2018年1月11日木曜日

ワンナル氏のUFO写真

1956年3月5日/アメリカ/ハワイ州ホノルル
Honolulu, Hawaii, USA

概要

撮影されたUFOと光跡
ハワイで軍人のワンナル氏が、急旋回するUFOを撮影!?

詳細

急旋回したUFO

撮影者ウィラード・ワンナル氏
1956年3月5日夜8時45分頃、ハワイ配属の米陸軍二等曹長、ウィラード・レイトン・ワンナル(Willard Layton Wannall/34)が妻のヘレン(Helen)を乗せ、ホノルルの10番街を南に車で走っている時、3つの大きな灯りがカイムキ(Kaimuki)地区上空を編隊飛行しているのに気付いた。

その夜、空は晴れていたという。
およそ1分ほどその様子を眺めた後、ワンナル氏はキヤノンの35mmカメラでそれを撮影した。(Anscochromeカラーフィルム、ASA感度32、シャッタースピード1/8秒、絞り1.8)
UFOは撮影した瞬間に急旋回したため、写真にはその光跡が写ることとなった。
撮影後、UFOが飛び去ったのかどうなったのかは書かれていない。

ソースサイトには「第4の物体は撮影者には見えなかった」とある。これはおそらく右側の大きな光点のことだと思われる。
ワンナル氏、精神世界に目覚める!?

スピリチュアルに目覚める

彼は著書の中で、「UFOを見た後、その年の12月に人生が変わった」と書いているという。
彼は「オーラを読んで、物質世界を超越した身軽な旅をする能力に目覚めた」とも述べている。
一時、ワンナル氏はUFOなどの怪事件についてのラジオ番組のホストを毎週務めたこともあった。
ワンナル氏はハワイが他よりもUFO目撃例が多いため、兵役後もハワイに残ることを選んだという。

ワンナル氏は1921年8月28日生まれ、2000年1月17日没。
ワンナル氏の名前をウィリアム/Williamとして載せている資料も多いようだが、ワンナル家の公式サイトでウィラードであるとされているので、そちらを正しい情報とした。

現場周辺地図

より大きな地図でUFO事件マップを表示
詳細な撮影位置がわからないため、だいたいの位置です。

考察

写真を見ると、左に3つの光体の軌跡、右に動かない光点が写っている。
実際の撮影現場はどこなのだろう。昼間に行って同じ場所どうやって撮影したのか確認はしていないんだろうか。
写真は横長にトリミングされているようだ。
オリジナルではもっと上下左右に画角が広がっているんじゃないだろうか。たとえ真っ黒であったとしても、ぜひ全体を見てみたい。
もちろんオリジナルのネガを前後に撮影したものも含めてだ。
カメラは絞りが1.8と極めて明るいので、ズームレンズなどでない単焦点のレンズだろう。

以下、シャッタースピードが1/8秒(0.125秒)という証言を信じた前提で考察してみる。
1/8秒というシャッタースピードは三脚などを使わない場合、手ぶれするかしないかギリギリくらいだ。
つまり0.125秒の間に何かが動いたか、手ぶれをした(もしくはその両方)はずだ。
手ぶれの可能性は以下の点から否定できそうだ。
  • 光跡は長さがそれぞれ大きく違うし、動きも微妙に違っている
  • 光跡の一本が破線になっている
  • 動いていない光点が右側に写っている
カメラは低感度のフィルム+絞り1.8の明るいレンズという組み合わせ。1/8秒というややスローシャッターではあるが、夜間であればかなり暗く写るはずだ。
そんな撮影条件で、3機のUFOは輪郭がはっきりしないくらい明るく写っている。これはかなりの明るさの物体のはずだ。
その上、1機は1/8秒の間に10個以上もの破線に写るようなはっきりとした点滅をして飛んだことになる。
他の目撃者はいなかったのだろうか。

UFOはどの方向に動いたのだろうか?
ワンナル氏の証言が書かれていないので断定はできないが、明るく太く写っている所から左下に弧を描いて急旋回し、最後は右上に飛び去ったように思える。
つまり最初は静止していたのだが、シャッターが開いてほんのちょっとの間は静止していたのだが、その後急速に動いたというわけだ。
同じ太さの光跡が写りそうだが、そうなっていないのはなぜだろうか?

懐疑的考察

今度は1/8秒と絞り1.8で撮影したというのがウソだったという前提で懐疑的に推測してみる。
レンズの絞りを絞って、もう少し長い時間(数秒程度)撮影したのではないかというわけだ。
そうするとだいぶ見方も変わってくる。
つまりはこういうことだ。
  • カメラを三脚もしくは何かの上に置いて固定撮影
  • 指でシャッターを押した際に少し手ぶれしたのが太い光に写った
  • 左の3つの光体は移動したが、右の光体は動かなかったので光が太く写り、手ぶれがわからなくなった
点滅しているように見える光跡は、手前に木や柱などの遮蔽物があったために点滅しているように写ったのではないか? もしくは蛍光灯のように人間が気づかない程度に細かく点滅しているのが写ったのかもしれない。
カメラ側の手ぶれでないなら、物体の動きによってそれぞれの光跡が一致しなくなってもおかしくはない。

写真を回転してみる

そもそも、この写真の縦横は本当にこれで合っているんだろうか? 逆さにしてみたら何かわからないだろうか。
回転させ、余白を塗りつぶしてみたもの
ということで回転させてみたが、これカーブをこちらに曲がってくる車のライトの光跡じゃないのか? 左側の灯りは街灯か何かで。点滅して破線になっている光跡は右に曲がるためのウインカーかもしれない。(前述のように蛍光灯のようなまたたきの可能性もある)
左右でライトの数が違うのは、整備不良で消えていたのかもしれない?
つまり故意か偶然かはわからないが、スローシャッターで車の光跡などを撮っていたらUFOのように見える写真が撮れたため、事件をでっち上げたのではないかというわけだ。

ワンナル氏は、一分程度の目撃とたった一枚の写真でその後に精神世界(今風にいうとスピリチュアル)に目覚めてしまったようなので、元々こういうものが好きだったのではないだろうか。(目撃からずいぶんたった12月に人生が変わったというのは、何があったかわからないが)
世の中には、自分で明らかな捏造UFO写真を撮っておきながら「これは本物のUFOだ」と信じる人もいる。もしかしたらワンナル氏も確信犯的ビリーバーだったのかもしれない。

参考資料

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