情報ソース:
arXvi、
ハフィントンポスト、
AFP BB NEWS
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ローブ教授らの論文(部分)
arXivより |
昨年10月、史上初めて観測された恒星間天体(太陽系外、別の恒星系からやってきた天体)と思われるオウムアムアについて、ハーバード大学のエイブラハム・ローブ教授らは「異星人が作った探査機のライトセイル(ソーラーセイル)だったかもしれない」という
論文を寄せた。
論文は10月26日に論文投稿サイトarXivに掲載されたもの。最終的には12日の英学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に掲載されるという。
オウムアムアは実は別の恒星系からはじき出された彗星だったという結論が出たと思ったのだが、その後やはり彗星にしては太陽に接近してもガスを放出しなかったなどとして、改めてその正体についての疑義が挟まれている。
「観測された加速が彗星活動の結果である可能性が最も高いと結論づけたが、オウムアムアは彗星活動の兆候もなく、尾もガスの放出も観測されていない」
「人工的な起源を考えると、高度なテクノロジーで作られたライトセイルというのが一つの可能性だ」
「より風変わりなシナリオとしては、異星人が意図的に地球付近に向けた探査機だったのかもしれない」
ライトセイル(ソーラーセイル)とは太陽から発せられる光や微量のイオンなどを大きな帆に受けて推進力とする宇宙船で、日本の宇宙機関JAXAのIKAROSによって実証に成功している。
論文に対しては他の学者達から「ほとんどの研究者は地球外生命体が存在するという説得力のある証拠があって欲しいが、これは違う。不確実性の大きい数字に基づいているものがある」といった反論も出ている。
——ローブ教授らも可能性の一つとして考えているだけで断定しているわけではないようだが、こうした説が出てくる背景には科学者が一概に地球外知的文明を否定したがっているわけではないことがうかがえる。
科学者も本当は地球外知的生命体に存在して欲しいのだが、その証拠がないから今までのいわゆるUFO/宇宙人事件は否定せざるを得なかったというわけだ。
肯定的な説に対しても、他の研究者達が厳しい目で精査を加えているのも科学的な態度だ。
オウムアムアに限らず、いつか多くの科学者をうならせる証拠が見つかることを期待したい。