2018年11月24日土曜日

2018/11/21付 豊島区上空にUFO?

情報ソース:ツイッター、ねとらぼTOCANA

豊島区から怪しく光る飛行物体が撮影され、話題になっている。
光体は豊島区の南南西から目撃されたとされる。11月20日の夕方4時40分頃に気づき、52分から撮影を開始したという。
先端の尖った特徴的なビルはJR代々木駅前にあるNTTドコモ代々木ビルだろう。時計の文字盤が光っているのが見て取れる。
ネットの記事では「豊島区上空」となっており本稿もそれに倣ったが(主にネット検索上の都合で)、豊島区の南南西から代々木方面を撮影しているようなので、UFOがあるのは豊島区ではないだろう。雲の下にあることから、まずこれが天体でないことはわかる。

当時の飛行状況をシミュレート

Plane Finderで再現した当時の航空機の飛行状況
豊島区の南南東には羽田空港がある。iPadのアプリで当時の状況を再現してみたところ、夕方の4時52分には数機の航空機が羽田を目指して東京湾上空にあった。もちろんその前後にも同様のコースを通って他の航空機が続々と羽田に向かっている。光はこれらの前照灯で、点滅しているのは雲に見え隠れしたせいではないだろうか。時間をおいて別位置に見えたのはそれぞれ別の航空機だったのだろう。
急激に明るく光ったのは、前照灯がちょうど目撃者の方に向いたわけだ。
Plane Finderでは機体の位置と飛行経路の線がずれてしまっているが、いずれの機も一度北東に向きを変えている。そのために前照灯が見えなくなって消えたように見えたと考えられる。目撃場所から見て左に位置がずれるという証言とも合っている。

動画を見ると、羽田にこれから着陸するにしては近くて高い位置を飛んでいるようにも感じるが、前述の航空機であるならまだ何十kmも先にあるんだろう。だから光は見えても機体までは見えないし音も聞こえない。
航空機の前照灯はかなり明るく、筆者の自宅から100km近く離れた成田空港から離陸した航空機の前照灯が見えるくらいだ。明るく見えるからといって近くを飛んでいると限らない。そもそも比較できるものがない飛行物体までの距離を、見ただけで割り出すのは無理だ。
Googleマップで動画のビルの配置を探してみた
このあたりはもう新宿区なので、もっと北から写したのだろう
Plane Finderにはヘリの情報が表示されないため、まだその可能性の検討の余地もあるが、少なくともUFO…超常的な物体と考える積極的根拠はない。
しかし、知らない人にとってこうしたものが不思議に見えてしまうのも無理はないだろう。これを機会に飛行物体や天体に注意を向けて、何が見えているのかを判断する眼を養うのも楽しいと思う。

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