YouTubeより |
9月12日、メキシコ議会でUFOに関する公聴会が初めて開かれ、UFO研究家のハイメ・マウサン(Jaime Maussan)が宇宙人のミイラだとされる2体の物体を披露した。
公聴会の模様
YouTubeのMaussan TV
UFO研究家ハイメ・マウサン YouTubeより |
小さいが手足が非常に長いそのミイラは2017年にペルーにある珪藻の採集所で発見され、マウサンによると約千年前のもので「地球上のいかなる生命体とも異なるのは明らかだ」「我々は(宇宙で)孤独ではない」という。またメキシコ国立自治大学の研究チームが調べでは、片方の内部に「卵」が見つかったという。
現場では「非人類のミイラ」ということで宇宙人とは呼んでいなかったということだが、UAP/UFOに関する公聴会の席上に発表し、そうしたことを言っているのだから、宇宙人のミイラ扱いしていることは想像に難くあるまい。
マウサンは日本では「中南米の矢追さん」などとも噂される、なんでもかんでもUFOと宇宙人扱いして商売していると悪名高い人物。
- 2015年にペルーで発見されたという宇宙人の遺体を発表したが、人間の子供のミイラだと暴かれた
- 2017年、ペルーのナスカで発見されたとされる3本指のミイラを発表
- 注:2015年発見のものと同一なのかは今回調べきれなかった
- 同2017年、博物館のミイラの写真をロズウェル事件の宇宙人の遺体だと発表した
ミイラのスキャン映像を説明するホセ・ベニートス氏 YouTubeより |
今回の公聴会で、メキシコ海軍医療科学研究所所長のホセ・デ・ヘスース・ザルス・ベニートス氏は、ミイラのスキャン画像を見せながら「歯がなく、格納可能な首と大きな脳、大きな目があり、広い立体視覚を持っている」と主張したが、前述の正体が暴かれたミイラを発表した研究チームのリーダーでもあった。
この公聴会、先だっての米国議会の公聴会にも出席したライアン・グレイブス(Ryan Graves)氏のほか、日本からは日本維新の会の浅川義治衆院議員がなぜか登壇している。
浅川議員は国会でUFOについての質疑をたびたび行なっているが、本人はUFOをエイリアン・クラフトとは決め付けていないようではある。しかしマウサンの茶番に付き合うようでは信頼を損ねることになろう。
ハーバード大学のUFOビリーバーであるアヴィ・ローブ教授もオンラインで参加したようで映像が流されていた。
公聴会開催と浅川議員出席の経緯
情報ソース:ABEMA NEWSチャンネルの番組
ABEMA NEWSより |
なお9月22日のABEMA NEWSチャンネルの番組に出演した浅川議員によると、出席に際しては以下のような経緯があったという。
3月にメキシコ下院議会で制定された、メキシコ上空の安全を守る法律の中にUAPが規定されておらず、UAPを入れ込む改正をするにあたり、UAPに詳しい人を世界から集めて公聴会が開かれたもの。昨年からマウサンの取材を受けてメキシコのテレビ番組にも出演したこともあり、日本の議員で唯一UAPのことを取り上げているので、出席を依頼された。下院の副議長からの正式の招待である。
公聴会の様子はYouTubeなどで全編見ることができるが、途中浅川議員の演説箇所以外は全編外国語でYouTubeの翻訳機能も使えなかった。映像から内容を推し量るしかないが、ハイメ・マウサン主導で宇宙人ミイラはもちろんのこと、とっくに正体がわかっているUFO映像などを出してきていることから、まともなものとは思えない。
浅川議員の演説内容自体は同時通訳音声と混じって聞きづらくはあったが、国会での質疑同様に安全保障上の問題を主眼に置いたものであったようだ。宇宙人ミイラに関しても事前に聞かされておらず、発表された時は「なに、こんなの出てきちゃったの?!」と驚き、ライアン・グレイブス氏も同様の反応だったという。メキシコの議会に呼ばれて行ってみたら「ビートたけしの超常現象㊙︎Xファイル」の収録も兼ねていたような感じだろうか。いいようにマウサンの商売に利用されてしまった感は否めない。今後は気をつけた方がいい。
ところで浅川議員、公聴会でもABEMAの番組中でも、ハイメ・マウサンを「ハメイ」とずっと間違えて呼んでいたのが気になった。
ミイラの正体はラマ?
発表後すぐ海外の懐疑論者たちが検証を始めた。その結果、動物のラマの頭蓋骨の一部をカットし、前後逆にしたものではないかという結論に至ったようだ。
— Dra. Ana María (@DraAnaMariaLTH) September 14, 2023
ペルー文化大臣が刑事告訴?
情報ソース:東スポWEB
マウサンによるとミイラは2017年にペルーの鉱山から発掘されたというが、ペルーのレスリー・ウルテアガ文化大臣は「古代アンデス文明のミイラをペルーから持ち出した人々に対し、文化省は刑事告訴している」と述べた。
また「ペルーの科学機関はミイラを『非人間的存在』とする見解は示していない」とも。
——この件は日本の民放のニュース、ワイドショーなどでも少し取り上げられた。
アメリカでのUFO/UAP調査はギリギリ防衛と安全のお題目が立つが、マウサンらのこれは完全な茶番だ。言うなればUFO情報に詳しいからと矢追さんを国会の防衛に関する公聴会に呼んでしまったようなものだ。
アメリカのUAP公聴会で一部のビリーバー達が「政府がUFOを隠している!」などと言ったのを真に受けて、「我が国(メキシコ)でも宇宙人からの防衛のために…」などとマジになってしまったんだろうか?
一連の「宇宙人ミイラ」の発見は2015年とか2017年とか少々錯綜しているのだが、最低でも5年たっているのだから小出しにせずにいっぺんに公開してしまえばいいのに。宇宙人に見せるための加工が遅れてるのかな?(笑)
日本でも昔から河童のミイラとかあるけど、きちんと調べてみると全部動物や魚の体をくっつけたような作り物だったわけだが、これもそういった類いのものではないか。
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