PROMISE REVEALED.comより
珍しいカラー写真
右側に座っているのはメンジャーと妻のローズだろう
pacte-contre-hulot.infoより
一連の写真から、メンジャー主催の集まりでの写真だということはほぼはっきりした。

考察

初出について

写真自体はメンジャーの著書に掲載されたのが初出らしいが、確認は取れなかった。しかしメンジャーの集まりの出席者の写真なのだから、おそらくはそうなんだろう。
ただし、著書に金星人と書かれていたのかはわからない。

「裏窓」説

映画「裏窓」より
3人の白人は、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画「裏窓」(原題:Rear Window)の一シーンではないかと言われている。それだと、ジルの正体が後にモナコ王妃にもなったグレース・ケリーということになる。
映画は見たことないが、前述のようにメンジャーと一緒の写真に写っているので、映画の一シーンではなかろう。

パラシュート部隊隊員ジェシー・ウォンブル説

ヴァル・ソールについては、508パラシュート歩兵連隊のジェシー・J・ウォンブル(Jesse J Womble)という男性が正体だと書かれているサイトがあった。「SFのキャラの金星人ヴァリアント・ソールとして知られる」などとある。
バイオグラフィーには1921年6月9日アメリカ カンサス州生まれ、1945年1月11日ベルギー、フランスにて死亡とある。生没年が正しければ、1958年のメンジャーの集まりの時にはとっくに亡くなっていることになる。

結局、彼らは一体誰?

メンジャーの集まりに来ていた一般参加者だと考えるのが適当だろう。たまたま最前列できれいに写って目立ったので、金星人ということにされたわけだ。
まさか今さら金星が生物の住めない極限環境であることを説明し、彼らが金星人じゃない理由を具体的に解説する必要はあるまい。

彼らを金星人にしたのは誰?

フランク・ストレンジズ博士
THEY RODE THE FLYING SAUCERSより
このでっち上げを行なったのはどうやら、フランク・E・ストレンジズ博士(Dr. Frank. E. Stranges/1927〜2008年)という人物。コンタクティーのようで、NICUFO(National Investigations Committee on Unidentified Flying Objects/全米UFO捜査委員会)というUFOや宇宙の研究・教育のための非営利法人を設立したという。

ニューヨークのブルックリン生まれ、フォートの信仰神学校で心理学と哲学の博士号を受けたという。
どうやらイギリスのSFドラマ「謎の円盤UFO」の第7話にもゲスト出演したことがある模様。(ドラマのファンサイト「ufomania on positive track!」)
この本名かどうかも嘘くさいストレンジズ博士が1959年にヴァル・ソールと出会ったと主張し始めたという。1967年に「The Stranger at the Pentagon」(ペンタゴンの見知らぬ人)という本も出版している。



ヴァル、ドン、ジルにされてしまった3人も、おそらくではあるが後々金星人にされていることに気づいたんじゃないだろうか? しかしさすがに自分から「これは私達です」と声を挙げることもなく、うやむやに誤魔化したんじゃないかと推測する。

参考資料

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