2017年5月2日火曜日

宇宙人解剖フィルム

1947年6月1日、1994年8月28日/アメリカ/ニューメキシコ州ロズウェル、テキサス州ダラス
Roswell, New Mexico, USA
Dallas, Texas, USA

概要

死体解剖
YouTubeより
ロズウェルに墜落したUFOの宇宙人を米軍が解剖?!
その模様を撮影したとされる不気味な映像が公開され、世界中に衝撃を与えた。

詳細

テレビで公開された衝撃の映像

テントフッテージ
www.outtahear.comより
20世紀末に物議をかもしたこのフィルムは、1995年8月28日にイギリスの映像実業家レイ・サンティリ(Ray Santilli)によってテレビで公開されたものだ。
サンティリによれば、このフィルムは1994年にアメリカの元従軍カメラマンから10万ドルで買い取ったもので、1947年6月1日にアメリカのニューメキシコ州ロズウェルに墜落したUFOから発見された宇宙人の遺体を、7月にテキサス州ダラスのフォートワース基地内で解剖したときの映像だという。

3つの場面

映像は大きく分けて3つの場面に分かれている。
  • テントフッテージ
    • テントのようなところに横たわる死体の映像。画質が非常に悪い。
  • 死体解剖
    • 解剖フィルムの本編。小さな部屋の中で防護服を着た二人の解剖医が宇宙人を解剖している。
  • 残骸
    • 6本指の手型のパネルなどが写っている。

実際の死体解剖の動画
(かなりグロテスクなので注意)
この他、トルーマン大統領が写っているフィルムがあると言われているが、存在は確認されていない。

なお、有名なロズウェル事件は1947年という点では一緒だが、一般的に語られている発生日は7月2〜3日頃で、新聞発表されたのが7月8日である。

フォートワースにあるカースウェル空軍基地


より大きな地図で UFO事件マップ を表示
解剖場所はフォートワース基地と言われているが、現在の地図だとカースウェル空軍基地とある。名称の違いの理由はまだ調べていないが、場所としてはおそらく間違いはないだろう。

投げかけられるダウト

テレビで放送されて世界的に話題を集めた宇宙人解剖フィルムであったが、以下のような疑問点が指摘されている。
  • 解剖医のハサミの持ち方がおかしい
  • 宇宙人の内臓にカメラが寄ると必ずピンボケになってしまうなど撮影が稚拙
  • 地球外知的生命体に接触してその解剖をするという、科学上、いや人類の歴史上極めて重要な記録映像なのに、カラーフィルムを使わず、カメラも1台で、スチルカメラも使われていない
  • サンティリが検証に非協力的
などなど、この他にも数多くの点から真贋について疑いの目が向けられていた。
UFOの残骸から取り出されたものとされる映像
6本指の手形で、操縦のためのコントロールパネルと言われる
YouTubeより
ロズウェル事件を調査したUFO研究家で核物理学者のスタントン・フリードマンからしても、ロズウェル事件自体は肯定しつつも、このフィルムについては疑っていた。

父からロズウェル事件で回収された物体を見せられたというジェシー・マーセル・Jr.も、UFOの残骸映像を見て「このようなものは見ていない」と述べている。

映像制作者達が次々と告白

この映像を作り、公開したレイ・サンティリ
2006年に入り、サンティリ自らがプロデュースしたパロディ映画「Alien Autopsy」(邦題:宇宙人の解剖)の公開に合わせるようにして、サンティリをはじめとした人々が、このフィルムが自らの手による作り物であることを告白し始めた。
サンティリプロデュースによる映画のジャケット
OpenMindsより
グレイタイプの宇宙人の模型を作ったのも、その映画の特殊効果担当であるイギリスの彫刻家ジョン・ハンフリーズであった。
映画の中に登場するサンティリは、オリジナルのフィルムがあったものの、劣化が激しくて見るに耐えないものであったため、やむを得ず作った再現フィルムであったとしている。

参考資料

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