2018年3月6日火曜日

土星

美しいリングを持つガス惑星





はっきりとした環を持ったガス惑星。
大気の水素とヘリウムを主成分としている。中心には個体の核があると考えられている。
ガスの比重が水よりも軽いので、もし土星がすっぽり収まるような広大な海があったとしたら、土星は浮かぶだろうと言われている。
自転速度が速いため、横につぶれた球形をしている。

土星には地球や木星などと同じように磁場があるため、両極地方ではオーロラも見られる。環は氷などでできている。地球の何倍もの広さに広がっている(2009年には、土星の半径の128~207倍の大きさに広がる新たな環も観測されている)が、厚さは数十メートルから数百メートルと極めて薄い。
地軸が傾いているため、約15年周期で真横から見るようになるときは地球から環が見えなくなる。2009年はその年である。
環の構成物は秒速何キロという猛烈なスピードで周回している。
環の隙間には羊飼い衛星と呼ばれる小さな衛星も見られる。その衛星の引力により環の構成物がはじかれて隙間を作っている。

北極に六角形の嵐!

土星の北極に見られる六角形の嵐(2006年に探査機カッシーニが赤外線で撮影)
土星の両極には大気が渦を巻いているが、特に北極のそれはかなりはっきりとした六角形をしている。
これは最初1980、1981年に土星に接近した探査機ボイジャー1号、2号の観測で見つかり、2006年の探査機カッシーニの観測でもまだそれが残っていた。

地球の台風でも幾何学模様は見られる
六角形構造自体は地球の台風でも見られるが、これほど長い期間安定して存在しているのは土星の北極だけである。なぜそのような模様ができるのかはわかっていない。
スケールは全然違うが、蜂の巣や氷の結晶なども六角形であることから、自然界において出来やすい安定した形なのかもしれない。

生命が期待される衛星タイタン

厚い大気を持つ衛星タイタン
2008年5月現在60衛星が発見されており、その中の最大の衛星タイタン(木星の衛星ガニメデに続き太陽系2番目に大きい衛星)には太陽系の衛星で唯一、窒素からなる濃厚な大気が存在している。地表付近の気圧は地球の1.5倍程度になる。
NASAの探査機カッシーニがタイタンに着陸させた小型探査機ホイヘンスにより、極付近で液体メタンの川の痕、メタンやエタンなどからなる液体の湖などが見つかった。
タイタンの湖
タイタンは現在、太陽系の天体で一番地球に近い環境として、メタンを利用して生きる生命の存在が期待されている。
地表の気温は約−180℃。

衛星エンケラドゥス

衛星エンケラドゥス
衛星エンケラドゥスでは、半径250kmほどの小さな衛星だが、南極付近から水蒸気を噴き出していることが観測された。このことから氷の地殻の下には液体の水が存在する可能性が高い。液体の水は土星の潮汐力によって生じた熱によって存在すると思われている。有機物の存在も確認されており、地下の水の層に生命が存在する可能性も期待されている。
吹き出した水蒸気によって最も外側の環であるEリングが構成されている。

土星の環に巨大UFO?

NASAの探査機が撮影した土星の環の写真に、巨大な葉巻型UFOが写っているとして話題になっている。
アメリカの航空工学、宇宙工学の科学者ノーマン・R・バークラン博士が探査機ボイジャーの撮影した写真にそのようなものを見つけたのが始まりである。
博士の唱えた説によれば、博士がEMV(Electro Magnetic Vehicle/電磁力式輸送機)と呼ぶこの巨大UFOの活動による廃棄物が、環の基であるというのだ。EMVは全長36,000kmもあり、環の中に最低3つはひそんでいるのだという。
この写真は探査機カッシーニが撮影したとされる(本当かどうかは不明だ)連続写真をアニメーションにしたものだ。何か大きく細長い物体が環の上にあり、さらに別の物体が左から右へと移動している。
この画像をもって土星の環と同じかそれ以上の大きさがあるという早とちりの人もいるようだが、カメラの前を手で覆えばどんな大きい物でも隠れてしまうのと同じで、物体までの距離がわからないと大きさはわからない。他に比較対象物がないので、写真から大きさを割り出すのは難しいだろう。
本当にこの連続写真が存在するのなら不思議な写真だ。ぜひカッシーニが撮影した実物の画像を見てみたいと思いNASAジェット推進研究所(JPL)のサイトを探してみたが、残念ながらまだ見つからない。
写真をアニメーションにしたもの
NASAより
別な連続写真は見つけたが(10)、こちらの方は衛星が移動しているのをスローシャッターで写したために長く写ったものだ。
ノイズも多いようで、最後のコマに映っている斜めの軌跡もわからない。

参考資料

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