2018年1月19日金曜日

星座

星座に関する基礎知識

星座と星座絵
ステラナビゲーターより

星座は見た目の星の並び

夜空に輝く星々を、ギリシャ神話の登場人物などに見立てたものが星座だ。
国際天文連合によって88の星座とその領域が定義されている。
形がわかりやすいように引かれるのが星座線だ。星座線が引かれるような星は、肉眼で見える星だけになる。(肉眼で見える暗い星の限界は六等星)
星座の由来は全てが神話から来ているわけでなく、わりと新しい時期に決められた星座は神話と無関係なものが多い。グレイの故郷と言われるレティクル(レチクル)座も神話とは関係ない。

星座の星には明るい順にα星、β星…と名前が付けられている。オリオン座で言えばベテルギウスがα星、リゲルがβ星だ。ただし明るさと順番が不一致な場合もある。
ベテルギウスのような名前が付いたものもあるが、α、β…しか付いていないものも多い。そういった星はオリオン座δ(デルタ)星とか、星座の所有格を付けて呼ぶ。ベテルギウスならα Orionis(アルファ・オリオニス)だ。
太陽系に近いアルファ・ケンタウリも、ケンタウルス座α星という意味のα Centauriのことだ。
レティクル座の所有格はReticuliなので、グレイでおなじみのζ(ゼータ)星の事はζ Reticuli(ゼータ・レティキュリ)と呼ぶ。そこから来ているというグレイの仲間のことも、レティクル座ゼータ星系人の意味でゼータ・レティキュリと呼んでいるわけだ。

星座とその境界
ステラナビゲーターより
国際天文学連合によって88の星座が定義され、天球上の領域を区別するために星座を使った領域が定義されている。(図の緑の線の範囲)
星々を結んで絵にする星座線については、学術的な意味があるわけではないので、公式に定義されていない。よって、本や資料によって多少の違いがある。
星座の形にはオリオン座のように星座絵が連想しやすいものもあるが、かなり苦しいものも多い。

星座の星は意外に近い星ばかり


星座線で結ばれるような主な星のほとんどは、太陽系からさほど遠くない、せいぜい半径1,000光年程度の範囲内にある。つまり天の川銀河の中だ。(星座領域にあるアンドロメダ銀河などは、天の川銀河の遥か外にある。)
1,000光年というのは肉眼で見える限界の六等星の80%が存在しているのがその範囲だという観測結果に基づいている。銀河の中心方向の方が星が多いため、正確には中心方向に978光年、反対方向に420光年、銀河面の上下方向に260光年ずつとなる。
例外もあり、例えばはくちょう座のしっぽの星である一等星デネブまでは、一等星の中では最も離れた1,800光年の距離がある。

地球の上からは、星座を構成する星々が天球の同じ距離に貼り付いているように感じるが、実際はまったく別々な距離にある。
下の図はオリオン座を構成する代表的な星々の、見かけと実際の距離の違いを表したものだ。
上半身は比較的近くにあり、三つ星から下はかなり離れていることがわかる。


この事から、「○○座から来た」という宇宙人の話があっても、それは単に「南から来た」と言っているくらい非常に漠然とした言い方であることがわかるだろう。
好意的に解釈すれば、「地球から見た○○座の方向にある星」という意味にも取れるが、その方向の先には無限に宇宙が続いているのだから、どれだけ遠くの星から来たのかを一緒に教えてくれないと意味がない。

星座占い

黄道十二星座

黄道十二星座
太陽の通り道である黄道(黄色の線)上にある星座
ステラナビゲーターより
星占いで使われる十二星座は、地球から見た見かけ上の太陽の通り道である黄道(こうどう)上にある12の星座を占いに使っているだけで、天文学的意味はない。
天球を黄経で12等分した十二宮(きゅう)と実際の星座を対応させ、誕生星座の期間が決められている。そのため実際の星座の領域とは対応していない。

黄道十三星座

天文学的には黄道上にへびつかい座を含めた十三星座がある
ステラナビゲーターより
1995年に天文学者のジャクリーン・ミットンが新聞のジョーク記事で、「さそり座といて座の間にへびつかい座があるため、黄道上にある星座は天文学的には13が正しい」としたことから、十三星座の星占いも行われるようになったが、十二星座に比べて定着していないようだ。

参考資料

  • ニュートンプレス・ニュートン別冊 よくわかる天の川銀河系(ニュートンプレス)
  • 誠文堂新光社・天文年鑑2010年版
  • Wikipedia(オリオン座それぞれの星について)

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