2月24日にアリゾナ州上空を飛行していた複数の民間パイロットから、相次いで未確認飛行物体を観測したという報告が寄せられていたと、アメリカ連邦航空局(FAA)が明らかにした。
リアジェット機の報告
現地時間午後3時30分頃(日本時間25日午前7時30分)、まずニューメキシコ州アルバカーキの管制塔に、ソノーランデザート国定公園とニューメキシコの国境の間を約37,000フィート(約11,280m)で東に飛行していたリアジェット36(Learjet 36)機(N71PG)から問い合わせが入る。「30秒ほど前に、何かが我々の上空を通過したのか?」「何かわからないが、飛行機じゃなく…正反対の方向に飛んで行った。」
物体は高度40,000フィート(約12,200m)にあり、反射光を放っていたという。
管制官はこれに対して「いや」と否定する。
アメリカン航空機による確認
管制塔は付近を飛行していたアメリカン航空1095便(American Airlines 1095 Airbus A321)に連絡を取り、「この先15マイル(約24km)の地点で上空を何かが通過したら知らせてほしい」と告げ、事情を説明した。同機からはまもなく報告がある。
「今ちょうど何かが上空を通過した。正体はわからないが、少なくとも我々の2000〜3000フィート(約610〜914m)上空だった。」と回答があった。
この後パイロットと管制塔との間では「Googleの気球だろうか?」「違うだろう」「UFOだ」などとのやりとりがあった。
FAA広報の話
FAAの広報は「これが必ずしも地球外の物体だったとは限らない」と述べ、高高度気象観測気球などの可能性も示唆した。しかし、当時この空域を飛行していた他の物体については確認できなかったという。
目撃場所は1947年にUFOが墜落したと言われるロズウェル事件のニューメキシコ州ロズウェルから800kmほどの距離だという。
——航空機でのUFO報告と聞くと、オーストラリアのバレンティッチ行方不明事件を思い出してしまう。
2月24日15時47分(日本時間25日7時47分)の飛行状況 PlaneFinderより |
PlaneFinderで当時のフライトを再現してみたが、リアジェット機の方は残念ながら表示されなかった。(情報ソースのTHE DRIVEには、Flightradar24で再現したと思われる図が載っている)
同じ頃、いくつかの航空機が周囲を東西に行き来していたようだが、40,000フィート程度のものはやはり確認できなかった。
制御を失い高度を下げつつあった中国の宇宙実験室・天宮1号(4月2日大気圏再突入して消滅)ではないかとも疑ってみたが、2月末はまだ250km近く上空だったので、さすがにそれはないようだ。
当時の空の再現。誤認しそうな天体は見られない ステラナビゲータ10でシミュレート |
ただ当時は昼間だし、金星は太陽のそば、月も出ていたが30度ほどの高さで、誤認するとも思えない。
ロズウェルから800kmという表現は明らかにこじつけだ。国土が広くて感覚が違うとはいえ、800kmって東京から広島までの距離だぞ(苦笑)
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