2018年2月3日土曜日

北野大僧正のコンタクト事件

1975年7月22日/日本/広島県三原市
Mihara-shi, Hiroshima-ken, Japan

概要

北野氏が描いたUFO
UFOと宇宙より
真言宗の僧正、北野恵宝えほう)氏が宇宙人とコンタクト。
宇宙人は地球の存亡についての謎のメッセージを北野氏に筆記させる。

詳細

不思議な声に目覚める

北野恵宝氏
UFOと宇宙より
兵庫県姫路市の真言宗本覚寺住職、北野恵宝大僧正(80)は、所用で訪れていた広島県三原市にある仏通寺(佛通寺)の深山荘という離れに泊まっていた。
すでに床に就いていた午前1時頃、突然日本語で「友よ、友よ、起きなさい」と呼びかける声に目を覚ます。あたりに人影はなく、空耳かと思ったが、窓のカーテン越しに強烈な光が差し込んでいた。
再び「カーテンを開けなさい」とはっきりと声が聞こえた。

カーテンを開けて外を見ると、東の空から奇妙な光体が近づいて来て、離れの上空を一度旋回し、向かいの山の大きな岩の上に音もなく着陸した。着陸脚のようなものは出さなかった。
光体は直径が10mから20m程度はあろうかという円形をしており、噂に聞く空飛ぶ円盤と感じた。上空には他に3つ、星よりもだいぶ大きい光体が見えた。

当夜は満月が明るく輝き、遠くまでよく見通せた。
翌朝調べたところ、着陸した円盤までは300〜500m近くあったが、その時の北野氏には100mくらいの近距離に感じられたという。

そのうちに上部のドアが開き、こげ茶色の長いガウンのようなものを着た人物が現れた。北野氏はこれを宇宙人らしいと思った。
  • 外見や歩き方は普通の成人男子と変わりない
  • 日本人のようだったか、白人のようだったかは遠くてわからない
  • 髪の毛は黒くなかったように思われる
円盤の中にはまだ4、5人の人影が歩いているのが見えた。

宇宙語を書き写す

北野氏は恐怖感はなかったものの、最初は体に電気が通ったように痺れていたが、話をしているうちにその感覚はなくなっていった。
ガウンを着た宇宙人は、はっきりした日本語でしゃべった。決して流暢ではないが男の声でも女の声でもないやさしい声で、肉声ではないような部分も感じられた。
これから話す事をノートを出して書き留めるよう言った。その声は100mよりもさらに間近から、まるで電話で話しているように聞こえた。

宇宙人は意味不明の言葉を話し始め、北野氏は取り出した200字詰め原稿用紙19枚に3571文字を書き取った。宇宙人は終始やさしく丁寧な口調で、聞き取れないところは2度繰り返してくれた。
途中、「どんな意味かわかりません」と尋ねると、宇宙人は「今はわからなくてもいずれ解読する者が出てくる」と話した。

以下がその時書き留められた宇宙語である。(UFOと宇宙誌より)





ググジャラーの宇宙語はレコードとしても発売された。3分43秒〜
これは宇宙人自身の声ではないだろう。

宇宙人は再び日本語に戻り、北野氏のことを「友」と呼んで、いろいろなことを語った。
  • 宇宙人は我々だけでなく、どこの星にもいる
  • これから円盤の現れる数が多くなる
  • 原子爆弾を爆発させても、宇宙の持つものすごい力でそんなものを吸収するのはわけないので地球は変わらないが、人間が地球を破壊する恐れがある
  • 地の底の資源は無限じゃない(北野氏によると、地下資源を使い続けていても公害の心配はないが、地球は風船玉のようになるという意味だという)
  • 地球は無限ではない
  • 太陽は熱ではない。太陽は膨張したり収縮したり呼吸をする。地球も生きているので、一年に一回呼吸する
  • 飛行機に追跡されても、燃料のいらない宇宙の波に乗るので追いつかれる心配はない
  • 世界中の言葉は、ドイツ語でもフランス語でも英語でもなんでもわかる

「火星人ですか、木星人ですか?」などと尋ねても宇宙人は返事をせず、「仏ですか、神様ですか」と尋ねると、「仏でも神でもない。宇宙人です」と答えた。

  • 太陽系の他の惑星にも人が住んでおり、地球の科学者が考えるような殺風景ではない
  • 太陽系には地球人の知らない惑星がもう2個ある。11個ないと自動調整ができない
  • 自分達の寿命は無限だが、死ぬことはある
  • あなた方も長生きしたいなら、煮たものを食べさえしなければどうにでもなる。美食したりすると命が短くなる

宇宙人の予言

宇宙人は未来予知ができるようで、北野氏にいくつかの予言を聞かせた。
  • 友は近いうちに救急車に乗るぞ! ただし、命に別状はない
    • 北野氏が九州で藤原弘達氏(政治評論家)と講演後、魚の骨がノドに刺さり腫れたために救急車を呼ばれた
  • 友の一番親しい人が亡くなる
    • コンタクトした2ヶ月後に親しい友人が急に亡くなった
  • バングラデシュのラーマン大統領が殺される
    • 翌月の8月15日にクーデターで殺害された
    • 北野氏は事前に周囲の人に話しておいたので、みんなで「当たった当たった」と驚いたという
他にも、このラーマン大統領の件を含む3つの大きな予言をしていったが、北野氏は現実になるまで発表しないつもりだという。

地球終末論

宇宙人達が地球に来た目的は、人類救済のためだという。
「今後地球の地軸はだんだん傾きを増し、それとともに大変動が起こり、海底が隆起したり、今の世界地図をまったく描き変えることになる。
日本列島も、太平洋側を走る外側地震帯が四国と九州の間(豊後水道)を通って日本海まで突き抜け、大きく盛り上がり、『西に高く、東に低く沈む』。
これらによって多くの人命が失われるが、人類が全滅することにはならない」
これはすぐの事ではなく、もう少し後に起こるという。

宇宙人飛び去る

夢中になって話しているうちに1時間半が過ぎ、時計は2時半になっていた。
宇宙人は「友よ、さようなら。また会いましょう」と言って円盤に乗り、来た時と同じコースで飛び去った。

コンタクトを続ける北野氏

北野氏はこれ以後、何度か宇宙人に会い、宇宙語を教えてもらう。宇宙語の母音は50個もあるが、難しさは英語を覚えるのとそう変わりないという。

これまでに会った5〜6人の宇宙人から名前を聞いたが、宇宙人から「人に言うな」と言われているので公表できないという。

宇宙語のテープ


これが録音された宇宙人の声だというが…? 44秒〜
ベリベリベリベリ…などと言っている。

1978年1月のある夜、法要のために伊豆のホテルに宿泊していた北野氏が1階の部屋の窓から外を眺めると、車のライトのような光が近づいてきて、気がつくと窓の外に人影があった。それが以前に会った宇宙人だと気づき、部屋の中に招き入れた。
宇宙人が「これから重大なことを教えてあげるからテープに入れなさい」と言うので、北野氏は自分のテープレコーダーに録音した。
宇宙人は奇妙な言葉をひととおりしゃべると、「友よ、さようなら」と言って手を振りながら去って行った。

ググジャラーの内容

あの夜書き写したググジャラーから始まる宇宙語の翻訳も始めたが、宇宙人を通じて弟子にした2人のうちの1人、下関に住む35〜6歳の女性が宇宙語を完璧に解読できる人物だという。
しかし北野氏は「宇宙人の許可が出るまで明らかにすることはできない」と公表を控えている。弟子の中には、口をすべらせて死んでしまった方までいるという。
それでも「UFOと宇宙」誌の記者が食い下がって聴きだすと、
「今年(1978年)は世界中が荒れます。戦争は、いやあ、あるなあ、あるかもわかりませんよ。地震もありますねえ。人命にそうとう大きく関わる。少しずつ兆候が表れてるものねえ。大干ばつと長雨じゃないかと思うんです。全部人工的ですよ」

北野氏は「UFOや宇宙人の話をするのは今の世の中では冒険だけれど、これは人類救済のための一つの改革です。『地球は丸い』と言ったガリレオのように、私は声を大にして言い続けます。“宇宙人は実在する!”と」と述べている。

北野僧正が自称する経歴

20代でアメリカに8年間学び、大学医学部を卒業。
アメリカの「ドクターサイエンスの会」の終身会員。
慶應大学の助教授の席を用意されて帰国するが、恩師の福来友吉博士(日本の超能力研究の先駆者)の勧めでチベットに行く。
チベットの山奥でラバニナール・グレンダという年齢400歳行者のもと、4年間仏教ヨガ(密教とも?)の修行をし、テレパシー、透視などの超能力を身につける。
古来ヨガの修行僧がつける宝石を額に埋め込んだ。
ヒマラヤの、ララザンという宇宙人が降りてくる場所で宇宙人に会い、「地球の人間は悪い人間だ。地球人の中にも地球人の姿をした宇宙人がいる」などと言われた。
「真言宗諸派連合卍教団法王」「真言宗金剛院派管長」などの肩書きを持ち、全国に信者が5〜600万人いる日本仏教界の権威。

現場周辺地図


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深山荘はどこだかわからなかった。今もあるんだろうか?

考察

北野大僧正という名前は、筆者が子供の頃に時々聞き及んだ名前だ(当然UFO関係のテレビとかで)。
宇宙語の音声はレコードになったりもしている。なぜかエアコン(三菱の霧ヶ峰)の販促の品として配られたり。今なら考えられないが、そういう時代だったのだ。

ちゃんとした宗教家?

宗教関係は疎いので恐縮であまり正確なことは書けないが、ネットで調べた限り、真言宗諸派連合卍教団も真言宗金剛院派というのも正統な真言宗ではなく、「真言を唱えて霊障を払います」といった土俗的な祈祷師業の系統が、権威づけのために勝手に真言宗を名乗っているものだという。
当然、日本仏教界の権威で信者5〜600万人というのも大いに怪しむべきであろう。

そもそも、修行したのが400歳(!)の行者のもとという時点で、正常な人は疑いの目を向けなければいけない。さらには各種超能力を身につけただの、一言で言ってインチキである。

アダムスキー系コンタクティーのにおい

この件が明るみになったのは、事件半年ほど後の1976年2月発行の「UFOと宇宙」誌第16号(ユニバース出版社)の記事だと思われる。
これは同誌の久保田八郎社長(アダムスキー信奉者で、宇宙友好協会(CBA)、日本GAPジーエーピーを設立)と北野氏の共通の友人である九州大学名誉教授・塩谷勉農学博士から寄せられた情報という。

太陽系の他の惑星にも宇宙人がいる、太陽が熱くないなどというのは、アダムスキーなどインチキコンタクティ達が言っていたことだ。
しかし当たり前のことだが太陽は熱いし、太陽系の惑星には生物は見つかっていないのは周知の科学的事実だ。

未知の惑星があと2個あって全部で11個…というのは、冥王星を惑星に数えているわけだが、現在は冥王星クラスの比較的小天体が数多く見つかったことから惑星の定義から外され、準惑星という定義になっている。
せめて「冥王星クラスの天体が他にも多く存在する」程度のことを言っていれば当時未知だった事実として信憑性があったのに。

また細かいことだがガリレオは「地球は丸い」とは言ってない。言ったとされるのは「それでも地球は動いている」である。(世界UFO大百科では直されているが)
余談になるが、このガリレオの言葉も本当に言ったかどうかもわかっていない。

終末論

地軸が傾いて大災害が起こるという話も、日本では1950年代後半からCBAが吹聴して問題になった終末論だ。
長い単位で見るとたしかに地軸の傾きは変化するが、たとえば天王星のように横倒しになるようなことは、少なくとも数千、数万年単位ではまずありえない。
原爆の話や地下資源枯渇問題も、東西冷戦やオイルショックなどを経験した当時は簡単に思いつく脅威だった。地軸の傾きじゃなく、せめて地球温暖化がどうこう言っていれば今になって「当たっていた!」ということにもなったかもしれないが。宇宙人もコンタクティーも、そんな近い未来を見通す目もないらしい。インチキだからだ。

予言は当たった?

当たったという預言については、当時すでに80歳だったのだから、些細なことで救急車を呼ばれたり、年齢の近い友人が亡くなったとしてもおかしくはない。
バングラデシュのラーマン(ラジブル・ラフマン)大統領が殺害されるという予言も、自分と仲間内だけで「予言していた」と言ってもそうそう信用できるものではない。数多く予言をしておき、たまたま当たったものだけ吹聴して百発百中のように思わせるというのも「予言者」達のやり方だ。

ググジャラーの予言の意味をうっかりしゃべって死んでしまった弟子ってなんだろう? もし宇宙人や北野氏が罰として殺害したのなら、殺人罪である。病気や事故で亡くなったとしても、因果関係が証明されなければ単なる「〇〇の呪い」などの類と一緒だ。

相変わらず表に出てこない宇宙人

人類の存亡を賭けた大切なメッセージを、理解できない言葉で伝える宇宙人。
テープに声を録音させるが、名前を公表させず(顔も知らない宇宙人の名前を隠すことになんの意味があるだろうか)、顔も出そうとしない宇宙人。
宇宙人の許可がないと公表できないなどというのも、単なる誤魔化しに過ぎないことは明らかだ。
北野氏の経歴や肩書きの疑わしさ、陳腐な終末論、何度も会っているのに物的証拠がないなど、信用できる要素がない。
新興宗教家が商売の箔付けに、コンタクトストーリーをでっち上げたのだろう。

参考資料

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