パプア事件(ジル神父事件)

1959年6月26〜27日/パプアニューギニア(当時オーストラリア領)/ボイアナイ村(ボアイナイという資料もあるがボイアナイで統一する)
Boianai, Papua New Guinea

概要

プロジェクトブルーブックより
UFOの目撃が多発する中、キリスト教の神父達がUFOの搭乗者と手を振って交歓した、非常に信ぴょう性の高い事件。

詳細

6月21日の目撃

スティーブン・ジル・モイ
AUFORN.comより
6月21日にパプア人牧師スティーブン・ジル・モイ(Stephen Moi/注:いわゆるジル神父とは別人)が、コーヒー皿を裏返したような飛行物体を、伝導本部近くの自宅から目撃した。
【参考】ボイアナイの教会(1921年頃)
オーストラリア国立図書館より
【参考】ボイアナイの教会(1921年頃)
オーストラリア国立図書館より

6月26日の目撃

26日には同じ場所に数機のUFOが現れ、4時間に渡って目撃され続けた。目撃者は38人にのぼる。
若かりし頃のジル神父
何歳の写真かはわからないが、事件当時31歳前後なので、このような容姿だっただろう。
AUFORN.comより
後年、インタビューに答えるウィリアム・ブース・ジル神父
YouTubeより
午後6時45分頃、ニューギニア島パプア地区ボイアナイ全聖者伝導本部長の白人宣教師ウィリアム・ブース・ジル神父(1928〜2007/ネイティブな発音では「ギル」のようだが、日本での慣例に従い、本稿では「ジル」と表記する)が家の角を曲がろうとすると、西の空、約45度の高さに、巨大な発光体があることに気がついた。
(ジル神父はオーストラリアのブリスベーン大学出身で、写真のとおり、誠実な面持ちの紳士だ。)
神父はその時は、それを空飛ぶ円盤などとは思わなかった。
ジル神父は助手のエリック・コダワラを呼び、「上に何が見えるかね?」と尋ね、彼は「光るものがいるようですね」と答えた。
ジル神父はエリックに「じゃあ、スティーブン・モイ先生の所に行って、すぐ来るように言いなさい。」と伝えた。

エリックはモイを呼びに行きながらありったけの人を呼び集め、みんなでUFOの様子を見続けた。
その後、ジル神父達は遊び場へ行き、そこでも目撃を続けた。
ジル神父はノートと鉛筆を持って来て記録を始めた。
「もしこの世に不思議があるのなら、今こそそれが起こっている。でもきっと、明日目が覚めたら、あれは夢だった、本当は何も見ていなかったのだ、と思うだろう。でも、その場で書き留めておきさえすれば、少なくとも夢を見ていたのではないとわかるでしょう。」
(雅注:スティーブンとエリックのどちらが先に来たかについては、このジル神父の証言と、ノートの記録との間に矛盾がある。おそらく勘違いで、ノートの方が正しいのだろう。)

以下、ジル神父のノートの記録を基にした、時系列にそった目撃報告。


この日の事件については、同じ時刻に対岸のギワの沖合いでも、貿易商アーネスト・イーブットが、飛んで来ては静止し、さらに彼方へ飛んで行った緑色の光体を目撃している。

当時の星空
星図ソフトで事件当夜(7時)の西の空を再現してみた。
金星、火星が出ているが、ともに9時には沈んでしまう。
木星も天頂付近に昇っている。

6月27日の目撃

UFO出現をジル神父に知らせたパプア人のアニー・ボレワ(右)とデイジー・コラウナ
翌27日午後6時頃、ジル神父達が歩いていると、病院の看護婦の一人、パプア人看護婦アニー・ローリー・ボレワ(写真右)が大きなUFOに気付き、ジル神父に知らせた。
UFOは、今まで見たうちで一番近い300〜500フィート(約90〜150m)くらいの所に降りてきた。
大型のUFOと、その近くに2機の小型UFOが見えた。
あたりまだ暗くはなく、UFOも明るく輝いていたが、すぐ近くで、非常にはっきりとその姿を見ることができた。
そして例の人影がまたもや上部の、ジル神父言うところの甲板(デッキ)に出てきた。
一緒にいた先生「遊び場に着陸するつもりだろうか?」
ジル神父「もちろん、そうでしょう」
(雅注:この先生というのが誰のことを指すのかは不詳。スティーブン牧師か、証言テープ録音時に同席した同僚のフレッド・ベックマンと思われる。)

ジル神父達が「こんばんは」というように手を振ると、驚いたことに、手すりにもたれて下を見下ろしていた一人が手を振り返してきた。助手のエリックが、もう一人の若者と一緒に両手を振ると、今度は4人全員が手を振り返した。
ジル神父が描いたUFOのイラスト
証言に基づいてノーマン・クラットウェル神父が描いたスケッチ
こうした交歓が何分か続いた後、青いスポットライトが数秒間、2度に渡って点灯されると、UFOは3機とも姿を消した。

その晩10時40分、ベッドで休んでいたジル神父はドーンという物凄い爆発音を聞いた。ジル神父と本部の職員達はすぐさま外に飛び出したが、何も見当たらなかった。

この後も、6月〜8月にグッドイナフ湾岸各地から目撃情報が相次いだ。その数は60件にものぼった。

なお、26日か27日かは資料がないので定かでないが、UFOの目撃中に食事に行った人もいたようだ。
笑い話のようでもあるが、これだけ長時間に渡って出現していれば、その間に食事やトイレ、その他の仕事をすることは当然やむを得ないことだろう。
一生の間にまたとない出来事の最中であるが、それを全員で観察し続けなければいけないわけでもないのだから。

ジル神父の手紙

ジル神父が事件について、隣の教区の友人に宛てて書いた手紙を、以下に一部引用する。
最初の手紙は、26日の4時間に渡る目撃の後書かれたのだろう。手紙を出したのは27日と思われる。
親愛なるデイウィッド。
私は今や来訪説をほとんど確信している。これらの“物体”が存在することを疑わない(実際、疑うことができない。この目で見たのだから)が、それでも私の素朴な心は、外宇宙からの訪問説を受け入れる前に、科学的説明を要求している。
私としてはむしろ、UFOの多くは何らかの形の電気現象であり、「もしかしたら原爆の爆発などが生み出したものだと信じたい気がするが…難しすぎて私には理解できない。
疑り深きウィリアムより
次の手紙はおそらく27日の昼間に書いて出されたと思われる。
前の手紙を出してから昨晩のことを回想し、疑いが確信に変わったのだろう。

親愛なるデイヴィッド。
昨日、私は君に手紙を書き…UFOについて意見を開陳した。24時間とたたぬ今、私はちょっと見解を変えた。昨晩、ボイアナイの私達は、約4時間のUFO活動をじかに体験したのだ。UFOがある種の生物によって動かされているということは、もはや疑う余地がない。時折、思わず息をのむような場面があった。
ここに報告がある。どうか、それを回し読みしてくれたまえ。でも、慎重の上にも慎重を期して…
確信を抱いたウィリアムより

ジル神父のインタビュー動画

現場周辺地図


より大きな地図で UFO事件マップ を表示
おおよその現場の地図であって、正確な地図ではない。
The Big Studyより
アップルの地図上に、上記地図にある地名を付けてみた
位置は正確じゃないかもしれない
ここが現在のボイアナイと思われる
また、ここに現在のパプア・ニューギニアのより詳しい地名入り地図があった。
ボイアナイは地名というよりボイアナイ・ミッション(教会)として見つかった。

ノーマン・クラットウェル神父の調査

一連の目撃を調査したクラットウェル神父
現地に赴任していたイギリス人宣教師で、ジル神父とも旧知の仲のノーマン・クラットウェル(Norman Cruttwell)が一連のUFO騒動に関して調査し、「パプア島の円盤騒動」という本を出版している。
1958年11月30日に点滅する光体が飛行するのを目撃したことを、イギリスのUFO情報誌フライング・ソーサー・レビュー(FSR)に投稿したことをきっかけに、同誌の地方観測員兼国際UFO観測団体(具体的名称は資料になかった)のニューギニア調査員になることを頼まれ、引き受ける。
ジル神父の目撃時には出張中で、一緒に目撃することはできなかったものの、現地での1953年からの目撃についてまでさかのぼって調査をしている。

否定派ドナルド・メンゼルの意見

ハーバード大学の天文学者にして、“UFO最大の敵”を自称する強硬なUFO否定論者のドナルド・メンゼル博士は、著書「パプアの神父事件の分析」の中で、ジル神父がそのとき眼鏡をかけていなかったという仮説のもとに、事件全体を金星の誤認としている。
しかしUFOが時々空一面の雲の下で目撃されている上、金星はジル神父によって別に指摘されている。さらにジル神父はその時、正しく調整された眼鏡をかけていた。

腑に落ちない宇宙人の行動

ジル神父の人間的信用性、目撃者の数などから、信憑性の高い事件とされている。しかしなぜ友好的に手を振り返してきたであろうか。手すりにもたれて見下ろしていたというのはなんとも人間臭い動作に映る。
もし米ソなどの秘密兵器だったとしたら、4時間にもわたり人前に姿を現し、なおかつ手を振って応えるのは腑に落ちないように思う。
アメリカ空軍は、「光体のうち3個は木星、土星、火星であると考えられる」とし、それが飛行しているように見えたのも、光の屈折と熱帯特有の気象現象のせいであるという調査結果を発表した。しかし母船とその乗員については何も触れていなかった。
残念なのは最高4時間も飛び回っていたのに1枚も写真が撮られていないことだ。カメラを持っていなかったのだろうか。

プロジェクトブルーブックの報告

米空軍のUFO研究組織、プロジェクトブルーブックにも報告がまとめられている。
推測される結論としては「天体の誤認」になっているが、ジル神父の時系列に沿った目撃報告やイラストも掲載されている。
それほど多くないので(18ページ)、いずれ全訳を試みたい。

参考資料

0 件のコメント:

コメントを投稿