概要
イギリスのウェールズ地方でUFO、宇宙人の目撃事件が多発
2月4日、ブロード・ヘイブン小学校の児童(9歳〜11歳)が、昼休みに校舎そばの野原でサッカーをしているとき、少し離れた野原にUFOが着陸しているのを発見。
数人が校舎に戻ってこの事を伝えたため、計15人の児童がこれを目撃することとなった。
児童たちによるUFOの様子は以下のようであった。
児童の内6人がUFOの近くに1〜2人の人間の姿をしたものを見た。以下はそのヒューマノイドについての証言。
児童達は20分ほどこのUFOを注視していた。
その間2人の児童がラルフ・ルウェリン(Ralph Llewellyn)校長を呼びに行き、おびえて泣き出しそうな様子で訴えたが、とうとうまともに取り合ってもらえなかった。
午後2時に教室に戻り、3時30分に再びUFOを探したが、姿が見えなかった。
念のために着陸地点に近づいてみたところ、UFOが茂みの陰から飛び上がったので、児童たちは逃げ出した。
児童は「あの葉巻型の物体は、銀色の物体を引っぱっていたみたいだ」と証言した。
再びUFOは茂みの陰に隠れてしまった。
児童たちは家に帰って両親にこの事件を話し、地元のUFO専門家ランドル・ジョーンズ・ピューが午後6時に目撃者の少年とともに現場を訪れたものの、激しい雨が降ってしまっており、暗くて現場の様子がわからなかった。
翌朝、ピューは地元紙「ウェスタン・テレグラフ」の記者を連れて再度現場を訪れたが、着陸痕などは発見できなかった。
このニュースはすぐに広がった。
月曜日になってルウェリン校長もようやくこの件に関して重い腰を上げ、子供達に目撃したものの絵を描かせた。
最終的に、彼らが見たUFOは銀色の葉巻型の物体で、上部に小さなドーム型のものがついており、てっぺんがピカピカ光っていたというものだった。
ただしこれはすでに子供どうし、記者や研究家達とも話し合った後だったので、個々の記憶が他の子の証言によって引っぱられてしまった可能性がある。
UFOは、すぐに人を呼びに行こうとした4〜5秒の間に、ブンブンうなりをあげて滑るように飛び去ってしまった。
同じ日の後の時間、学校の食堂の女性従業員2人が、同じ場所に何か物体があるのに気付いた。その物体に何者かが乗り込み、斜面を上がって行くのを目撃したが、近くの下水工事の車だと思っていた。
その後も続いたUFO目撃
この事件の後、夏が終わるまでの間、近辺でUFO目撃事件が続発した。マスコミやUFO研究家達によって騒がれることとなった。
以下にわりと信憑性が高そうとされる証言をいくつか紹介する。
現場とされる着陸地点は草木に覆われているために物体の一部しか見えるはずはないのに、UFOの全体像が書かれている。かなりの部分、児童たちの想像が加わっていると思われる。
また、場所は狭い谷間のため、何軒かの家が着陸地点を見はらすことができる。そこに3時間以上着陸していて目撃されないのはおかしい。
児童達は何かを見たのだろうが、それがUFOであったかどうかは断定できない。食堂の従業員二人が最初にそう思っていた下水道工事の車両であった可能性も指摘されている。
実は小学校の事件の前にもUFO騒動が起こっている。
二日前の2月2日、カーディフ州ペナースで、数人の男子生徒が葉巻型UFOを目撃したという報告があった。
前日の2月3日にもハバーストン小学校で、サッカー中の児童達が10〜15分程度、別の葉巻型UFOを目撃したとウェスタン・テレグラフ紙が報じている。
これらの報道によってブロード・ヘイブン小学校の児童達が、見慣れないものを見たらUFOと思ってしまうような心理状態になっていたのではないかということも十分に考えられる。その後相次いだ目撃の多発も同じだ。
UFOウェーブのさなか、4月16日にリッパーストン農場で起こった事件は物議をかもすこととなった。
この事件に関しては様々な証言や噂が交差し、何が真実であるのかわからなくなってしまったが、その一端を以下に紹介する。
リッパーストン農場で働くビリー・クームズは、妻はポーリーンと5人の子供とともに農場近くに住んでいた。
そのすぐ隣には、同じ農場で働くブライアン・クラス、キャロライン・クラス夫妻が住んでいた。
農場主はリチャード・ヒュイソンで、近くのロウアー・ブロードムア農場に住んでいた。
ここで夫人と子供達がUFOに遭遇した。4月16日の日没後、ポーリーン夫人が3人の子供とともに車で帰宅途中、サッカーボールくらいの大きさの光につきまとわれた。
その光が車の横に並んで飛ぶと、車のヘッドライトが暗くなり出し、家の近くでエンジンも止まってしまった。ポーリーンは家にかけ込んで夫を呼んだ。
夫のビリーと長男のクリントンが外へ出ると、光は海の方へ飛び去って行くところだった。
ビリーが車のエンジンをかけ直すと、異常はなかった。
数週間後、ポーリーンは家のキッチンの窓から別のUFOを目撃した。直径6mくらいで、地上から1mほどの高さに停止していた。色は銀色、アンテナが突き出し、三脚台のような着陸ギアがついていた。
そのUFOは海の方に飛び去り、後には円形のこげ跡が残った。
それと別に、下の子供二人がドームのついた丸いUFOが3機滞空しているのを見たと証言。うち一つは地上から15m程のところに浮かび、そこからはしごが下がり、銀色の服の人影が降りて来るのを目撃。
UFOから蛍光色の真っ赤な箱のようなものが野原に落とされたが、後で探しても見当たらなかった。
4月22日深夜、ビリーが窓から中をうかがう何者かの顔を目撃した。人間であったと言うが、推定では身長2mほど、白い服を着て、顔は黒いバイザーのようなもので覆い隠されていた。
驚いたビリーは、農場主のヒュイソンとUFO研究家のランドル・ジョーンズ・ピューに連絡。そしてピューの勧めで警察を呼んだ。
ヒュイソンと警察がやって来て現場を調べたが、侵入者の形跡は見られなかった。
それから3週間後、8歳の双子が野原で遊んでいると、これとよく似た人影を目撃。15mほど離れたところを歩いて通り過ぎ、姿を消した。
UFOの話を聞いた地元の人物が、別の日にヘイブン・フォート・ホテル敷地内でいたずらをしていたことがわかっており、これらも同じ人物によるいたずらだったのではないかと推測されている。
10月のある日の夕方、ポーリーンが母親と子供を乗せてリッパーストンに帰る途中、母親が円盤型のUFOが沖合の岩礁であるスタック・ロックスへ向けて飛んでいるのを目撃した。
UFOはその岩場の上を旋回すると、2枚の引き戸のようなものの間をすり抜けて岩の中に飛び込んだ。
家に着くとヘイブン・フォート・ホテルの経営者で、スタック・ロックスの土地も所有しているグランビル夫人から電話があり、空に閃光を目撃し、双眼鏡でスタック・ロックスの岩をよじ登る人影を見たのだという。
ポーリーン夫人と子供達がスタック・ロックスを確認に行った。先に帰ってきた子供達に隣人のクラス夫人が尋ねると、何も見えなかったと言ったが、遅れて帰ってきたポーリーン夫人は岩礁の上を登る人影を見たと言った。
しかし、これに関してはいくつもの疑問が出されている。
事件に付随して、農場の牛が短時間のうちに消えて別の農場にいるという出来事や、MIBのような人物がポーリーン夫人の所在を尋ねに隣家のクラス夫妻の家にやって来たという出来事が報告されたが、それらは歪曲されて伝わったもので、実際は不思議でもなんでもない出来事であった。
クームズ家では1年間に5台もの車が壊れていて、それを不思議な力によるものという噂も語られていたが、実際はスクラップ置き場から買ってきた廃車を修理して乗っていたためであった。4月16日の事件も、単なる車の故障である可能性が疑われる。
ポーリーン夫人は敬虔なカトリック教徒で、以前住んでいたトレーラーハウスでは、毎晩キリストを抱いた聖母マリアの幽霊が見えると言って騒ぎになったことがあった。
また、ポーリーン夫人は今までも何度かUFO体験をしたと言っており、事件後も「自分は異星人の宇宙船に乗って旅行をしたことがある」という告白をクラス夫人にしているなど、オカルティストの側面が強い人物であった。
夫や子供もある程度事件を目撃しているが、前述のとおりの情報の交錯もあることから、どこまで信じて良いものか疑問だ。
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右のマーカーから順に、ブロード・ヘイブン小学校(Broad Haven Primary School)、ヘイブン・フォート・ホテル、ロウアー・ブロードムア農場、リッパーストン農場だ。
事件の全てを否定する材料はないが、また全てを肯定できる材料もない。むしろ疑わしい目撃例の方が多い。この中から真相を突き止めるのは容易な作業ではないだろう。
小学校で目撃されたUFOと宇宙人が、「タラップのあるドーム型UFO」「とんがった大きな耳」「銀色の服」などの点が、日本の甲府事件で目撃されたUFOと宇宙人に似通っているのに気付いた。
もし同じ種類の宇宙人がやって来ていたのだとすればなかなか興味深いが、証拠もないので判断は慎重にしたい。
詳細
ブロード・ヘイブン小学校事件
UFOを目撃した小学生達 |
数人が校舎に戻ってこの事を伝えたため、計15人の児童がこれを目撃することとなった。
児童達が描いたUFOと宇宙人 子ども達同士で話し合った後に描かれたので、記憶が統一されてしまったおそれがある。 日本の甲府事件のものとちょっと似ている。 |
- バスくらいの大きさ
- 皿を2枚重ねたようなドーム型をしており、上にさらに丸い灰皿のようなドームがついていた
- 上のドームの端には3〜4もしくは10〜11個(証言によって違う)くらいの窓があった
- UFOの上部は光っていた
- 側面にドアがあり、階段のようなものが下がっているのを見た
- ブンブンとうなるような音を聞いた児童もいた
児童の内6人がUFOの近くに1〜2人の人間の姿をしたものを見た。以下はそのヒューマノイドについての証言。
- ヘルメットをかぶっていた
- とんがった耳をした銀色の男だった
- あまり背は高くなく、かっこもよくなかった
児童達は20分ほどこのUFOを注視していた。
その間2人の児童がラルフ・ルウェリン(Ralph Llewellyn)校長を呼びに行き、おびえて泣き出しそうな様子で訴えたが、とうとうまともに取り合ってもらえなかった。
午後2時に教室に戻り、3時30分に再びUFOを探したが、姿が見えなかった。
念のために着陸地点に近づいてみたところ、UFOが茂みの陰から飛び上がったので、児童たちは逃げ出した。
児童は「あの葉巻型の物体は、銀色の物体を引っぱっていたみたいだ」と証言した。
再びUFOは茂みの陰に隠れてしまった。
UFO研究家のランドル・ジョーンズ・ピュー |
翌朝、ピューは地元紙「ウェスタン・テレグラフ」の記者を連れて再度現場を訪れたが、着陸痕などは発見できなかった。
このニュースはすぐに広がった。
月曜日になってルウェリン校長もようやくこの件に関して重い腰を上げ、子供達に目撃したものの絵を描かせた。
最終的に、彼らが見たUFOは銀色の葉巻型の物体で、上部に小さなドーム型のものがついており、てっぺんがピカピカ光っていたというものだった。
ただしこれはすでに子供どうし、記者や研究家達とも話し合った後だったので、個々の記憶が他の子の証言によって引っぱられてしまった可能性がある。
2週間後、再び現れたUFO
その2週間後の2月17日、1人の女性教師が、どしゃ降りの雨の中、同じ場所に大きな物体があるのを目撃した。UFOは、すぐに人を呼びに行こうとした4〜5秒の間に、ブンブンうなりをあげて滑るように飛び去ってしまった。
同じ日の後の時間、学校の食堂の女性従業員2人が、同じ場所に何か物体があるのに気付いた。その物体に何者かが乗り込み、斜面を上がって行くのを目撃したが、近くの下水工事の車だと思っていた。
その後も続いたUFO目撃
この事件の後、夏が終わるまでの間、近辺でUFO目撃事件が続発した。マスコミやUFO研究家達によって騒がれることとなった。
以下にわりと信憑性が高そうとされる証言をいくつか紹介する。
2月10日、12歳の2人の少年が、ハバフォードウェスト中学校の近くの野原で、40mほど先にUFOを目撃。
UFOは青い閃光を放ち、石を投げつけると飛び去った。
その時、長さ5mほどのオレンジ色の葉巻型の物体がそのUFOの真下に現れ、しばらく宙に浮いていたが、やがて消えた。
2月16日、ペンブローク・ドックの生徒グラハム・ハウウェル(13)が朝登校したところ、校舎上空に光り輝く金属製のUFOが浮かんでいるのを目撃。あたりにもやがかかっていたが、その物体ははっきり見えた。
物体は真ん中あたりがドーム型に盛り上がっている暗い灰色。5秒おきに目もくらむような白い光を全体から発した。まるで目玉焼きを乗せた皿のようだった。
皿の側面には黄緑色のライトがいくつかついており、逆推進ロケットのようなものも付いていた。皿は回転しているようだった。
「絶対にヘリコプターや気象観測気球ではない」と少年は言った。
3月13日午後9時頃、スチーブン・テイラー(17)はUFOを目撃。
まばゆい光体で、周囲にオレンジ色の光の輪ができていた。
彼は友人の家に行って話したが、信じてもらえなかった。
20分後、野原で高さ6mばかりのドーム型UFOを目撃。
立ち止まって見ていると、半透明の服を着て宇宙飛行士のヘルメットのようなものをかぶった背の高い人影が近づいてきたため、怖くなって「そいつをぶん殴って」逃げ出した。
ジョゼフィン・ヒュイソン |
ヒュイソン夫人が目撃したUFOのイラスト |
3月26日土曜日午前8時過ぎ、ジョゼフィン・ヒュイソンは、ロウアー・ブロードムア農場にある自宅の窓辺から、すぐ先の畑に幅15mほどの大きな物体を目撃した。
それは後ろの温室が隠れてしまうほどの大きさで、丸みを帯びた三層のドーム型であった。それは当人の言葉を借りると「山型のゼリーを押しつぶしたような」形であったという。 表面はアルミニウムのような色をしてすべすべしていたようだった。まったく音を立てず、動いている気配もなかった。
彼女は約2分間これを見ていたが、誰かに知らせるべきだと思って子供達を起こしに行ったが、もう一度窓の外を見た時には物体は消え去っていた。
現場を検証したが、何かを誤認したと考えうるものは見つからなかった。
4月7日午前4時45分ごろ、シリル・ジョン(64)は寝室の中をちかちかと照らすオレンジ色の光に目を覚ます。光は外から差し込み、壁に反射していた。
窓の外を見ると空がオレンジ色に染まっており、すぐ近くに銀色の物体が2つ見えた。
一つは直径1mくらいの大きなイースターの卵のようで、向かいの家の煙突の少し上あたりを前後に揺れるように飛んでいた。
ジョンの部屋の窓から12mくらい上の方に、銀色のつなぎを着た人間のような形の物体が見えた。背丈は2m以上あった。落下中のスカイダイバーのようなポーズで卵と同じ高さに動かずに浮かんでいた。
その後、“卵”の方は屋根の上へ上昇すると、つなぎの男とともに横に滑るように飛んで行ってしまった。
4月14日午後6時30分頃、ハーブランドストンのデボラ・スワン(13)は、友達と一緒に、昨今報じられているUFOを見たいと思って探しに行った。
しばらく行って土手を下ったところで、向こう岸の野原にサッカーボールのような形で銀色に光り、前後左右に動き、自分たちが動くとそれに連れて動く異様な物体を目撃し、逃げ帰った。
ローズ・グランビル夫人 |
4月19日午前2時頃、ヘイブン・フォート・ホテル経営者のローズ・グランビル夫人がブンブンとうなる音を耳にした。これら一連の事件が起こった一帯は、ウェールズの三角地帯などと呼ばれている。
窓の外に閃光が見えたので見てみると、青い光が明滅しながら旋回していた。
双眼鏡で見ると、地面の上に静止した楕円形の物体と、そのそばにつなぎのような白っぽい合成樹脂の服を着たように見える人影が2つ見えた。彼らには顔がなかった。
事件の懐疑的検証
資料とした「超常現象の謎に挑む」では、小学校での目撃に関して以下のような疑問を投げかけている。現場とされる着陸地点は草木に覆われているために物体の一部しか見えるはずはないのに、UFOの全体像が書かれている。かなりの部分、児童たちの想像が加わっていると思われる。
また、場所は狭い谷間のため、何軒かの家が着陸地点を見はらすことができる。そこに3時間以上着陸していて目撃されないのはおかしい。
児童達は何かを見たのだろうが、それがUFOであったかどうかは断定できない。食堂の従業員二人が最初にそう思っていた下水道工事の車両であった可能性も指摘されている。
実は小学校の事件の前にもUFO騒動が起こっている。
二日前の2月2日、カーディフ州ペナースで、数人の男子生徒が葉巻型UFOを目撃したという報告があった。
前日の2月3日にもハバーストン小学校で、サッカー中の児童達が10〜15分程度、別の葉巻型UFOを目撃したとウェスタン・テレグラフ紙が報じている。
これらの報道によってブロード・ヘイブン小学校の児童達が、見慣れないものを見たらUFOと思ってしまうような心理状態になっていたのではないかということも十分に考えられる。その後相次いだ目撃の多発も同じだ。
リッパーストン農場事件
ポーリーン・クームズ夫人 |
この事件に関しては様々な証言や噂が交差し、何が真実であるのかわからなくなってしまったが、その一端を以下に紹介する。
リッパーストン農場で働くビリー・クームズは、妻はポーリーンと5人の子供とともに農場近くに住んでいた。
そのすぐ隣には、同じ農場で働くブライアン・クラス、キャロライン・クラス夫妻が住んでいた。
農場主はリチャード・ヒュイソンで、近くのロウアー・ブロードムア農場に住んでいた。
リッパーストン農場への道 |
その光が車の横に並んで飛ぶと、車のヘッドライトが暗くなり出し、家の近くでエンジンも止まってしまった。ポーリーンは家にかけ込んで夫を呼んだ。
夫のビリーと長男のクリントンが外へ出ると、光は海の方へ飛び去って行くところだった。
ビリーが車のエンジンをかけ直すと、異常はなかった。
数週間後、ポーリーンは家のキッチンの窓から別のUFOを目撃した。直径6mくらいで、地上から1mほどの高さに停止していた。色は銀色、アンテナが突き出し、三脚台のような着陸ギアがついていた。
そのUFOは海の方に飛び去り、後には円形のこげ跡が残った。
それと別に、下の子供二人がドームのついた丸いUFOが3機滞空しているのを見たと証言。うち一つは地上から15m程のところに浮かび、そこからはしごが下がり、銀色の服の人影が降りて来るのを目撃。
UFOから蛍光色の真っ赤な箱のようなものが野原に落とされたが、後で探しても見当たらなかった。
4月22日深夜、ビリーが窓から中をうかがう何者かの顔を目撃した。人間であったと言うが、推定では身長2mほど、白い服を着て、顔は黒いバイザーのようなもので覆い隠されていた。
驚いたビリーは、農場主のヒュイソンとUFO研究家のランドル・ジョーンズ・ピューに連絡。そしてピューの勧めで警察を呼んだ。
ヒュイソンと警察がやって来て現場を調べたが、侵入者の形跡は見られなかった。
それから3週間後、8歳の双子が野原で遊んでいると、これとよく似た人影を目撃。15mほど離れたところを歩いて通り過ぎ、姿を消した。
UFOの話を聞いた地元の人物が、別の日にヘイブン・フォート・ホテル敷地内でいたずらをしていたことがわかっており、これらも同じ人物によるいたずらだったのではないかと推測されている。
10月のある日の夕方、ポーリーンが母親と子供を乗せてリッパーストンに帰る途中、母親が円盤型のUFOが沖合の岩礁であるスタック・ロックスへ向けて飛んでいるのを目撃した。
UFOはその岩場の上を旋回すると、2枚の引き戸のようなものの間をすり抜けて岩の中に飛び込んだ。
家に着くとヘイブン・フォート・ホテルの経営者で、スタック・ロックスの土地も所有しているグランビル夫人から電話があり、空に閃光を目撃し、双眼鏡でスタック・ロックスの岩をよじ登る人影を見たのだという。
ポーリーン夫人と子供達がスタック・ロックスを確認に行った。先に帰ってきた子供達に隣人のクラス夫人が尋ねると、何も見えなかったと言ったが、遅れて帰ってきたポーリーン夫人は岩礁の上を登る人影を見たと言った。
しかし、これに関してはいくつもの疑問が出されている。
- 2つの目撃地点とスタック・ロックスの間は数kmの距離がある上、夕暮れ時の暗さから岩の上の動くものをまともには観察できるとは思えない。
- 2つの目撃地点は90度の開きがあり、同じものが見えたとは考えにくい。
- 現場上空は英国空軍基地の飛行経路でジェット機が絶えず飛行しているため、閃光は何度も目撃できる。
事件に付随して、農場の牛が短時間のうちに消えて別の農場にいるという出来事や、MIBのような人物がポーリーン夫人の所在を尋ねに隣家のクラス夫妻の家にやって来たという出来事が報告されたが、それらは歪曲されて伝わったもので、実際は不思議でもなんでもない出来事であった。
クームズ家では1年間に5台もの車が壊れていて、それを不思議な力によるものという噂も語られていたが、実際はスクラップ置き場から買ってきた廃車を修理して乗っていたためであった。4月16日の事件も、単なる車の故障である可能性が疑われる。
ポーリーン夫人は敬虔なカトリック教徒で、以前住んでいたトレーラーハウスでは、毎晩キリストを抱いた聖母マリアの幽霊が見えると言って騒ぎになったことがあった。
また、ポーリーン夫人は今までも何度かUFO体験をしたと言っており、事件後も「自分は異星人の宇宙船に乗って旅行をしたことがある」という告白をクラス夫人にしているなど、オカルティストの側面が強い人物であった。
夫や子供もある程度事件を目撃しているが、前述のとおりの情報の交錯もあることから、どこまで信じて良いものか疑問だ。
現場周辺地図
より大きな地図で UFO事件マップ を表示
考察
かなり長くなってしまったが、ひとつの事件が起こり、それが広まると話に尾ひれがついて、何が本当にあった(と当事者が思っている)ことなのかわからなくなり、「実は私も見た(かもしれない)」という人たちが大勢出てくるという事例の典型のようになっている。事件の全てを否定する材料はないが、また全てを肯定できる材料もない。むしろ疑わしい目撃例の方が多い。この中から真相を突き止めるのは容易な作業ではないだろう。
小学校で目撃されたUFOと宇宙人が、「タラップのあるドーム型UFO」「とんがった大きな耳」「銀色の服」などの点が、日本の甲府事件で目撃されたUFOと宇宙人に似通っているのに気付いた。
もし同じ種類の宇宙人がやって来ていたのだとすればなかなか興味深いが、証拠もないので判断は慎重にしたい。
参考資料
- ブロード・ヘイブン小学校公式サイト
- Wikipedia/ブロード・ヘイブン
- 教育者・超常現象の謎に挑む(監修コリン・ウィルソン)
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