1本目の映像:通称GIMBAL(ジンバル)
2015年1月撮影
米国防総省(ペンタゴン)は27日、これまで流出という形でアメリカのニューヨーク・タイムズなどが公開していた海軍パイロット撮影のUFO映像3本を正式に公開した。映像は1本が2004年11月、2本が2015年1月に撮影されたもの。
米海軍ではすでに昨年2019年9月の段階で、この映像が(実際に海軍で撮影されたという意味の)本物であると認めていたが、今回正式公開した理由について国防総省報道官は「映像が本物かどうか、また他に何か隠しているのではないかといった誤解を解くため」と説明した。映っている物体はいまだ「未確認」だという。
米海軍では、本来の意味と違って一般的に宇宙人の乗り物(エイリアン・クラフト)のことを指すと勘違いされるUFO(未確認飛行物体)という呼び方をやめ、本件以降UAP(未確認航空現象)と呼ぶことにしている。
国防総省では2007年から2012年にかけて「先進航空宇宙脅威識別計画」というUFO目撃情報を調査するプログラムを実施していた。
FBI(連邦捜査局)も過去にUFOの目撃情報を調べていたが、地球外の物体が特定されたことはない。
日本での報道は「UFO映像を公開」といったものだが、たとえば米CBS Newsでは米海軍、国防総省の呼称に従い「未確認航空現象の映像を正式公開」となっている。
CNNもタイトルこそ「UFO映像を正式公開」になっているが、記事中では「未確認航空現象の3つの映像を正式公開」とし、UFOという呼称も使い分けている。
2本目の映像:通称FLIR1
2004年11月撮影
3本目の映像:通称GO FAST
2015年1月撮影
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日本でも河野防衛大臣が「遭遇時の手順を定めたい」
河野太郎防衛大臣は、28日午前の記者会見で本件に関連し、自衛隊がUFOに遭遇した時に備え、「(対応の)手順をしっかり定めたい」と述べた。
河野大臣は「正直に言うと、私はあまりUFOを信じてはいない」とし、アメリカの映像公開については「米国から真意や分析を聞きたい」とした。
自衛隊機のパイロットによるUFO遭遇も「ないと聞いている」とし、万が一の遭遇時の映像撮影や報告の手順について「遭遇があった時に映像が撮れるなら撮るし、報告があるならする。どのようにするかは航空自衛隊などとも相談してもらいたい」と述べた。
これまでの日本政府のUFO認識に対する回答
2018年には米国防総省のUFO調査プログラムの報道を受けて、立憲民主党の逢坂誠二衆議院議員が日本政府の認識を問う質問をしたが、政府は「存在を確認したことはなく、特段の検討を行なっていない」と回答した。
2015年には政党「日本を元気にする会」のアントニオ猪木参議院議員が、日本政府として情報があるかなど質問をし、中谷元防衛大臣が「地球外からの未確認飛行物体の発見は承知していない」と述べた。
2007年には民主党の山根隆治参議院議員が、日本政府の認識と情報収集の有無などを質問し、福田康夫首相が「地球外から飛来してきたと思われる未確認飛行物体の存在を確認しておらず、特段の検討を行なっていない」と回答した。
また、石破茂防衛大臣や町村信孝官房長官が、かなり楽しげに会見をしていたのが印象的だった(笑)
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