2025年5月31日土曜日

2025/5/29 共和党議員「AAROに金を出すな!」、前室長は反論

共和党のアンナ・パウリナ・ルナ(Anna Paulina Luna)下院議員が5月29日のXへの投稿で、AARO(全領域異常解決室)を強い口調で非難した。
明らかに、政府は支出問題を抱えています。監視タスクフォースによる調査結果を検討した結果、AAROへの資金提供を停止すべきだと確信しました。AAROよりも優れた仕事をしている組織が他にあり、彼らは完全な透明性を提供しています。
AAROへの資金提供を停止せよ!
これはトランプ大統領が進める政府支出削減の一環として、UAP問題を扱う部署をAAROよりも透明性が高くコストパフォーマンスの高い組織に移管すべきだということだ。

懐疑派から上がる非難

これに対しSNSでは、アメリカのUFO懐疑派を中心に非難の声が上がっている。
「政府のUFO対策がお金の無駄であるかどうか議論したいのであれば、納税者の​​資金を費やした最近の UFO 公聴会がこちらです」(調査ジャーナリストのスティーブン・グリーンストリート)
グリーンストリート氏のXの投稿より
Googleの画像翻訳を利用
「この完全に透明な組織はAAROより優れた仕事をしてるんですか? それはMetabunkですか? 他にこれほど多くの事件を解決できるところはないですから」(科学ジャーナリストのミック・ウェスト。Metabunk主宰者)ミック・ウェスト氏のXの投稿より

AARO前室長からの反論

ルナ議員(左)とカークパトリック前AARO室長

本件についてのグリーンストリート氏の質問に対し、前AARO室長のショーン・カークパトリック氏が回答した。
私が引退するまで、HCOA(監督と説明責任に関する下院委員会)はAAROからのブリーフィングを求めませんでした。私とペンタゴンはこの件についてかなり声高に訴え、その後、彼女(ルナ)の委員会が私の退任後にようやくブリーフィングを求めてきました。ペンタゴンは私に機密会議に出席してブリーフィングを行うよう要請しました。
彼女はAAROがハニーポット(訳注:サイバーセキュリティにおける囮の技術)を設置したと非難しましたが、実際にはハニーポットとは何かを知りませんでした。
また事態の真相を全く理解せず、私たちを嘘つき呼ばわりしました。
彼女が「透明性」の定義を理解しているとは到底思えません。言葉が長すぎるからでしょう。彼女が陰謀論を煽り続けるのは、彼女の無知さを露呈しています。
彼女は真実を語る者への資金提供を打ち切るでしょう。
——ルナ議員はAAROよりもいい組織があるというが、それがどこなのか言及しておらず、「その透明性はどうなんだ?」というツッコミもされていた。
まさかエリゾンドがいたUAPDF(UAP開示基金)や、トム・デロングのTo The Stars、その他諸々のUFOビリーバー団体ではあるまいな?
ルナ議員のUFO観は詳しく知らないが、ビリーバー、陰謀論サイドのようなので、やはり政府がUFOを隠しているといった与太話しを信じ、希望どおりの結果を出してこないAAROにいらだっているのだろう。

AAROはその前身であるUAPタスクフォース、AOIMSG(Airborne Object Identification and Management Synchronization Group)の時点ではどう活動していたのかわからないが、三角形のUAPがレンズのピンボケで三角形に写っただけの星や飛行機であることを見抜けなかったりと、かなりガッカリ組織だった。
しかしAAROとなってからはNASAなどの協力も得てかなり科学的な分析をし、それをきちんとサイトで発表するようになった。ビリーバー達が騒がなければ本来必要なかった組織ではあるが、情報の評価、分析においては現在それなりに有能であると思う。

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