2023年6月21日水曜日

2023/5/31 NASA、UAPに関する公開ミーティングを開催


NASA LIVE YouTubeより


5月31日、昨年10月24日からUAP(Unidentified Anomalous Phenomena:未確認異常現象 ※注)の検証を任されているNASA(アメリカ航空宇宙局)は、研究チームのメンバー16人を集めた公開ミーティングが開催され、ネットで中継された。
※注:UAPはこれまでUnidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象の略であったが、空中以外(宇宙付近や海底)での異常現象もあるということで昨年12月の国防権限法で変更された)

NASAのスパーゲル博士
これまで800件以上の情報が寄せられたとし、チームのリーダーである宇宙物理学者のデビッド・スパーゲル博士は、「こうした現象の理解を深めるには、的を絞ったデータの収集と管理が必要」「UAPに関する現在のデータ収集は、さまざまな機関にまたがって非体系的かつ断片的に行われており、科学データ収集向けに校正されていない機器を使用していることも多い」と述べた。

UAPは半数が球形、大きさは1〜4m、色は白や銀色、半透明が多く、民間機が飛ぶ高度の3〜9000mに集中するという。

終了後の会見で「UFO/UAPの多くは説明がつく」とし、メンバーの一人は「地球外生命体との関連を明確に示す情報はない」と述べた。
画像を撮影したカメラの性能が科学的分析に適していないことが課題だとし、スパーゲル博士は「データの質が低く、情報量が限られる傾向がある」とし高品質なデータが必要と強調した。

AARO カークパトリック室長
米国防総省の担当部門であるAARO(全領域異常解決局)のカークパトリック室長は、「本当に特異と言えるのは2〜5%ほどだ」とした。

GO FASTは実はGO SLOW?



米海軍が撮影した動画のうちのGO FASTと呼ばれるものについては、物体と撮影した海軍機の位置などから時速40マイル(約64km)という低速であることがわかった。

この日のミーティングが発表前の最終的なものになるといい、最終報告は7月下旬に一般公開するという。

またYouTubeの自動翻訳で読んだ範囲だが、これまでメンバーに対してのネットでの嫌がらせもあったようで、そうしたことは研究の価値を損なうことで、敬意とオープンな環境が必要だとした。

ミーティングの最後には事前に募集された公開質問に対する回答がなされた。回答者は非常に丁寧に回答しているが、長いので代表的な質問だけ要約する。
Q:NASAは情報を隠しているのか?
A:NASAは情報を隠したりしておらずオープンであり、これまでUFOやUAPについて公式にも非公式にも議論したことはなかった。

Q:UAPが人間以外の知的生命から作られた証拠はあるか?
A:我々は科学者であり、科学のプロセスに基づいて仮説を立て理論をテストした上でなければ簡単には答えられないが、これまでにそうした証拠は見たことがない。

Q:NASAは地球外生命体に遭遇したことがあるか?
A:発見していないが様々な方法で探している。

——休憩をはさみつつ4時間にも及んだミーティングなので、不確かな自動翻訳を使って全部を把握することはできなかったが、さすが科学者らしく、確実な証拠がないまま安易な肯定も否定もしなかったようだ。その上で、多くの事例は何かの誤認で説明がつくこと、そして予想通り、きちんと検証できるような情報が不足しているということだ。

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