2017年9月8日金曜日

2017/9/8付 太陽で大規模なフレア発生。地球に影響か!?

情報ソース:ハフィントンポスト毎日新聞国立研究開発法人情報通信研究機構アストロアーツ
参考情報:NHK サイエンスZERO「太陽フレア 生命の脅威か? 母なる恵みか?」(2017年2月26日放送)
6日11時53分のX9.3のフレア発生約20分後の様子
中央右下で閃光が上がっている。
NASAの観測衛星SDOより
NASA(アメリカ航空宇宙局)は、9月6日8時50分(世界標準時。日本時間17時50分)以降、太陽表面で大規模な「太陽フレア」が発生したと発表した。
放出された物質が日本時間の7日午後3時以降に地球に到達するため(追記:予想よりも速く、日本時間午前7時頃にすでに観測された)、GPS衛星や地上の送電網への影響が懸念される。
今回のフレアは通常規模の1000倍以上で、停電のほかに通信障害が起きてもおかしくない規模である。

ただし8日(日本時間)17時現在、通信障害その他の被害は報告されていない。
追記:GPSの計測に数mの誤差が生じたという。
X9.3のフレア発生約2時間半後の様子
観測のために太陽周辺を遮蔽しており、白丸が太陽の大きさ。
大量の物質が噴き出しているのがわかる。
NASAの観測衛星SOHOより

今回、大規模なフレアは複数回起こっている。

  • 6日8時50分(世界標準時。日本時間17時50分) 規模X2.2
  • 6日11時53分(世界標準時。日本時間20時53分) 規模X9.3
  • 7日10時15分(世界標準時。日本時間19時15分) 規模M7.3(MはX1の1/10の規模)
  • 7日14時36分(世界標準時。日本時間23時36分) 規模X1.3

太陽フレアとは

太陽フレアは太陽表面の爆発現象で、表面の磁力線によって発生する。
これによってコロナガス(プラズマ粒子)の放出(コロナ質量放出)のほか、X線、高エネルギー粒子なども放出される。
X線は光と同じ電磁波なので8分で地球に届くため、すでに観測されている。

この現象で放出されたコロナガスが地球に到達することで、電離圏そして地上の磁場が乱され、送電線に大量の電流が流れ、変電所が破壊されるというようなことが起きる。
  • 1989年には北米で変電所が破壊され、9時間もの大規模停電が発生している。この時の規模はX4.5だった。
  • 2003年10月28日に観測史上最大のフレア(X17)が発生している。
  • 2012年7月にも同様の現象が起こっていたが、地球の反対方だったために地球への影響はなかった。
今回のクラスのフレアは2006年12月以来という。

今回のフレアによって地球の極付近でオーロラが発生するとみられ、日本でも北海道付近で観測できる大規模なもののなると推測される。
日本時間2017/9/8 13時頃の太陽
矢印が
筆者撮影
黒点付近のアップ

——今のところは被害がないようだが、放出されたプラズマは数日かけて届く場合もあるようなので、しばらく注意が必要かもしれない。
今後「フレア発生の際、太陽の付近に巨大UFOが飛んでいた! これがフレアの原因に違いない!」などと言う人がまた出てくるかもね?

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